異教の地「日本」 ~二つの愛する”J”のために!

言論宗教の自由が保障され、ひとりひとりの人権が尊ばれ、共に生きることを喜ぶ、愛すべき日本の地であることを願う。

9条は先進的な世界認識 : 思想家 吉本隆明さん 

2014-07-12 03:10:59 | シェアー

http://www.tokyo-np.co.jp/hold/2007/consti/news/CK2007080802039485.html

憲法九条に同意してくれる国と一緒にやろうじゃないか、

平和について世界を変えようじゃないかってことができたら一番いいね

2007年8月8日

「近代化がほぼ終わった日本は考えどころ。憲法9条を国際的に主張したらどうか」と語る吉本さん=都内で

写真

 戦争中、僕は間違いなく「やれやれ」っていう軍国少年だったから、米国の占領軍を敵意を持って観察してたんです。「あんまり変な態度だったらただじゃおかんぞ」みたいな気持ちでね。

 しかし、東京に進駐してきた連中は新しい占領政策を打ち出すときに、「これこれを実施するから了解してほしい」とちゃんと新聞に声明を出していた。

 自由とか民主主義とかの言葉が分かってない僕ら日本人だったら、被占領国の民衆に声明を出すってまねはできないなって感心したんです。それを見て僕は戦意を喪失した。おれ自身の戦争中の考え方を反省しなきゃいけないなとなったんですよ。

 それで戦後、(英国経済学者アダム)スミスから(ドイツ経済学者カール)マルクスまで必死に読んで、少し左翼的言辞をろうするようになったんです。

 戦中は軍国主義に加担して、戦後は安保闘争に加担して負けたんだから、僕は前科二犯ですね。だけど、そこで初めて、やっぱり憲法九条は保っといた方がいいよっていう考え方が出てきますね、僕には。そこんとこだけは、権利がないって言われても加担しますね。

 つまり憲法九条はどの資本主義国にもどの社会主義国にもない、超先進的な世界認識なんだと思うんです。これは右か左かで論じたら全然狂っちゃうわけですよ。

 戦争では、弱い方の土地が戦場になって荒らされる。米国なんかかすり傷を負っただけで大騒ぎでしょ。本当の戦争なんか知らないんですよ。だから僕の理解の仕方では、うまい物は食ってないけど平和な暮らし方をしているうんと後進的な国家や社会、地域、アマゾン川流域の共同体みたいなところは多分、憲法九条に賛成してくれるはずですね。

 日本はそういう人たちと連携して「おれたちは米国とも中国やロシアとも違うよ」って国際的な広場で積極的に主張したらいい。そしたら憲法の非戦の考え方にとっては大きな力になると思います。今のように非戦条項を放り出したまま米国一辺倒っていうのが一番だめなやり方です。

 近代化の過程にある東洋諸国の中で、日本は文化的にも文明的にもあるいは産業的にも科学技術的にも、近代化はほぼ終わってます。だから僕に言わせれば「日本は考えどころだぜ、ここでまた西欧のまねしてちゃだめだぜ」って。金もうけに頭がよく動くヤツが得するような、ばかな社会をつくるまねをするなって思いますね。

 自分らの土地と天候と風俗習慣あるいは遺伝子的なものに一番適合したやり方を考えてみろよって思います。世界中のどこにも同志となる国がない特殊な国でしょ、日本は。

 憲法九条に同意してくれる国と一緒にやろうじゃないか、平和について世界を変えようじゃないかってことができたら一番いいね。そういうことが考えどころだっていう課題だと思います。

 

 よしもと・たかあき 1924年東京生まれ。東工大卒。60-70年代の安保闘争や全共闘運動、新左翼活動の理論的支柱として学生らに絶大な影響を与えた。文学から政治、社会、宗教、サブカルチャーまで広範な領域で思想・評論活動を続ける。近著に「家族のゆくえ」「読書の方法」「13歳は二度あるか」「超恋愛論」など。82歳。


国民の監視で軍事化防げ

2014-07-12 03:04:24 | シェアー

http://www.tokyo-np.co.jp/hold/2007/consti/news/CK2007051002115189.html

東大大学院教授の高橋哲哉さん

 軍事化を止める力は世論にしかない。国民の厳しい監視が必要なんです。

写真

 憲法九条を変え、安倍政権が国全体を軍事力の行使に耐えうるものに変えようとしている今、教育基本法の改正において「愛国心」が重視されたのは必然です。

  朝鮮戦争後の日本の再武装について日米が話し合った一九五三年の池田勇人(自由党政務調査会長)・ロバートソン(米国務次官補)会談では既に、「防衛のための自主的精神」を育てるには教育によって「愛国心」を養う必要があると強調されている。

 今まさに同じ。米国の戦略に同盟国の日本が従うには、「お国のために働く子」が必要なのです。教育の主体が再び国家へと引き戻され、教育が国家戦略と結合する。その時、主権者である国民による子どものための教育は、国家による国家のための教育へと変えねばならない、というわけです。防衛庁も「省」に格上げされ、名実共に軍事国へと突き進む。

 この逆戻りをどう食い止めたらいいのか。庶民の生活感覚に訴える言葉として「戦死」が思い浮かびます。

  日本は戦後六十年間余、とにかく戦闘による死者を出さないでやってきたが、改憲後は違ってくるでしょう。「自衛軍」を保持し、集団的自衛権を行使できるとなれば、戦闘参加もあります。その時、国のために戦った死者の扱いが重要になります。靖国神社の国営化を検討する声も閣僚から上がっています。

 そもそも、安倍晋三首相が「現憲法や教育基本法は占領時代の残滓(ざんし)だ」と強調するのは時代錯誤です。この主張は一九五〇年代に、新制東京大学の初代総長南原繁にも「著しく真実を誤ったか、あるいは強いて偽った論議」として退けられているのです。にもかかわらず、根拠薄弱な議論で改憲へと導くやり方は、歴史の風化に乗じた無責任な政治だと言わざるをえない。

 軍事化を止める力は世論にしかない。国民の厳しい監視が必要なんです。政治家には、憲法に反することを口にした時には、国民から不信任を突き付けられるという緊張感が必要なのです。

 

 たかはし・てつや 1956年、福島県生まれ。東大卒。専攻は哲学。「デリダ」「記憶のエチカ」「戦後責任論」「靖国問題」など著書多数。憲法や教育基本法をめぐり積極的に発言を続ける。50歳。


安倍内閣のクーデターだ。…憲法全体が無効化される!

2014-07-12 02:27:18 | シェアー

http://www.youtube.com/watch?feature=player_embedded&v=vZ6oCN_fkAY 

■憲法破壊を許すな! 7.3集会での高橋哲哉さん(東京大学教授)の講演

 福島で生まれ育った、原発政策は許せない。安倍首相が世界に嘘をついてオリンピックを誘致したことに強い怒りを感

じる。沖縄の基地問題も同じように、沖縄の民意を完全に無視して7月1日の閣議決定と同じ日に辺野古の工事に着工

した。安倍内閣はこれまでにない最低・最悪の政権であり、底なしのモラルハザードで道義的退廃そのものだ。安倍政

権は支配層のために政治をやっており、福島の犠牲も、沖縄の犠牲も、戦争の犠牲も無視している。あらゆる詭弁を弄

した卑怯なやり方で無理やり押し通すことは筋が通らない。

集団的自衛権は民意に反している。集団的自衛権は歴代政権が憲法尊重・擁護義務により、憲法9条の下では行使で

きないとしてきた。この解釈を安倍内閣が一首相の恣意で変えてしまうことはまさにクーデターだ。これが許されるので

あれば、9条だけでなく、基本的人権の尊重や主権在民など憲法のあらゆる解釈変更が可能になってしまう。この閣議

決定を許すのであれば、憲法全体が無効化されることを認めることになるだろう。安倍首相は法学部出身なのに憲法の

ことを知らない。これこそまさに“学力低下”だろう。

閣議決定後の記者会見でもパネルを出して国民の感情に訴えようとしていたが、前提がおかしい。アメリカでは有事の

際に民間人の救出順序が決まっていて、①アメリカ国民、②永住権取得者、③イギリス人、④その他の順番で、日本人

はその他に該当する。機雷は敷設も排除も戦争行為であり、日本から戦争を仕掛けることと同じだ。中東に戦争を仕掛

けると第3次世界大戦になりかねない。

アメリカ同時多発テロ後のイラク戦争では、イギリス、ドイツ、イタリア、カナダ、オーストラリアが集団的自衛権を発動し

た。日本はアメリカの人道復興支援活動に参加したが、武力行使ができるようになれば日本は侵略国だと見なされる。

相手国からすれば、自衛権を行使して日本に攻撃してくることになるだろう。

戦後日本は、「非戦の誓い」で二度と戦争や武力行使をしないことを憲法で誓った。これに対して自民党は、憲法を変

えて戦争ができる国を実現するために憲法改正草案を出してくるだろう。靖国思想、徴兵制が復活し、「日本固有の伝

統と歴史を持つ天皇を中心とする国家」という大義名分で戦争を正当化してゆくだろう。それを許さないために、蟻の一

穴からつぶしていかなければならない。閣議決定の撤回を求めて、市民が大きな声をあげ、政治勢力を結集して安倍

政権を倒そう。力を合わせてこの国が戦争をする国にならないように阻止していきましょう。