4階の同伴喫茶は、
客二人にマドレーヌと飲み物が付き、二人分で900円でした。
殆どの客が、マドレーヌなど食べる暇がありません。
二人の客は帰る時、マドレーヌを置いて帰ります。
ボーイは全員20才前後でしたから、いつもお腹が空いていました。
客の残したマドレーヌは、お腹が空いたボーイ達のオヤツになります。
たまに引き取り手がないと、
マドレーヌは入ってくる木箱に戻され、ゴキブリがうろつく障害物です。
それとも、ゴキブリの餌になるのでしょうか?
他のボーイは、食べたりポケットに入れるのを見つかると、
ビンタされたそうですが、僕は1度も怒られたり、
注意された事はありませんでしたし、観て見ぬ振りをしてくれました。
この最高位のボーイ長の態度で、
同伴喫茶の部は「お前がやれよ」と云われるようになり、
安心して、マドレーヌの管理が出来ました。
この時、人がやりたがらない仕事を、
真面目にやる事が大事だと気づきました。