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「武器では平和は守れない」~埼玉の中村哲講演会に1450人 〔レイバーネット 2017.8.25〕

2017-08-27 22:30:56 | 平和 戦争 自衛隊

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「武器では平和は守れない」~埼玉の中村哲講演会に1450人

 

 8月25日、中村哲医師(ペシャワール会) 「命の水と緑の大地を拓いて34年・戦乱と旱魃のアフガニスタンから『平和』を考える」講演会が埼玉会館大ホールに1450人が参加し大盛況だった(副題「命の水と蘇る大地」「憲法9条こそ日本の強み」)。

 ハンセン病治療のためパキスタン北西部ペシャワールに赴任以来34年、アフガニスタン東部で、医療活動のかたわら1600本の井戸を掘り、相次ぐ戦乱と旱魃で難民化して人々の帰還のために灌漑用水を拓いて「緑の大地計画」を進める中村哲医師(地元ではドクターサーブと呼ばれている)は、政治と自然の変化に翻弄されてきた人々がひたすら求める「平和な生活」への願い、「豊かさ」とは何かを一緒に考えたい、と次のように講演した。

 「中近東の西にある山の国アフガニスタンは人口3000万の保守的イスラム教の多民族雑居国家で、アフガン戦争以前は遊牧と農業中心の需給率100パーセントの国だった。
 降水量は少ないがモンズークシ山脈の雪や氷河が溶けて土地を潤し、降り注ぐ日差しのおかげで光合成が促進し豊かな耕地となり糖度の高い野菜や果物がとれ、小さな国の集合体のようなこの国は、互いの民族を尊重しながら、平和な民族の花束とも呼ばれてきた。
 ソ連軍侵攻で200万人死亡600万人難民となり、豊かな緑の土地は破壊され、農業用飲料用の水の供給が遮断され、感染症の巣窟となった。1988年に(私は)医療活動から灌漑用水開拓活動中心に方針転換した。片道1週間かかる標高3000mの村では医療もさることながら、水と食料が届かず感染症が蔓延していた。1998年にハンセン病根絶という虚言で、国連は、金と物と人を引き上げてしまったので、募金でPMS基地病院を設立した。ソ連軍撤退後内乱を制しタリバンが統一し内乱は落ち着いたが、大干ばつの襲来で村がまるごと消えていくことは、戦争より深刻で、汚い水を飲んでしまう子どもたちに腸肝感染症が急増し、また食べ物が作れないために100万人餓死寸前になった。綺麗な水と食べ物が必要だった。餓えや渇きに医療は無力だった。
 911後.米国ブッシュ政権はアフガニスタンに無差別大量爆撃してきた。アフガン難民たちは爆弾の雨の中、食べ物を探して逃げ回る状況になった。国連にパンと水の要求の訴えたが、聞き届けられず、カブール市民の協力者たちとともに、爆弾を避けながら、空爆下での食料配給に奔走した。
 その頃、日本に立ち寄ると、空港のテレビを日本人たちは、アフガン空爆を、まるでサッカーや野球観戦のように見ている。軍事評論家といわれる人たちが登場して、米軍が民間人をさけて『極悪非道のタリバン?』を攻撃しているかのように嘯く。空爆にピンポイントはありえない、実際に無差別攻撃なのだ。タリバンでない人たちがタリバンと一緒に暮らしているのだ。

 現在の日本と違って電気が使えないアフガニスタンでは、取水技術は江戸時代の手法を参考にし、斜め堰や柳技工や蛇篭工法を行った。アフガニスタンの人たちは粘り強く、途中で投げ出さず完成させた。彼らは『自分の村で家族と一緒に生活し1日3回のご飯を食べられる。これが命綱。これで生きていかれる』と言ってくれた。沙漠が緑になり砂嵐も阻止。沙漠に木が生え緑で気温が下がる。温暖化対策は戦よりも食料自給。現地に適した取水技術を確立し、人間の取分を守り搾取しない。アフガニスタンでは、雪解けによる大洪水と干ばつの悪循環を断ち、洪水にも渇水にも耐える取水堰によって、安心して暮らせる村が復活した。
 人間と自然が折り合うべき。自然は搾取の場ではない。武器があれば平和を守れるという迷信を捨て、人と人は和解すべきだ」。

 復活した村の緑豊かな水田風景が映し出されると、会場では。どよめきが起こり拍手喝采が続いた。休憩後、会場から寄せられた子どもから高齢者までの多種の質問に対して中村哲さんは次のように答えた。回答だけを羅列すると、

〇 苦労した点は、用水路の構造の決め方で、理解てくれない日本人の傲慢さと総工費募金を集めること。
〇 メディアはなるべく公平な目で、付和雷同するのを追いかけずに冷静に報道すべき。
〇 用水路に魚はいて養殖の計画もある。
〇 医者の心得は人に優しくなること。
〇 ただの自慢話で終わらせたくないので日本政府からも支援してもらう。2010年からJAICAと共同している。政府の中だからと云って極悪非道とは限らない。 国連の中の良心的な方たちとはテロリストの中の良心的な人たちとは協力し合う。ただの自慢話で終わらせたくないので。
〇 かつて平和だったアフガニスタンを復活させ、戦乱がなくご飯を食べれることにお手伝いをする。 政治のことはアフガニスタンの人が考える。うまくいかなくて嫌になりそうになると,必ず助けてくれるアフガニスタン人がいた。その人のためにも裏切ったら詐欺になる。 良心的な募金はプレッシャーであり励ましでもある。
〇 アフガニスタンの人たちは陽気で素朴、踊りが好きで、シタールのような楽器で音楽ほ奏でる。日差しが強いので豆類・野菜・果物の糖度が高く、肉はほとんど食べない。焼きたてのナンは大好き。 〇 用水路で地下水の水位が上がったので、井戸ができ、水運びの労働から女性と子どもが解放された。
〇 資金備蓄で20年間はまわせる。その間に、技術者養成訓練所で現地の人を育てたい。飽きっぽい日本人と違って、我慢強いアフガニスタンの人のことを理解してもらうために、日本とアフガニスタンとの民間レベルでの交流を活発にしてほしい。
〇 現地で武装勢力に教われない方法は、武器装備をしないこと。武装装備した外国の兵隊は戦さ(人殺し)をしに来たと判断される。政治的な敵をつくらないこと。タリバンも警官も軍隊も村に帰ると互いに仲良し。緑の大地を作り、安全を確保することでつながっているので地元では喧嘩をしない。そうすれば襲われることはない。
〇 米兵だろうがテロリストだろうが。良い人と悪い人もいる。良心的な人とは協力し合っていく。

 中村哲さんは、その著書『医者。用水路を拓く』の中で次のように記している。
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 上空を軍用機がけたたましく飛び交い、私たちは地上で汗を流す。彼らは殺すために飛び、人々は生きるために働く。彼らは脅え、人々は楽天的だ。彼らは大げさに武装し、人々は埃まみれのオンボロ姿だ。彼らは何かを守るが、人々には失うものがない。「民主国家?テロ戦争? それがどうしたって言うんだい。外人とお偉方の言うことは、どうもわからねぇ。俺たちは国際正義とやらに騙され、殺されてきたのさ。ルース(ロシア=ソ連)もアングレース(英米人)も、まっぴらだ。世の中、とっくの昔に狂っている。だから預言者も出てきたのさ。それでも、こうして生かせてもらっている。奴らのお陰じゃない。神の御慈悲だよ。まっとうに生きていりゃ、怖いことがあるものか」。これが、人々と共存できる私の信条でもある。
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 報告=ジョニーH

 

 

 


国民感情を逆撫で 日本を壊した4首相のバカ笑い別荘写真~新自由主義に根差した拝金主義を奨励し、人心を荒廃させた・・・〔日刊ゲンダイ2017.8.25〕

2017-08-27 16:15:27 | 政治 選挙 

「天木直人 4首相のバカ笑い別荘写真」の画像検索結果

https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/212304/1より転載

国民感情を逆撫で 日本を壊した4首相のバカ笑い別荘写真

  • 2017年8月26日

普通ならここまで笑えない(日本財団・笹川会長のブログから)

普通ならここまで笑えない(日本財団・笹川会長のブログから)

「マトモな人間なら、あそこまで大笑いできません。歴代首相が4人もそろって何をふざけているのか。『こんな日本に誰がしたんだ、キミたちじゃないか!』と叱り飛ばしたくなりますよ」

 政治評論家の森田実氏はそう憤怒していたが、この写真を見れば誰もが嫌な気持ちになるはずだ。安倍首相の夏休み終了のタイミングに合わせたのか、25日大新聞がなぜか一斉に掲載した一枚。今月15日夜、日本財団の笹川陽平会長が山梨・鳴沢村にある自身の別荘に現職の安倍と森、小泉、麻生ら歴代首相を招き、会食した際の写真である。

 安倍は例年、夏休みには鳴沢村の別荘に10日近く滞在。加計孝太郎・加計学園理事長ら「腹心の友」を招き、ゴルフやバーベキューに明け暮れていたが、今年ばかりは加計学園疑惑がくすぶり続ける中、渦中の人物と一緒に遊びほうけるわけにもいかない。

 大好きなゴルフを封印し、遊び相手もいなくなって歴代首相と会食の手はずとなったのだろう。それにしてもだ。大口を開けてバカ笑いしている森や、赤ら顔でのけ反って笑う小泉たちのザマは何なのか。

 ハッキリ言って、この大笑い4人組は日本をメタメタにブッ壊した張本人。経済失策の連続で、1991年のバブル崩壊以降の「失われた10年」を「20年」「30年」と長引かせた責任者。おまけに米国の言いなりで自衛隊と米軍の一体化をどんどん進め、シッポを振り続けてきた亡国の徒ではないか。

 2000年に5人組の密室談合で発足した森政権以降、歴代自民党政権はこの国を「貧困と格差」が渦巻くヒドイ社会に変えてしまった。政権トップを務めた4悪人の高笑いは国民感情を思い切り逆撫でするものだ。

 とりわけ、この国を破滅の道へと歩ませたのが、01~06年の小泉政権時代だ。当時、森はキングメーカー気取りで、安倍と麻生は重要閣僚を歴任。「改革なくして成長なし」のワンフレーズ政治で、「構造改革」路線をひた走った結果、行き過ぎた規制緩和がもたらしたのは、社会の大きな「歪み」である。

枚挙にいとまがない高笑い4人組の罪状の数々

 その歪みの象徴が、高速バスツアー事故の頻発だ。貸し切りバス事業は国の規制緩和で新規参入業者が激増し、過当競争が勃発。安全コスト軽視の格安ツアーが横行するようになり、長時間労働を強いられるドライバーの運転ミスで、十数人が犠牲となる事故が相次いでいる。

 04年には労働者派遣法を改定。製造業への派遣を解禁して以来、非正規雇用者の数は年々増え続け、今や労働者全体の4割を超えてしまった。「派遣切り」「ネットカフェ難民」「ブラック企業」という言葉を頻繁に耳にするようになったのも、小泉時代からだ。

 当然、低賃金の非正規が増えれば国民全体が貧しくなる。厚労省の毎月勤労統計調査のうち、1人当たりの「現金給与総額」は、小泉政権発足直後の01年6月には48万5588円。対する今年6月の同じ数字は43万3043円だ。この16年間で労働者の平均賃金は5万円以上も減ってしまったのだ。経済アナリストの菊池英博氏はこう指摘する。

派遣村には人が殺到(C)日刊ゲンダイ派遣村には人が殺到(C)日刊ゲンダイ

小泉政権の大罪のひとつが『小さすぎる政府』を目指したこと。ただでさえ、日本の財政支出額は先進国の中で最低レベルだったのに、さらに切り詰めたのです。そのターゲットが社会保障費と地方交付税で、それぞれ数兆円単位で削減したため、医師不足で救急車たらい回しの『医療崩壊』が出現。そのクセ、大型店進出の規制緩和には歯止めをかけず、地方の商店街はシャッター通りと化したのです。地方がメタメタの惨状で内需は冷え込み、今なお続くデフレ不況を拡大させた罪は重い

 これだけ国民を苦しめる大罪を犯した4人が、よくもまあガン首そろえてバカ笑いできるものだ。

■ナショナリズムに火をつけテロの標的に

 長引くデフレ不況のあおりで、日本の国際競争力も凋落の一途だ。主要国の名目GDPを比較すると、1997年を100とした指数は16年に米国が218、英国が205、ドイツが160と順調に成長を続けているのに、日本は88と独り負けだ。2010年には中国に抜かれ、約半世紀も死守してきたGDP世界第2位の座を明け渡した。

 経済低迷で国の借金だけが膨れ上がり、13年には1000兆円を突破。国際競争から取り残されて日本人が自信を失った反動だろう。狭小なナショナリズムに火がつき、「反中嫌韓」「ネトウヨ」なる言葉が定着していった。高千穂大教授の五野井郁夫氏(国際政治学)はこう言う。

「世の中全体が右傾化する中、03年のイラク派遣以降は自衛隊の海外展開はなし崩し。内実は米国追従の軍事一体化一辺倒です。安倍政権による集団的自衛権容認の安保法制によって、さらに一体化は強固となりましたが、その代償として日本人はテロリストの標的になってしまった。中東で日本人が人質になっても、小泉政権からは『テロには屈しない』という勇ましい一言で見殺しにしてきたのです。この強硬路線を決定づけたのも、大笑い4人組。今も安倍政権は北朝鮮有事にクチバシを挟み、進んでミサイルの的になろうとしています。国民の生命をないがしろにしておきながら、よくぞOLのインスタグラムのようにチャラチャラした写真を撮影できるものです」

■自己責任のひと言で弱者を切り捨て

 日本社会を貧困と格差のドン底に叩き落としながら、政権とつるんだ一握りの“利権屋”が跋扈するようになったのも、小泉政権時代以降の弊害だ。

「労働法制の規制緩和に血道を上げ、派遣社員を増大させた竹中平蔵氏が、人材派遣会社の会長に収まったのが、いい例です。規制改革会議の議長だった宮内義彦氏が率いるオリックスに『かんぽの宿』が安値で一括売却されかけた騒ぎもありました。まるで『規制を破壊せよ、そこに利権がある』と言わんばかりで、獣医学部新設の加計問題に通じる権力の私物化の悪弊はこの頃から芽生えてきたのです」(菊池英博氏=前出)

「小泉チルドレン」や「魔の2回生」に代表される政治家の劣化。「政治主導」に名を借りた官僚制度の寸断による行政の公私混同。地元の意向を無視して辺野古移設をゴリ押し、沖縄の基地問題をこじれさせたのも4悪人の責任だ。

 4悪人の罪状を挙げていけばキリがないほどだが、高笑いの一枚に歴代自民党政権の悪巧み、破廉恥、国民愚弄、権力の私物化、お気楽と全てが写っている。前出の森田実氏はこう言った。

何より彼らが罪深いのは国民の人心を荒廃させたことです。新自由主義に根差した拝金主義を奨励し、『今さえ自分さえよければ、カネさえ儲かれば』という風潮が蔓延。日本古来の助け合いの文化はズタズタとなり、『自己責任』という言葉で弱者を切り捨てるようになったのです。ここまで日本を破壊しながら、他人の別荘で高笑い写真とはいい気なもの。『フザケルナ』の一言です」

 国民もいつまでも4悪人の跋扈を許し、バカにされている場合ではない。

 

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