私的海潮音 英米詩訳選

数年ぶりにブログを再開いたします。主に英詩翻訳、ときどき雑感など。

ひとつただようくものごと 最終連

2013-01-25 00:22:28 | 英詩・訳の途中経過
I wandered Lonely as a Cloud

William Wordsworth

[ll.19-24]

For oft, when on my couch I lie
In vacant or in pensive mood,
They flash upon that inward eye
Which is the bliss of solitude;
And then my heart with pleasure fills.
And dances with the daffodils.



ひとつただようくものごと

ウィリアム・ワーズワース

[19-24行目]

しばししとねによこたわり
うつろうれいにしずむとき
はなはまなこにひらめいて
ひとりごころをさきみたす
するとむねにはよろこびが
みなぎり ともにおどる


 最終連はとうとうひらがなだけになりました…。
 見直してみますと、今回どうも無意識に頭韻を踏みがちだったようです。
 そして全体妙に「み」が多い。私はミ音に鮮やかな金とオレンジを感じます。みなみの国のミニョンの歌です。みかんの花が咲いているのです。

 
 ところでこの詩、和語の七五調という訳し方の問題かもしれませんが、どことなくロセッティのThe woodspurgeと似ている印象。「灯台ぐさに」のタイトルで2010年2月ごろ訳しています。よろしければ合わせてごらんください。