私的海潮音 英米詩訳選

数年ぶりにブログを再開いたします。主に英詩翻訳、ときどき雑感など。

ハイペリオンⅠ 1~7行目

2009-12-24 17:40:09 | J・キーツ
Hyperion   John Keats

I [ll.1-7]

Deep in the shady sadness of a vale
Far sunken from the healthy breath of morn,
Far from the firery noon, and eve's one star,
Sat gray-hair'd Saturn, quiet as a stone,
Still as the silence round about his hair;
Forest on forest hung about his head
Like cloud on cloud. No stir of air was there,


ハイペリオン   J・キーツ

  I[1-7行目]

みかげなす かなしびの谷 そこふかく
しずみ まったき明けからも 焔のごとき 午からも
夕のひとつの星からも 遠くはなれた 谷ふけに
しらかみの 旧き男神の おわします いわおのごとく ひそやかに
寝座をかこむ しじまほど 黙しておわす 大神の
つむりのかみえに たれかかる 木々は
雲また雲とにて みそらをみだす ものもなく



 ※決意表明。めざせ万葉長歌風{in現代語〕
  二行目「午」は「ヒル」、五行目「寝座」は「ネグラ」です。八雲立つ谷底に眠る男神。オオクニヌシかスサノヲか。希臘神話と日本神話はやはりけっこう親和性がある?


コメントを投稿