窓辺の小太郎

野付半島の渡り鳥や動植物の生き生きした「瞬間の美」を目指します。

ノビタキのヒナが巣立ちしました

2020-06-24 18:43:34 | 山野の鳥

ノビタキのヒナが巣立ちを始めました。雪が残る3月中旬に早々に渡ってきますが

ヒナが巣立ちするまでの期間が他の夏鳥に比べると長いです。

おばんです。小太郎でごじゃります。

        ★ ノビタキのヒナが巣立ちしました ★

ノビタキが何故早く渡って来るかは興味あるところです。渡ってきて、食べ物が

確保でき、早めにやってきてメリットがあるからでしょう。

気温の低い草原で流麗な節回しの囀りを聞くだけでも早春の愉しみです。草原の

下草が出て枯れ草色から薄緑に変身して行く頃に巣つくりが始まり、センダイ

ハギやエゾカンゾウの花が咲きだすと親鳥の警戒する声が聞こえだします。

巣に孵化したヒナがいる証しです。初めは小さな虫を口にいっぱい持ってきま

す。大きくなると虫の大きさも変わり、毛虫や芋虫が多くなります。

巣立ちは突然やってきます。綿毛がとれ、しっかりした羽がそろい、尾羽が2㎝

くらいになると、ヒナたちは一羽、一羽巣から出ていきます。

ばらばらに出ていき分散します。どうも草原で繁殖する鳥のヒナは飛べる力が

出るまでは、ばらばらに過ごすようです。プリデターに同時にやられないように

です。

草の中に潜み、鳴くことで親に居場所を知らせ、給餌を受けるのです。数が多い

のでメスとオスが懸命に餌を運びます。担当があるのかどうか、分かりませんが、

一羽のヒナを見ているとオスばかり、メスばかりがエサを運び、警戒の声を上げ

自分の方に気を引こうとします。

やがてしっかり飛べるようになるとヒナたちは再び集まり、効率よい給餌を親

から受けるようになります。

がんばれ、とうさん、かあさん。


シマセンニュウの囀りが活発

2020-06-24 00:39:17 | 山野の鳥

野付半島の草原にはシマセンニュウという小鳥がいます。英名はMiddendorf's

grasshopper warbler。グラスホッパーはバッタ、草むらの中から飛び上がり

空中でチッチッチョリチョリチョリと囀りながら、飛び降りてくる様子がバッ

タの飛び方に似てるところから付いた名前です。

おばんです。小太郎でごじゃります。

          ★ シマセンニュウの囀りが活発 ★

ウグイスに似た小鳥ですが、気をつけて観察しないと見つけづらい鳥です。

北海道道東の海岸線の草地で繁殖しています。

地元の人は「草むぐり」と呼んでいます。草の中で生活している小鳥として認

識しています。夏鳥の中では一番遅く渡ってくる小鳥です。

草の中で生活する都合上、草が伸びてくるのを待ってくる感じです。6月になる

まで低温が続き、植物の成長が遅いんです。

6月はじめにやって来ると、オスはすぐになわばりを持ち、囀りだします。早朝

からハマナスやオトコヨモギ、シシウドの枯れ茎などの上に止まり、一生懸命に

鳴きます。

遅れてくるメスを待ち受け、自己主張しなければならないのです。

ときどき空中に飛び出す、バッタソングを入れて周囲のオスにアピールします。

上手くカップリングができても、メスを狙うソリタリーというあぶれオスが

たくさんいるので、気を許すことができません。

産卵するまで、オスは囀るのに忙しいのです。今は、囀りを愉しめる時期です。


カッコウ、毛虫大好き

2020-06-22 22:58:30 | 山野の鳥

カッコウのメスが托卵するために静かにハマナスの枯れ枝に止まっています。

まったく鳴かず、周辺の草むらの中を窺っています。

おばんです。小太郎でごじゃります。

          ★ カッコウ、毛虫大好き ★

オスが鳴き、托卵する小鳥の注意を自分に引きつけます。メスは静かに草むら

木に止まり、托卵できそうな相手の巣を探します。

卵を抱く小鳥はカッコウのオスにに警戒を強め、追い出そうとまといつきます。

注意を引きつけたカッコウのオスは時々、カッコウと鳴き、相手を引き付けます。

長引けば抱卵しているメスが巣から出て、食事をとりに巣から離れます。

カッコウのメスはこの瞬間を、粘り強く待つのです。その間、お腹が減ります。

枯れた灌木の枝に止まっている間もお腹を減らしていきます。注意を払い、顔

だけ左右に向きをかえ、四方に注意を向けていますが、突如飛び出し、近くの

草むらに飛び込みます。

産卵に行ったかなと思いきや、大きな毛虫を嘴に挟んで飛び出してきます。

体長6cmはあろう毛虫です。頭の方を掴んでいます。

抵抗ができないようにしています。それでも毛虫は体を曲げ、抵抗します。

すると上下に頭を振り、毛虫を揺さぶります。何回か繰り返すうちに毛虫が

抵抗をしなくなります。

毛虫の力がなくなってくると、くちばしを大きく開け、丸呑みしようと頭を上げ

ます。毛虫の頭から飲み込んでいきます。おそらく尖った毛先がのどや食道に

刺さらないように注意してるんです。

托卵相手に察せられないように素早く餌取りするメス。持久戦でも食べ物の補給

必要なんですね。それにしても大きな毛虫が草むらには多くいます。


二又三尖の角が現れました。

2020-06-20 22:23:28 | エゾジカの四季

エゾジカの角がどんどん変化してきてます。双子葉植物の発芽状況をを時を追

って見るようです。

おばんです。小太郎でごじゃります。

         ★ 二又三尖の角が現れました。 ★

角の成長が佳境に入ってきてます。三尖の先がT字になっています。これから

三又になる角芽です。


野付半島のニホンアマガエル

2020-06-19 20:00:46 | 生き物バンザイ

野付半島にはニホンアマガエルが棲息しています。6月に入り、暖かくなると

草むらの中から「クワックワッ・・・」という声がしてきます。

おばんです。小太郎でごじゃります。

         ★ 野付半島のニホンアマガエル ★

声の主を見つけてやろうと、毎度試みるのですが、めったに見つることができ

ません。ハマナスの灌木が点在する草地や水辺のヨシ帯の中で探すんですが、

どこにいるか分からないんです。

海から海霧が押し寄せ、湿気が多い日によく鳴きます。でも特定できず、諦める

ことが続きます。ただ、いつも見つけたいという思いはあるので、花や鳥を探し

ているときにも気をつけています。

出会いは突然やってきます。オオジシギを探しながら歩いているときに、偶然

地面に動く小さなカエルに気づきました。大きさは2.5㎝ほど。小さな個体です。

私の足元でびっくりして動いたようです。踏まなくてよかった。

地面にいたら気づきませんよ。厳寒期に-20度以下になる地域にアマガエルがい

とは思いませんでした。田んぼの畔にいるようなカエルがいるわけがないと

いう思い込みがありました。

でもいるんです、寒い野付半島の草原に。考えてみれば、太陽さえ当たれば、

草の中は30度以上になります。昆虫がたくさん出現し、繁殖しています。カエル

生きていける食べるものがいっぱいです。

日本のアマガエルは、北は北海道・利尻島から南は九州・屋久島まで日本の至

る所に生息する、ごくごく普通のカエルです。いるんですが・・・。

最近、どうも学会をにぎわせているんです。実は日本の東西で遺伝的に大きく

異なることがわかりました。いま、その実証調査がされているそうです。

北海道のニホンアマガエルが新種になるかもしれません。

ちなみに北海道はエゾアカガエルとニホンアマガエルの2種しかいませんから。