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栽培30年、川辺産のユーカリが香港の動物園へ初出荷 〈2015年12月4日〉

2015年12月04日 08時30分00秒 | 記事

川辺産のユーカリが海を越えて香港へ(写真は千津川の園地)

香港へ着いた状態のユーカリの木


 日高川町の川辺森林組合は、大阪市立天王寺動物園で飼育されているコアラのエサとなる「ユーカリ」を約30年間、提供している。そんな中、同動物園を通じて香港のアミューズメントパークからユーカリの提供依頼が舞い込み、11月末に初出荷した。ここ数年は天王寺動物園のコアラが減少し、ユーカリの出荷量も減少しているが、海外出荷をきっかけに国内外向けに再び需要増の可能性が高まると期待される。

 川辺森林組合では、昭和61年からコアラのエサとなるユーカリを栽培し、天王寺動物園に出荷。同動物園が必要とするユーカリの3分の1を提供し、コアラの飼育数が5頭以上ある時期などは多くのユーカリが出荷されていた。平成22年にはユーカリの葉を提供する縁をきっかけに、川辺地区の児童らが天王寺動物園を訪れて贈呈したことなどもあった。
 その後、天王寺動物園のコアラ飼育数が減少したことに伴ってユーカリの出荷量は減少しているが、昨年、コアラを飼育する香港のアミューズメント施設「オーシャンパーク」でユーカリの入手が困難となり、天王寺動物園を通じてユーカリの提供依頼が舞い込んだ。川辺森林組合は昨年、応急対応でプレゼントとしてユーカリを贈ったが、今年は約20キロ入りのケース3箱を11月末に初出荷し、香港のコアラを喜ばせているという。
 日高川町のユーカリは、旧川辺町時代から矢田地区を中心に栽培。現在は、千津川、土生、小熊地内など10カ所の園地を借りて約7000本を栽培しており、周年で年間1万本近い切り枝を生産してきた。今後は、天王寺動物園への提供だけでなく、国内でコアラを飼育する施設への提供を目指しており、すでに関東地方の動物園にサンプル出荷を行うなど新たな需要獲得にも明るい手応えを感じている。


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