内原小児童が植栽に参加
日高町語り部の会(杉村邦雄会長)は、原谷の熊野古道沿い自然散策公園に以前のササユリ群生地を取り戻そうと、去る4日と15日に内原小児童が参加した球根植栽体験会を開催。これで予定の球根約1000個の70区画が完了した。順調に育てば来年6月初旬に開花すると見られ、杉村会長は「開花に合わせてイベント開催も検討できれば」としている。
広川町から鹿ケ瀬峠を越えて降りてきた石畳がある付近に以前はササユリが群生していたが、今はイノシシなどの獣害で全くなくなってしまった。この群生地を復活させようと、同会が立ち上がり、県や町の補助を受けて球根の植栽を計画した。
地域の子どもたちに体験させようと、これまで10月29日の日高中を皮切りに、志賀小、比井小、子ども会「小中区ふれあい推進協議会」メンバーが参加して植栽。これで予定の7割程度を済ませており、4日に内原小の児童でつくる園芸委員会のメンバー、15日は内原小3年生で体験会を開き、残り20区画すべてを終えた。
15日は内原小3年生が同会員から史跡の説明を聞きながら鹿ケ瀬峠頂上までウオーキングした後、石畳近くの自然散策公園「熊野古道公園」に戻っての植栽体験会で会員やボランティアらに指導してもらいながら球根を植え、その上に獣害対策でワイヤーメッシュを設置した。
事業費は約100万円で県が約50万円、町が25万円を補助し、残りもササユリ募金でほぼ賄えるほど。植栽体験会の支援やワイヤーメッシュ設置など作業の一般ボランティアにも41人が登録。ゆくゆくは登録メンバーで復活を見守る団体をつくることも検討したいという。
杉村会長は「堅苦しくせず、参加できる時にできる人で活動していける団体にできれば。開花して見通しがつけば、ササユリフェアのようなイベントも考えれば」とし、今後は公園内やその周辺10カ所に、取り組みなどを載せた看板を設置したり、順調に生育させるため定期的な草刈りなどを行う。
当初は年を越えて球根の植栽を完了する見込みだっただけに「町内全小中で体験会を開け、取り組みを知ってもらい夢をつなげたことが大きい。さらにボランティアの皆さんの善意がこれほど集まったことが力になる。初年度の開花は期待が持てるが、それ以降続いて咲かせることができるかが重要。完全な復活へは長い期間が必要だと思われ、これから見守り続けていきたい」と話した。
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