12日に行った御坊市9月定例議会一般質問で弓倉正啓教育長は、今年度の全国学力・学習状況調査(小6、中3)で行った生活習慣や学習環境などを聞く質問紙調査で「朝食を毎日食べている」や「家で計画を立てて勉強している」と答えた児童が全国平均より10ポイント以上、20ポイント近くも低かったことを報告し、改善に向けて「市民の皆様にもお手伝いいただければありがたい」と呼びかけた。
小池佐左夫議員が市内学校の状況を質問し、弓倉教育長は「県や全国と比べて芳しくない年もあるが、上回る年も複数回ある。特徴として良かった点は国語、算数、数学とも知識・技能の問題。課題の見られた点は記述式に代表される思考力・判断力を問う問題。基礎、基本の指導を大切にしながら全国的な問題でもある思考力、判断力を問う力の向上を目指していきたい」と答えた。
小池議員は再質問で全国事例を紹介しながら「学力向上に努めてほしい」と要望。弓倉教育長は、過去の調査結果を基に昨年度から始めた乳幼児対象のブックスタート事業、今年度から始めた学校図書室の蔵書充実、英語指導助手3人態勢による英語教育充実の取り組みを紹介。
あわせて生活習慣や学習環境等の改善に向けて「市民の皆様方にも改善のお手伝いをしていただければ大変ありがたい」と、2つの課題について言及。
(1)「本人の努力、周囲や地域の協力を得て改善を図りたいこと」として、質問紙調査で「自分には良いところがあると思う」と答えた子どもが全国平均より10ポイント以上低かったり、「地域や社会を良くするために何かしてみたいと思う」が10ポイント近く低いことを挙げた。教育長は「自己肯定感が育まれるような児童生徒への声かけを、周囲や地域の皆様にもお願いしたい」と呼びかけた。
(2)「主に家庭に協力をお願いして改善を図りたいこと」として「朝食を毎日食べている」と答えた子どもが全国平均より10ポイント近く低く、「家で自分で計画を立てて勉強している」が20ポイント近く低かったことを挙げた。教育長は「遅刻や欠席が多い児童生徒では学力の定着は大変難しいことをご理解いただきたいと願っています」とも訴えた。
また、学校側の改善点として「各校では調査結果の自校分析を行っているので、それをもとに授業の指導力を高めてほしい」と求め、教育委員会として「各校の課題に対して市や県の指導主事の派遣や研修の案内など学校に寄り添った指導助言を行っていきたい」と述べた。
このほか、村上宗隆議員は学校給食費の段階的無償化、完全無償化を求めたのに対し、三浦源吾市長は「国、県の動向を注視するとともに財源の見通しがついたら無償化またはその他有効な支援の検討を進めたい」と従来からの答弁を繰り返した。
小川春美議員は学校での暑さ対策を質し、教育委員会は「必要に応じて十分な水分補給ができる環境を整え、空調設備を適切に活用している。体育の授業や部活動前後は健康観察を行い、体調不良の児童生徒については、すぐに活動をやめさせるなどの対応をとっている」と答えた。
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