今ではライターもカメラマンも弟子入りしてなるもんじゃないけど昔は違う。
特に有名カメラマン、写真家に師事するとその後が開けると打算的に考えた田舎の子供達が押し掛けたのだ。
勿論、給料は出ない。
こき使われる、時には殴られる。
如何にも日本的な現場でドラマでも描かれていたなあ。
「才能無いから田舎に帰れ!」ってのも常套句だった。
可愛い女の弟子なら先ず間違いなく手を出される。
バンブーなんて奴はその手の話で有名だった。
26歳の頃
勿論まともな仕事も無かった。
専門学校からおっさんを紹介された。
写真家で民俗学系の写真を撮る人だ。
何処の仕事かは忘れたが各地で撮影をする助手をしないかと誘われた。
かなりの大仕事で写真集は大著となる予定。
二月程各地を周り撮影をする。
「学術的に非常に価値のある仕事だ、どうだ一緒にやらないか」
落合のとんかつ屋でビールを飲みながら話した。
結局返事はしなかった。
出来る訳が無い、二月ただ働きなんだよね。
その間の部屋代等々どうするんだよ!!
実家住まいならまだしもクソアパートに住んでるんだじぇ。
日常の暮らしがあるんだよ。
自分はしっかりギャラ貰うけどアシスタントは無休。
「金は出ないけど巻末には協力者として名前が載るから」
そんなもん、クソの役にもたたねーわ!!
うっせーうっせーうっせーわってこのクソ爺!