この少し前、娘がドブの中から子猫を拾って来て、
家族に見つからないよう、物置に隠して飼っていたそうです。
物置小屋から猫の鳴き声がするので、妻が扉を開けた途端、勢いよく飛び出し、
開いていた玄関から居間のソファーの上に飛び上がりチャッカリ座り込んだそうです。
座り込んで気持ちよさそうにしている子猫を、外に出す事も出来ず、
その日から家の中で暮らすようになりました。
名前は「チャオ」と娘が付けました。
又、この頃、家にはノラの母猫が、
3匹の子猫を連れ、毎日庭に遊びに訪れていました。
それならば、食事でもと、気に掛けます。
食事の前まで来ますが、警戒感は強く、食べようともしません。
お腹は空いているでしょうが、子供を守るためには仕方がなかったのでしょう。
何日か経ち、家人に慣れてくると、少しづつ近寄り、食べ出しました。
そうすると、本来の穏やかな顔つきになり、驚くほど美人顔の猫になりました。
チャオは、このお母さん猫と子供達との仲間に入れて貰っていました。
一日も休まず、夜になるとお母さん猫と3匹の子猫、
チャオの5匹は、木陰に集まり、
猫会議を行っていると、妻が話していました。
様子を観て居ると、何も話さず、円陣を組みジッと座って居るだけです。
『テレパシーで、話しているのよ』と妻の解説が入ります。
猫はどこの地域でも、毎晩会議を行っていると妻は話しています。
このお母さん猫の前に、ノラの母猫が1匹の子猫を玄関前にクワエて訪れ、
『お願いします』と云うような素振りで、妻の顔を見上げ、
3~4歩いて、又振り返り、見上げると云う行為を何度かしたと話していました。
妻が、子猫に触ると、既に死んでいたそうです。
チャオ