窓辺の小太郎

野付半島の渡り鳥や動植物の生き生きした「瞬間の美」を目指します。

エゾジカ・袋角から戦闘角へ

2019-09-09 15:38:19 | エゾジカの四季

ススキの花が終わり、白くなった穂が西日に輝きます。すっかり秋の気配が充満して

きました。エゾジカのオスの角が成熟してきています。

おばんです。小太郎でごじゃります。

         ◆  エゾジカ・袋角から戦闘角へ  ◆

春からマツタケのような膨らみを持って耳の前、内側に出た角芽はどんどん成長し

見事な角になってきました。初めはビロードのように柔らかで、艶々し、色気を感じ

させるふっくらした角でした。

袋角と言われ、触ると液体が入っているような不思議な錯覚を味わえます。熱く、どく

どくした勢いを手を通して感じたことがあります。柔らかく厚い皮膚の下から血管の

動悸がすごかった。

春先のシラカバが根から水分を吸い上げる勢いとみなぎる力を感じさせるのに似ています。

3カ月以上たった今、角は長く伸び、股を出し、三股四尖のガッチリとした角に成長し

ました。ふわふわだった角皮膚は中で成長した本角に密着し、中の血管だけが浮き出でて

います。

血管も細くなり、硬化して、蔓がへばりついているようです。袋に入れ、真空ポンプ

で空気を取り出すと中に入っていたものの形がはっきり浮き上がってくる、そんな感じ

の角になっています。成熟した角になり、もうすぐ皮が剥離してきます。

出会ったシカはまだ4歳になったばかりのオス。角の広がり方は狭く、先の方の伸びが

少ないのです。まだ先の方には薄っすらと毛が残っています。

オスの群れからでたはぐれジカ。右耳にケンカして切れたV字の切れ込みが入っています。

研鑽摘んでやがて大ボスの道を歩くようになる猛者になる候補です。

のんびりと水辺で草を食んでしました。