箱を開けると…
ケイタが持っている伝説の釣り針が入っていた。
この釣り針は世界に1つしかない。
一瞬喜びが込み上げたが、すぐに疑問を抱き始めた。
何故僕のところに伝説の釣り針があるのか?
ケイタが釣り針をなくしてしまっていたとしたら…
僕がケイタの宝物を盗んだことになる。
これまでの彼との友情は簡単に消えてしまうだろう。
事情を説明しようが、到底現実の話とは思えない。
考えるほど、恐ろしくなり、すぐに箱を閉めてポケットに入れた。
その時、ウアーという叫び声が聞こえた。
ヤスが捕まったのだ。ケイタはヤスのポケットから無理やりボールをとりだし、いつもの笑い声で喜びのダンスをしていた。
僕はその間に急いで階段を下りた。
すぐにふたのついたゴミ箱が目に留まった。
とっさに僕は思った。「ケイタに疑われる前に、この小箱を棄ててしまおう。」
上からケイタの足音が聞こえる。一瞬ためらったが、思い切って小箱を棄てた。
ほっとした…のは束の間だった。
その様子を掃除用具入れの中に隠れていたダイキが見ていたのだ。
ダイキが突然現れ、ゴミ箱のところへ走ったので緊張がはしった。
「まずい。小箱の中身がばれてしまう。泥棒と思われる。みんながどんな顔をするだろう。ケイタからは一生無視されるだろう。」など、いろんなことが頭をよぎった。
ところが、ダイキは何を血迷ったのか、ポケットのボールをゴミ箱の中に入れた。
「これでケイタに俺たちのボールをとられずにすむ。イエーイ」とダイキは言った。
ダイキは僕がボールをゴミ箱の中に隠したと勘違いをしているようで、彼も同様にしたのである。
ついにケイタがいつもの笑いでゆっくりと階段から下りてきた。
ダイキは微笑んで言った。「俺たち、ボール持っとらんけん。」
ケイタは不気味に笑いながら言った。「ハーハーハー、ハーハーハー、ボールはそのゴミ箱の中だろ。ハーハーハー」
ダイキの表情が暗くなった。僕の表情はどう見えただろう。多分、死んだも同然という顔だったに違いない。
続く…
ケイタが持っている伝説の釣り針が入っていた。
この釣り針は世界に1つしかない。
一瞬喜びが込み上げたが、すぐに疑問を抱き始めた。
何故僕のところに伝説の釣り針があるのか?
ケイタが釣り針をなくしてしまっていたとしたら…
僕がケイタの宝物を盗んだことになる。
これまでの彼との友情は簡単に消えてしまうだろう。
事情を説明しようが、到底現実の話とは思えない。
考えるほど、恐ろしくなり、すぐに箱を閉めてポケットに入れた。
その時、ウアーという叫び声が聞こえた。
ヤスが捕まったのだ。ケイタはヤスのポケットから無理やりボールをとりだし、いつもの笑い声で喜びのダンスをしていた。
僕はその間に急いで階段を下りた。
すぐにふたのついたゴミ箱が目に留まった。
とっさに僕は思った。「ケイタに疑われる前に、この小箱を棄ててしまおう。」
上からケイタの足音が聞こえる。一瞬ためらったが、思い切って小箱を棄てた。
ほっとした…のは束の間だった。
その様子を掃除用具入れの中に隠れていたダイキが見ていたのだ。
ダイキが突然現れ、ゴミ箱のところへ走ったので緊張がはしった。
「まずい。小箱の中身がばれてしまう。泥棒と思われる。みんながどんな顔をするだろう。ケイタからは一生無視されるだろう。」など、いろんなことが頭をよぎった。
ところが、ダイキは何を血迷ったのか、ポケットのボールをゴミ箱の中に入れた。
「これでケイタに俺たちのボールをとられずにすむ。イエーイ」とダイキは言った。
ダイキは僕がボールをゴミ箱の中に隠したと勘違いをしているようで、彼も同様にしたのである。
ついにケイタがいつもの笑いでゆっくりと階段から下りてきた。
ダイキは微笑んで言った。「俺たち、ボール持っとらんけん。」
ケイタは不気味に笑いながら言った。「ハーハーハー、ハーハーハー、ボールはそのゴミ箱の中だろ。ハーハーハー」
ダイキの表情が暗くなった。僕の表情はどう見えただろう。多分、死んだも同然という顔だったに違いない。
続く…