私的海潮音 英米詩訳選

数年ぶりにブログを再開いたします。主に英詩翻訳、ときどき雑感など。

イースト・コーカーⅡ 46~最終行

2010-07-15 19:18:50 | 英詩・訳の途中経過
East CokerⅡ  T. S. Elliot

    [ll.46-49]

The only wisdom we can hope to acquire
Is the wisdom of humility: humility is endless.

The houses are all gone under the sea.
The dancers are all gone under the hill.


イースト・コーカーⅡ    T・S・エリオット

    [43-46行目] 

望みうるただひとつの
智慧はへりくだりだ へりくだりは果てなく

館らはみな波の下へと
踊り手はみな丘の下へと

 *終わってしまった……。ついにストックが切れました。またしばらく自作に逃げるか。

イースト・コーカーⅡ 43~46行目

2010-07-11 19:50:01 | 英詩・訳の途中経過
East CokerⅡ  T. S. Elliot

    [ll.43-46]

Risking enchantment. Do not let me hear
Of the wisdom of old men, but rather of their folly,
Their fear of fear and frenzy, their fear of possession,
Of belonging to another, or to others, or to God.


イースト・コーカーⅡ    T・S・エリオット

    [43-46行目] 

危ういまじないのことばに 私に聞かせてくれるな
年よりどもの智慧を 智慧というより愚かしさを
怖れを怖れ 狂いを怖れ もたれることを怖れ
ひとにもほかにも神にも属することを怖れ


イースト・コーカーⅡ 40~43行目

2010-07-08 20:18:49 | 英詩・訳の途中経過
East CokerⅡ  T. S. Elliot

    [ll.40-43]

But all the way, in a dark wood, in a bramble,
On the edge of a grimpen, where is no secure footstep,
And menaced by monsters, fancy lights,
Risking enchantment. Do not let me hear


イースト・コーカーⅡ    T・S・エリオット

    [40-43行目] 

あらゆるみちのなかぞらで 暗がりの森で 野いばらのしげみで
じめつく沼地のきわで そこに安らかな足場はなく
おびやかされている ばけものどもや まぼろしの光や
危ういまじないのことばに 


 ※「Do not let me hear」は次回に。

イースト・コーカーⅡ 37~39行目

2010-07-06 19:48:01 | 英詩・訳の途中経過
East CokerⅡ  T. S. Elliot

    [ll.37-39]

Valuation of all we have been. We are only undeceived,
Of that which, deceiving, could no longer harm.
In the middle, not only in the middle of the way


イースト・コーカーⅡ    T・S・エリオット

    [34-37行目] 

価値となる われらの経てきたすべての 吾らは気づくほかにない
惑いにはもはや傷めつけられないものに
なかぞらで とあるひとつのみちではなく


 *37行目「undeceived」は「悟る」のほうが相応しいのだろうが……それだとあまりに仏教経典じみてしまう。色即是空空即是色。中有にて刹那を掴みたまえ。←意味はまったくありません。



イースト・コーカーⅡ 34~37行目

2010-07-04 18:38:47 | 英詩・訳の途中経過
East CokerⅡ  T. S. Elliot

    [ll.34-37]

The knowledge imposes a pattern, and falsifies,
For the pattern is new in every moment
And every moment is a new and shocking
Valuation of all we have been. We are only undeceived


イースト・コーカーⅡ    T・S・エリオット

    [34-37行目] 

知識は型をまねび強いる
型は刹那のたびごとに あらたまり
刹那は刹那のたびごとに あらたに慄く
価値となる われらの経てきたすべての


 ※「We are only undeceived」以下は次回に。