窓辺の小太郎

野付半島の渡り鳥や動植物の生き生きした「瞬間の美」を目指します。

オオジシギが飛ぶ季節

2020-06-18 17:51:28 | シギ・チドリ

5月、ヤマシギが姿を見せると、オオジシギが姿を見せます。ヤマシギは夕方に

ディスプレイプライトをしますが、オオジシギは夜も、朝も、昼も、夕方もやり

ます。

おばんです。小太郎でごじゃります。

          ★ オオジシギが飛ぶ季節 ★

いつ寝るんだろうと最初にオオジシギの声を聴いた時には、思いました。50年

前のことです。

今から思えば、当時は100mおきに縄張りを持ったオスがいて、誰かが鳴きだし、

飛び始めると隣のやつが対抗して飛ぶというシーンが多かった気がします。

1970年代は数が多かったのです。霧多布岬や野付半島の草原にはオオジシギが

多かった。鳥の調査でテントやバンガロウ暮らしを5月から8月まで6年間続けて

いた時、夜中に飛ぶオオジシギには感激していました。ジッジッジッ・ジーと

3拍子で鳴くことを飛びながら続けます。次にガ、ガ、ガ、・・・・と空気を

張り裂く爆裂音を響かせ、急降下してきます。

その迫力に「鳥じゃーねえ」と思ったものです。猟師に聞くと「あれはカミナ

リシギだ」と教えてくれた。地元の人は誰もが知っている鳥でした。

飛び疲れると降りてきて、杭や電柱、木の先、なければ地面に止まります。草地

の中でメスがジープ、ジープと反応して鳴いているのは後で知りました。

片方が止めると対抗して飛んでいたやつもやめます。時には周辺のオスが4、

羽集まって集団で飛びまわることも多かった。

最近は、夜に鳴きながら飛ぶことが少なくなっています。日が出ているときに

飛びまわるオオジシギを見ることが少なくなりました。毎年、少なくなってき

ています。

これは実感です。

日本野鳥の会が多くの人を動員して調べています。オオジシギの個体数がずい

ぶんと少なくなってきているそうです。

夏、主に北海道の草地や本州の山地の草地、ロシアの一部で繁殖し、冬には

オーストラリア周辺で過ごします。


カワアイサのオス、河口に集まっています

2020-06-17 18:51:00 | カモ類

カワアイサのオスが野付湾に注ぎこむ川の河口の中州に10羽以上が集まりだし

てきています。また、メスが10羽以上のヒナを連れて泳いでいるのを川で見か

ける季節になりました。繁殖期が真っ盛りです。

おばんです。小太郎でごじゃります。

      ★ カワアイサのオス、河口に集まっています ★

カモの仲間は産卵するまではオスが一緒にいることが多いのですが、ヒナが孵化

するとメスがヒナ育てに当たり、オスはいなくなります。

つまり、用無しになります。カワアイサもその部類です。孵化したヒナにはオス

はいらないのです。木の洞などで巣を構えるカワアイサは孵化するとヒナは木か

ら飛び降り、水辺まで走ります。それを導くのはメスです。生まれたときからヒ

ナは自分でエサを探し、お腹を満たすことができます。

メスはヒナが外敵に狙われないように、警戒し、逃走し、ひとりでヒナを護りま

す。水面を走って逃げ、警戒の声を出し、川面を移動して行きます。川面は水生

昆虫が羽化して湧いてくる時期があります。ヒナが育つ時期と重なり、十分に食

べるものがいきわたるのです。

オスが用無しなのは、環境がヒナを育てるからです。

子育てに参加できないオスが派手な繁殖衣装を脱ぎ捨て、メスと似たような羽色に

変わっています。

河口に集まるのは海に群れで出かけ、魚を得るのに共働しているのです。やがって

大きくなって集まってくるヒナたちを待っているようです。


ショウドウツバメ、巣つくり真っ最中。

2020-06-16 19:11:30 | 山野の鳥

ショウドウツバメたちが崖の上部に巣穴を掘ってる真っ最中だったのは、2週間前。

1週間前は古巣から5メートル横の褶曲地層に新しい巣がたくさん掘られていました。

おばんです。小太郎でごじゃります。

        ★ ショウドウツバメ、巣つくり真っ最中 ★

果敢にメスを追い回していたオスたち、すでに番になったものもいれば、まだ

アタック中のオスたちもいるようです。

1週間前だとメスが巣穴に止まると複数のオスが止まりに来て、メスの気をひく

シーンが見られました。その頻度は減ってきています。

すでに巣穴を掘り終わり、巣材を運ぶ個体が現れています。オスかメスかは分

かりませんが、巣の下にある砂浜に降りて、巣材を嘴に取り、巣に運んでいます。

浜に打ちあげられ、乾燥してきたアマモです。乾燥したアマモは実に軽い。生の

アマモは重いけれど、水分が飛ぶと、随分と軽くなります。30㎝くらいのアマモ

軽々と嘴で持ち上げ、飛ぶことができます。

ショウドウツバメ、力持ちと思ったのですが、実際に拾い手にしてみると、菓子

箱を包むときに使う平たい紐みたいに重さを感じません。ふわふわ空気みたいに

軽いことが分かりました。

セッカくらいの大きさの体で運ぶんだから、相当軽いんです。実は北欧の国で

打ち上げられたアマモを乾燥させ、束ねてベットの材料にして使っている人たち

いるのを思い出しました。

彼ら曰く、軽くて暖かく気持ちがいいのだそうです。ショウドウツバメも乾燥

アマモを巣材にして、ヒナを育てるのです。

巣のすぐ下に巣材が豊富にありことは、なんと幸せなことか。ひらひらさせな

がら運ぶ姿、似たような鳥がいますね。


アオサギ、超接近

2020-06-15 22:50:20 | 山野の鳥

干潮が始まり、潮が引きだしていくとアオサギがやってきます。彼らの体の中

には潮の満ち引き表があるかのように、タイミングよく営巣している林から飛

んできます。

おばんです。小太郎でごじゃります。

             ★ アオサギ、超接近 ★

孵化したヒナたちは、食慾旺盛になり、それを満たすにはたくさんの魚を捕ら

ねばなりません。

潮が動くとき、魚が群れをなし、水面近くを泳ぎ出します。水底の泥が舞い

り、プランクトンやベントス、水生昆虫、それを食べに集まる稚魚、エビ類

など食べるものがたくさん現れるからです。

アオサギは干潟や川にやってきて、魚を狙います。広大な干潟にはたくさんの

アオサギがやってきます。もちろん川にもやってきます。

川の水位は1メートル近く下がるので、浅瀬は恰好の猟場になります。じっと

たたずみ、移動してくる魚を狙います。

アオサギは警戒心が強く、カメラを構えていると、遠くから発見されます。

真っ直ぐ来るはずなのに、翻り、コースを変え、上昇して行ってしまうことが

多いのです。

もちろん魚を捕る場所でもすぐに飛んで行ってしまいます。ふわりと飛び上がり、

100m、200m離れたところに移動して行きます。

そんなアオサギでも、ときどきドジな奴がいます。岸辺でじっと立っていると

気づかずに目の前を通過して行くアオサギに初めて出会いました。

川のカーブを曲がり、岸辺に沿って飛んできたのです。もちろん連写しました。

しかも私に向かってきちゃったんです。

アオサギの飛翔を初めてまじかで撮りました。飛ぶ姿勢はペリカンとそっくり

です。頸をS字に曲げ、縮め、脚をしっかり伸ばし、大きな翼でゆったりと羽

ばたいて飛んできます。嘴の短い以外は、ペリカンです。

後頭部の長く伸びた羽毛、冠羽と言われる羽をぴたりと倒しています。背中の灰色の

飾り羽も体と一体化しています。

また、前頸から胸部にかけて、長く伸びた飾り羽。破線状の黒い縦縞模様がし

っかり首に張り付いています。

飛ぶときはできるだけ抵抗を少なくできる仕組みになっているのです。改めて

飾り羽も無駄に付いていない思いました。

繁殖期のアオサギは実に美しい。でも、飛ぶときにはいらないんです。すべてを

仕舞い込み、飛ぶことに集中するのです。それがまた神々しい。


カラスのカニ料理法

2020-06-13 23:33:08 | カラスの生態

大潮の干潟。潮がすごく引くので干潟で生活する生き物が物陰に隠れ、潮が上

がってくるのを待っています。

おばんです。小太郎でごじゃります。

            ★ カラスのカニ料理法 ★

干潟は多くの生き物の食堂になります。カラス、カモメ、オジロワシ、タンチ

ョウ、アオサギ、シギ・チドリ、カモ類、キツネなど干潟にやってきて、生き物

を漁っています。

カラスはわざわざ森から遠征してきます。美食家で生きたもの食べるのが大好き

です。今日は、干潟に残されたモズクガニが餌食になりました。小さなカニから

大きなカニまで様々です。

カラスが引っ張り出したのは大きなモズクカニ。爪を大きく広げ、威嚇します。

それをどのようにして食べるか、作戦を練るカラス。

挟まれると怖い爪を意識して、無防備な脚を狙います。とっかかりは脚を掴んで

降り投げることです。投げ飛ばすとひっくり返り、お腹を見せます。すぐに起き

がれないカニを再度掴み投げます。

繰り返しているうちに抵抗する力が弱くなり、さらに何度も投げ飛ばします。

どんなに屈強なカニもさすが、投げ飛ばされているうちに、力が萎えてきます。

それを待つ、これがカラスの諦めないです。しだいに力がなくなった脚は狙わ

れます。

最後には脚で押さえ、脚をもぎ取ります。1本ずつ、もいでいくと脚を踏ん張っ

て、抵抗ができなくなります。そうするとおもむろにお腹の三角の褌を引き剥

がし、身が一杯入っている甲羅の中を剥ぐって行きます。

そこまでに至るカラスとカニの戦いです。