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日高川町がドローン等で医薬品を長距離配送 〈2023年9月27日〉

2023年09月27日 08時30分00秒 | 記事


ドローンと自動配送ロボットを活用した医薬品配送実験のイメージ


 日高川町は、県や和歌山県立医大、NTTコミュニケーション、医療総合商社の(株)ケーエスケーとともに、ドローンと自動配送ロボットを使い、医薬品を長距離配送する実証実験を10月24日に実施。山間部のへき地や災害時に陸送が困難な緊急時の医薬品配送をめざすもので、今回の実験では日高川下流の入野集落センターから保冷ボックスに入れた医薬品を積載したドローンが飛び立ち、同町役場美山支所に隣接する川上診療所まで日高川上空約21キロのルートで実験が行われる。

 日高川町は、川辺町、中津村、美山村の旧3町村が合併したことで町面積約332平方キロメートルと県下で3番目に広く、町域が東西35キロメートルと長い。山間地の美山地域などでは人口減少と高齢化が著しく、地域医療の省人化とへき地医療への迅速な支援拡充、在宅医療の環境整備と患者宅への医薬品配送が大きな課題となっている。また、日高川と山間地に囲まれた環境で災害時には陸路が遮断され、陸路以外での物資輸送手段が不可欠。医療従事者などが独居高齢者や被災地域に配送せざるを得ない状況が想定される中、ドローンや自動配送ロボットを活用することで、人的負担の軽減や危険回避しつつ地域医療の維持が図れると新たな輸送手段として期待される。
 県立医大とNTTコミュ、ケーエスケーの3者は、今年3月に和歌山市内で県下初のドローンを用いた医薬品配送の実証実験に成功した。河川上空を1・5キロ飛行したが、今回は、次のステップとして、過疎地域の物流網にとって有効な手段となり得るラストワンマイル配送(最終地点まで)と呼ばれる個人宅までの配送を含めた過疎地域への長距離医薬品配送の実験を実施。国交省の「無人航空機などを活用したラストワンマイル配送実証事業」を活用し、事業継続運用が可能なモデルを解析するほか、医療品の受け渡し方法の確認、配送中の品質保持、地域住民の受容性や利便性を確認する。


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