日本神話で天津神と呼ばれる神々が住まうという場所。
そこが高天原と言われている。
「古事記」によれば、そのありかは海の上の雲の中にあるとされる。
多くの神々を擁する高天原を治めるのは、父であるイザナギ命にその任を命じられたアマテラス大神とか。
アマテラスとスサノオ尊との確執でも解るように、高天原にはかなり人間界に近い環境があったようで。
また、この天上の国ではスサノオの乱暴により機織女が死んでいることから「死」も存在していたらしい。
神々にとって楽園には違いないが、
不死の地ではないのだろう。
なお「日本書紀」の本文には、この高天原の記述はほとんど見当たらない。
高天原の所在地については「古事記」の描写は天上にあることを示唆しているものの、必ずしもそうは思わない学者もいたようで。
たとえば神話はなにがしかの史実を含むものであり、高天原もその例にもれないとしている。
史実である以上、それは地上にあったに違いないとする説で、江戸時代の儒学者の新井白石もそう唱えているのだが。