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国保日高総合病院が寒川診療所(日高川町)に新規採用医師派遣へ 〈2015年12月27日〉

2015年12月28日 08時30分00秒 | 記事

へき地医療関連条例などを承認した組合議会


 御坊市外5ヶ町病院経営事務組合が経営する国保日高総合病院(曽和正憲院長)が、へき地医療応援で来年4月から男性医師1人を新規採用し、日高川町国民健康保険寒川診療所に派遣することを決めた。同診療所で診療に当たっている県派遣の女性医師が年明けから産休するため、3月末までは別の県派遣医師と日高病院医師、川上診療所医師(町職員)でカバーし、4月からは日高病院が新規雇用する医師が常勤し、寒川地域のへき地医療を守ることにした。

 日高病院は、許可病床数を維持するために「公共病院色の強化」を重点課題に掲げ、5疾患(がん、脳卒中など)5事業(救急医療、災害時医療)の対応を強化している。これまで取り組みの弱かった5事業の一つ、へき地医療は「寒川診療所の応援を強化する」方針を決め、地域ニーズの高かった「口腔外科」は平成28年度中に開設することで県立医大と合意している。
 へき地医療は、寒川診療所で週4日診療に当たっている女性医師が出産のため1月から3月末まで産休に入るため、日高病院と町、県が協議した結果、1月から3月末までは別の県派遣医師1人、日高病院の常勤医師が交代で、それぞれ2日ずつ受け持ち、川上診療所医師が週1回の出張診療に当たることで合意。4月以降は日高病院が医師1人を新規採用し、常勤医師として週4日(出張診療含む)診療に当たる。人件費等は病院と町で折半し、25日開会の病院経営組合議会で必要経費を定めた条例改正案を提案、承認を得た。
 市木久雄町長は「寒川地域は高齢者が多く、診療所で定期的にお世話になっている方も多いので日高病院、県、川上診療所のご配慮で診療所をこれまで通り続けられることになり、大変有り難い。地域の皆さんにも喜んでいただけると思っています」、小川周司同病院事務長は「新しい医療計画制度の医療連携で重視されている5疾病5事業に含まれるへき地医療について本院が積極的に関わっていくことにした。日高地方の中核病院として地域から愛され、信頼される病院になるよう引き続き努力したい」と話した。

アンギオ装置の設置建物新築
契約承認 平成29年2月完成

 昨年新設した循環器内科治療を充実させるため、平成28年度中に新たにアンギオ(心臓血管撮影)装置を購入するのに伴い、同装置を設置する建物を新築するとともに老朽化した浄化槽を改修する。その工事入札をこのほど行い、組合議会に工事請負契約の同意を求め、承認を得た。
 現在稼動している血管撮影装置は性能・機能的に古いため、1億8000万円かけて心臓用の最新機器を導入し、従来の装置と併用する。装置を設置する建物は鉄骨3階建てで救急・手術棟北隣に建設。床面積は280平方メートル、延べ床面積は736平方メートル。1階に検査室、2階に装置、3階にリハビリ室などを設ける。年明けに着工し、29年2月完成予定。契約金額は4億6980万円、契約先は大日本土木(株)和歌山営業所=和歌山市=。
 このほか、高看学生修学貸付金枠を従来の45人から50人に増やし、看護学生だけでなく、技師等をめざす学生にも適用できるように拡充する事業会計補正予算も承認した。
 

体内から約30年前のガーゼ
損害賠償218万円支払い謝罪

 組合議会には、病院内で発生した診療過程で与えた損害等に対し、賠償するための賠償額を定める議案も提案し、承認を得た。
 今年6月に日高郡内の女性の体内に腫瘍のようなものがあるとのことで開腹手術を行った際、体内から過去の手術時に遺残したと思われるガーゼを発見。「過去に手術経験が1回しかないなど遺残が本院の手術であったことが強く推定される」とし、入院料と手術料を病院負担とした上で、病院から見舞い金を支払うことで同意を得たという。
 病院側は「患者様には多大なご心労をおかけしたことを深くお詫び申し上げます」と謝罪した。


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