窓辺の小太郎

野付半島の渡り鳥や動植物の生き生きした「瞬間の美」を目指します。

何でも食べるぞ

2020-06-03 18:10:00 | タンチョウのいる風景

右脚を痛めたタンチョウにで出会った。右脚を打撲したようです。関節が腫れて

いるようで、指先が少しだけ着きます。折れてはいません。

おばんです。小太郎でごじゃります。

            ★ なんでも食べるぞ ★

脚が使えないとエサ取りが大変です。タンチョウは干潟や草原、ヨシ帯などに

入り、食べ物を探します。ゆっくり歩きながら隠れている生き物を見つけ出し

嘴で捕り上げます。

片脚が使えないと自由に移動できなく、翼を広げながらバランスをとり、ケン

ケン歩きをしなければなりません。

水の中を歩けば、その振動で隠れている魚は身を潜めるか、逃げてしまいます。

どうしても捕る確率が減ります。お腹が減り、痩せてきます。羽の手入れも悪

なり、汚れてきます。

こうなると、今まで食べなかったものでも食べなければなりません。背に腹は

かえれません。お腹に入れて少しでも栄養が取れるものであれば、乾燥したも

腐りかけたものでも食べます。

普段なら僕の姿を見れば、遠ざかって行くのに、その日は硬く乾燥したものを

拾い上げ、警戒することなく飲み込もうとしていました。

オジロワシが持ってきて食べれず、捨てていった魚の乾いたもののようです。

カジカかサケのかけらです。硬く乾燥しているのでスムースに呑み込めません。

元気なタンチョウなら絶対見向きもしないものです。無理やり食べて、強い胃に

任せ、消化してしまおうという強い意志です。

胃にものが入れば、力が出て、回復が早くなるはずです。それを知ってるから

こそ必死なのです。

近くには、行動の不自然さに気付いたオジロワシがやってきています。辛抱強く

ドラム缶の上に止まり、監視をしています。

オジロワシは待つことでチャンスを手繰りよせるのが仕事です。


回遊する魚を追いかけて

2020-06-02 18:06:53 | カモメ類

イワシの群れが根室海峡に入ってきているようです。毎年、この季節には大きな

群れが野付半島の沿岸に回遊してきます。

おばんです。小太郎でごじゃります。

      オオセグロカモメが集まり、魚を争って捕っています。

          ★  回遊する魚を追いかけて ★

海が凪いで波が無い時、海面の下を黒い塊が動いてくるのが分かります。塊と

言っても、畳千畳いや畳万畳ほどの得体の知れない黒い模様が音もなく(当た

前ですが)形を変えながら移動して行くのに気づくことがあります。

初めて見たときは魚の群れだとは思えず、なんか大きな生き物が移動している

のかなといぶかったものです。

分かったのはカタクチイワシが大量に砂浜に押し寄せ、オジロワシやカモメが

集まっていたからです。食べるだけ食べ、それでも残ったイワシの死体がいっ

ぱい砂浜に打ちあがっていました。

カタクチイワシはプランクトンを鰓で濾して食べます。植物、動物プランクトン

流氷のおかげで、根室海峡で大発生しています。それを食べに集まってくる

イワシはカモメやハシボソミズナギドリなどの海鳥、鮭やマグロ、ブリなどの

肉食魚、イルカやシャチ、クジラなど海洋ほ乳類の格好の食べ物になります。

イワシは彼らの天敵から身を守るために密集し、群れになり、同調して泳ぎます。

方向転換や急速度転換をして敵の攻撃をかわします。

沖合からカモメやウミアイサが追いかけてくることがあります。目ざとさでい

うとカモメが群れの上空に張り付き、移動してきます。

海上でカモメが集まりにぎやかになるときがあります。見つけ次第、近寄って

みますが群れがすぐに移動するので、数分で終わることがあります。潜られる

とカモメはどうしようもないのです。

群れが定置網に近寄るとき浮いてくるイワシを鳥にカモメが集まります。長きは

続きませんが、パニックを起こしたイワシはカモメにはとりやすい獲物になり

ます。祭りだ祭りだ的な賑わいが起こります。


スキあれば

2020-06-01 23:29:34 | タンチョウのいる風景

干潟でエサ取りするタンチョウやアオサギはアマモに隠れたギンポやカレイ、

エビ、カニなどを見つけ、食べます。

おばんです。小太郎でごじゃります。

               ★ スキあれば ★

海水が引くと隠れることに自信がある魚はアマモや砂地に隠れ、再び満潮に

なるのを待ちます。

その自信があだになることがあります。魚好きなタンチョウやアオサギは隠れ

ている魚を目ざとく探しだし、引きだします。

ギンポみたいにグネグネする魚は抵抗が激しく、くちばしで挟んでもすぐには

食べることができません。頭を強く挟んで弱るまで、どうしても時間がかかり

ます。悪戦苦闘をしていると干潟に集まっているウミネコが見つけ、上空に

やってきます。

あわよくばかすめ取ろうと狙うのです。泳ぐ魚は上手く捕れるのに隠れている

魚はとることができません。そこで頭を使い、横取り作戦をとるのです。

上空にきて、ホバリングしてタンチョウの気を自分に向けさせるのです。運が

良ければ、急降下して嘴の先から魚を奪うことができます。

成功率は決して高くはないのですが、可能性を求め、試します。気にしている

ときに魚が落ちたりするといち早く降下して、拾い上げ、そのまま逃げます。

労せずして獲物にありつくことができてしまうのです。横取り作戦は毎日、繰り

かえされる出来事ですが、盗られる方も知恵はつきます。

それでも横取りするウミネコはすごいよ。