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御坊市最終処分場負担金、想定下回る3億2千万円前後か 〈2023年9月17日〉

2023年09月19日 08時30分00秒 | 記事


すでに92%が埋まった既設最終処分場

第2期最終処分場の造成工事現場


 御坊市が、令和2年10月から県下初で全国でも珍しい最終処分場埋立物負担金条例を施行し、丸3年を迎え、御坊リサイクルセンター(管理型最終処分場・中間処理施設)=塩屋町南塩屋=を運営する大栄環境(株)=和泉市=からこれまでに総額2億5千万円の負担金が納入されている。処分場はすでに92%が埋まっているため、最終的には3億2千万円前後になりそうで、当初想定していた4億5千万円を大幅に下回る見通しとなった。

 県下最大の管理型最終処分場(民間は県下唯一)を有する御坊リサイクルセンターは平成29年3月から稼動。市は埋立物搬入スピードを抑制し、自然環境保全や環境負荷低減につなげることを目的に民間事業者から1トン当たり1000円(災害廃棄物は500円)の環境保全負担金を徴収する最終処分場埋立物負担金条例を令和2年9月に制定、10月から施行している。
 条例に定めた負担金は一般廃棄物(主に災害廃棄物)産業廃棄物を問わず、最終処分場に埋め立てられる埋立物1トン当たりに課せられる。最終処分場の埋め立て容量は137万5441立方メートルあるが、条例施行開始時点の空き容量は約65万立方メートルだったため、トン換算にすると約45万トンで、負担金総額は最大4億5000万円と想定していた。
 条例施行後の搬入量実績と負担金収入は、令和2年度(10月以降)5万1144トン、5114万7000円▼3年度10万8725トン、1億873万円▼4年度7万2055トン、7206万1000円▼5年度(8月末まで)2万1997トン、2154万6000円となり、総額2億5348万4000円が納入されている。
 8月末時点で最終処分場の92%が埋まっており、空き容量は約10万立方メートルと少なく、トン換算にすれば約7万トン。負担金は多くて7000万円程度となるため、最終的には3億2000万円前後となる見通しで、想定していた4億5000万円を大幅に下回りそう。
 この要因について事業者は負担金対象外となる土壌汚染対策法に基づく土壌(高速道路や一般道のトンネル掘削等で出た、もともとヒ素や重金属などが含有されている土壌)が多く搬入されたためと説明。条例制定前の協議では、この土壌の扱いについて議論になったが、負担金対象外とすることで合意したという。
 負担金は市の新たな収入源として環境保全推進に関する事業(ごみ処理費、公害対策費)に充てている。現在、造成工事中の第2期最終処分場の埋め立て容量は既設と同規模の135万5882立方メートル。トン換算で約95万トン、負担金総額は9億5000万円と想定されている。

令和7年秋完成に向け着々
第2期最終処分場建設工事
 第2期最終処分場は、昨年12月に県の設置許可が下り、既設処分場や中間処理施設に隣接する区有地等に建設中。6月から本格的な造成工事が始まり、順調に進んでいるという。
 既設処分場と同様に底や法面には遮水シートを張って浸出水の地下浸透を防ぎ、遮水シートは最新の漏水検知システムを設置するなど環境保全対策に万全を期す。造成工事は約2年半かかり、完成は令和7年秋予定。その後、7年冬から稼働を始め、埋め立て期間は約10年間を予定。
 埋め立てが終わった既設処分場の土地利用については、地元の意見を聞きながら公園やスポーツエリアなどを検討している。


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