古里の暮らしの中で

私の住んでいる地域の文化を紹介する

カナダ旅行・ハプニング(その1-1)

2011-11-20 22:41:18 | 
「他人の不幸は蜜の味」とも申します。
その蜜をほんの少しお分けしますので、ちょっと長いですが、それでもかまわない方だけ読んでください。
楽しそうであろう今回の旅は、思いもかけないハプニングに遭遇した旅でもありました。

振り返れば、日本国内の旅行でさえ今まで1回も経験したことがないことを
言葉の通じない(ただ私たちが不勉強と言われればそれまで)外国で経験したんだから
その驚きは普通ではなかった。と言えます。
皆様の参考になれば幸いと、とりあえず「その1」を書きますが、2・3が載るのかは不明です。

成田空港を17時に出発したエア・カナダでの直行便は、約12時間の空の旅を終えて、
同じ日の16時にトロント空港へ着いた。
空港から約2時間バスに乗り、ナイアガラのカナダ滝、アメリカ滝が両方見えるホテルに着いた。
ホテルの外にあるレストランで食事後、添乗員さんがナイアガラの滝をライトアップしているのを
案内すると言われた。
また、カナダとアメリカの間に掛かっている橋を渡って、橋の中間にある国境を
歩いてアメリカ分に入りカナダに再入国するとのことだった。

私たちは出発前からの疲れも重なっていたし、明日の出発予定が遅かったので
明日行けばいいと、ホテルに帰った。
後から聞いたら、行かなかったのは私たちだけだったらしい。

夫が風呂に入っている時、私の耳に、車がバックするブー、ブー、ブーという音が聞こえた。
何の音だろうと思いながら荷物の整理をしていたが、いつまでもやまない。
おかしいなと思ってドアを開けたらサー大変。
非常ベルがビー、ビー、ビーとけたたましく鳴り、赤いランプがものすごい勢いで点滅している。
しかし、火も煙も見えないし、何も変わったことはない。
他の部屋からもドアを開けて覗く人はいるけれど、また閉めてしまって誰も動く気配はない。

どうしようと思いながら、反対側の窓から外を見たら、警察車輛みたいなのが来た。
人々がみんなこちらのホテルを見ている。

サー大変、避難しなくちゃ。夫を急き立てて私はとりあえずパスポートだけ持てばいいとその確認をする。
夫が、パンツをはいているので、「そんなものはかなくてもズボンをはいていればわからない」
と、とにかく急がせた。夫の髪はまだ半乾きだけど、そんなことは構っていられない。

私の頭をよぎったのは、以前NHKで放送していた実験だった。
部屋に20人くらい人を入れて、煙を少しずつ入れていく。
そうしたら、部屋の中が真っ白になっても誰も部屋を出なかった。
なぜ逃げなかったか、理由を聞いたら「誰も逃げなかったから」という答えだった。
だから、他の人が逃げなくても私たちは逃げないといけないと思った。

廊下に出た夫は、考えれない行動を起こした。
何とエレベーターで逃げようと、ボタンを押した。もちろんそれはもう効かなかったが、
「こんな時にエレベーターなんかだめ、非常階段!」という私に「あそこだ」と誘導してくれた。
ホテル側の館内放送もなければ、避難誘導もない。

私たちは8階から降りたが、降りていくうちに人数が増えて15人くらい、みんなアジア系の感じだった。
3階か、4階あたりへ降りた時、消防士が2人ホースを肩に担いで上がって来られた。
火事なんだ、とその時になって確信した。

外に出た私たちは、まず高い場所に立ち、一面のひとごみの中から添乗員さんの姿を探し、見つけた。
20分も経った頃だろうか、ホテルのボーイさんが玄関から出てこられて、
両手の親指を立てて、それを中へ動かす動作をされたら、皆が、ぞろぞろと中に入り始めた。
誰か、責任者でも出てきて「お騒がせしました」とか言ってお詫びでもするのかと思いきや、
私たちにしてみれば全く拍子抜けだった。

部屋に帰るエレベーターの中で、西洋系の、上着にオーバーを着た女性が私に、
ピンク色のパジャマのズボンをつまんで見せて、肩をすくませてにこっと笑われた。
その気持ちはよくわかったので、私も笑い返した。

話はここで終わって、一応、めでたしめでたしとなりましたが、この話はもう少し続きます。