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日高川町 新たに風力発電3計画、競合も 白馬山頂に最大で80基以上か 〈2020年6月6日〉

2020年06月06日 08時30分00秒 | 記事


日高川町と有田川町境の白馬山頂に立ち並ぶ風車


 風力発電用の風車30基が立ち並ぶ日高川町と広川町の境界の白馬山頂に、新たに3つの風力発電所の建設計画があり、令和10年頃までには最大で80基以上の風車が立ち並び、日本有数の発電所銀座となりそうだ。既存の2発電所に加え、東側に風車23基を備えた発電所が建設中で、来年夏ごろに供用開始の予定。さらに田辺市龍神村方面に向けて3つの発電所が計画され、16日から日高川町役場などで計画段階環境配慮書の縦覧が始まる。

 白馬山頂には平成22年、1500キロワットの風車20基を備えた初の風力発電所「白馬ウィンドファーム」が竣工。その後、平成26年には同発電所東側の平川地内に、コスモエコパワー(株)=東京都品川区=が風車(2000キロワット)10基の「広川・日高川ウィンドファーム」を稼働させた。同社は、道の駅SanPin中津北側の長者ケ峰付近から、旧中津・美山村境付近に向かう白馬林道沿いに新たに風車(2100キロワット)26基を設置する「中紀ウインドファーム」を建設中で、来年夏ごろにも竣工し、山頂には3発電所、53基の風車が並ぶことになる。
 さらにコスモエコパワー(株)は、建設中の発電所東側に、15基(3400キロワット)の風車を備えた「中紀第2ウインドファーム」の建設を計画し、3年後には着工の予定だ。今月中旬から環境影響評価準備書の公表と縦覧が始まるのは、「中紀第2ウインドファーム」の東側から田辺市龍神村への市町境付近にかけた一帯。大和エネルギー(株)が風車(3200キロワット)11基の発電所「DREAM Wind和歌山有田川・日高川」を、住友林業(株)と電源開発(株)が白馬山では最大規模となる4300キロワットの風車20基を備える「紀中ウインドファーム」を計画している。
 両計画はともに2024年着工で建設場所が重複しており、競合した形で計画が進められている。このほか、最初に建設された「白馬ウインドファーム」が、現在の風車20基(1500キロワット)から、規模を4000キロワットに拡大して風車8~10基に建て替える計画もあり、白馬山頂で風力発電を巡るし烈な競争が繰り広げられている。
 計画段階環境配慮書の縦覧は、「紀中ウインドファーム」が16日から、「DREAM Wind和歌山有田川・日高川」が7月7日から約1カ月間。日高川町役場企画政策課、中津地域振興課、美山地域振興課、寒川出張所で行われ、環境保全の見地などから意見がある人は意見箱に投函するか、両社に郵送できる。


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印南町 3年間で消波ブロック4千個 切目海岸の越波対策で積み増し 〈2020年6月5日〉

2020年06月05日 08時30分00秒 | 記事


越波対策で消波ブロックを積み増しへ


 印南町は、西ノ地地内の切目海岸の越波対策で消波ブロック(テトラポット)を積み増しする。切目海岸保全施設整備事業として昨年度から着手しており、5トンの消波ブロック4000個を防潮堤側に積み増しする計画で、今年度中に半数の2000個を作り、据え置き作業にも取りかかる予定。

 2トンの消波ブロック数千個を設置するなど高波対策を施したが、大型の台風が上陸するたびに高波で砂利が打ち上げる被害が出て国道が通行止めになったり、海岸付近の家屋に避難勧告が出されたこともあり、国道42号の新切目橋付近から川崎モータース付近までの約300メートルの防波堤を1メートルかさ上げ、さらにその上に亜鉛メッキ鉄製の高さ2メートルの越波防止柵が設けたが、平成30年の台風で越波防止柵が12メートルにわたり破損したことから、さらなる対策が必要と消波ブロックを積み増しすることにした。
 従来の2倍以上となる5トンの消波ブロック4000個を作り、積み増しする計画で、昨年度は約4500万円をかけ設計のほか350個の消波ブロックを作った。今年度は当初予算に2億円を計上しており、1650個程度を作る予定で、すでに4月に220個を発注、このほど今年度2回目となる430個分の入札が行われ、(有)新紀建設=同町古井、竹村寧倶代表=が4265万5800円(税込み)で落札。今年度中にさらに1000個程度を作り、海岸への据え置き作業にも取りかかりたいとしている。
 事業費は概算で5億円を見込んでおり、来年度中の完了をめざす。


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スポーツ吹矢 感染対策徹底し活動再開 仲間と喜び実感、笑顔が戻る 〈2020年6月4日〉

2020年06月04日 08時30分00秒 | 記事

 新型コロナウイルスによる県のすべての緊急事態措置が解除となった1日、スポーツ吹矢の紀の国ごぼう宮子姫支部は、休止していた活動を再開した。メンバーらは、仲間と一緒に吹矢ができる喜びを実感。健康増進法として知られる吹矢だが、矢を息で吹き放つため感染リスクが伴うとされたことにやりきれない気持ちもあるが、この日、会場には以前の活気とメンバーの笑顔が戻った。

 4月8日以来、54日ぶりの活動再開。塩屋公民館を訪れたメンバー15人は深く息を吸い込み、的を目がけて勢いよく矢を吹いた。メンバーは「この日を待ちに待っていた。とっても気持ちいい」と笑った。
 スポーツ吹矢は、腹式呼吸をベースにした独特の呼吸法を使って矢を吹き放つ。血行促進、細胞活性化など健康に好影響を与えるとされ、中高年を中心に愛好家が多い。楽しみながらできる健康増進法のはずが、矢を放った際に筒の先から少なからず飛沫が飛ぶため新型コロナウイルスの感染リスクが伴うとされ、上部組織の日本スポーツウェルネス吹矢協会が全国の団体に活動休止を要請。宮子姫支部も休止した。
 宮子姫支部は5年前に発足。現在、約50人のメンバーが塩屋公民館、藤田会館、湯川文化会館の3会場に分かれて活動。休止の間、各メンバーは自宅で励み、申告制による大会を開催する日々が続いたが、この日、塩屋公民館で練習を再開した。
 再始動に当たり感染対策を徹底した。メンバーに検温と競技時以外はマスク着用を義務付け。会場は「3密」を避けるため、レーンの間隔を1・3メートルから2メートルに広げ、窓を開けて換気。メンバーはアルコール消毒液を頻繁に使い、競技のごとに筒の外側をウエスで拭き、中側もヒモを使ってウエスを通す。レーンは8つから6つに減り一度に競技できる人の数は少なくなり、換気によってわずか1グラム程度の矢は風の影響を受ける。今年いっぱいは、最大目標の全国大会を含めいずれの大会も開催のめどは立っていない。さまざまな制約がありこれまでと勝手が違うが、メンバーは集中力を高め気持ちよさそうに矢を吹き、会場には和やかな雰囲気が戻った。中岡保臣支部長は「心身の健康に最適のはずの吹矢が、感染リスクが伴うとされたことに本当に辛い。全国で吹矢が関連する感染は一例もない。感染対策をしっかりやって、健康のためにみんなで和気あいあいとやっていきたい」と話した。


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10月の土生祭(日高川町)中止決める 周辺祭礼の判断に大きな影響も 〈2020年6月3日〉

2020年06月03日 08時30分00秒 | 記事


双頭の獅子舞で有名な土生祭が中止を決める(写真は昨年)


 日高川町土生、土生八幡神社総代会(総代長・林保行)が、毎年10月の第3日曜日に行われる秋祭り・土生祭の中止を決めた。新型コロナウイルス感染症の拡大に配慮したもので、本番まで4カ月以上の日数がある中で早期の決断を下した。同祭りの中止は平成23年の台風12号豪雨災害直後以来2度目で、当日は神事のみを行う。秋祭りの有無が各地で検討される中で、土生祭の中止が、周辺市町の祭り開催を判断する関係者にも大きな影響を与えそうだ。
  
 土生八幡神社(間野常民宮司)の秋祭りは、毎年10月の第3日曜日に開催。小熊の奴踊りや各組の屋台とのぼり、四つ太鼓などでにぎわう。当屋は小熊、土生、鐘巻、千津川、中津川、入野・若野、下早蘇(玄子・早藤)、藤井の8つが持ち回り、「お頭」と呼ばれる「双頭の踊り獅子」や巫女の舞を披露する。
 双頭獅子は、4人で舞う獅子舞で、笛や太鼓などの囃子がなく、雌雄の鬼が持つ矛と簓(ささら・竹の先を細かく割って束ねたもの)が発する気配のみで舞い全国的にも珍しい。県の無形民俗文化財にも指定されており、今年は当屋の小熊が獅子舞と巫女の舞を奉納する予定だった。祭り当日は宮司と総代が神事だけを行う。
 中止の知らせを聞いた祭りの参加予定者は「少し決定が早いと思ったが、仕方がないのかもしれない」と残念がり、林総代長は「新型コロナウイルス感染の終息が見通せず、第2波、第3波も予想される中、余興は『3密』に該当する部分が多い。安全と命の大切さを優先し、準備を始める時期が近づき早めの決定をした」と話した。間野常民宮司は「本当に残念なことだが、総代会の意向に沿いたい」と話し、宮司を務める同町内三百瀬の紀道神社については「今後、総代が集まって開催の有無を決めることになる」と答えた。
 土生祭の中止判断を受けて、同時期に予定される各地の祭礼に与える影響は必至。日高地方最大の御坊祭について、小竹八幡神社の小竹伸和宮司によると総代会で検討する予定だが、日程などは未定だという。


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6月1日 感染予防徹底し小中学校再開 校庭に明るい笑い声が響く 〈2020年6月2日〉

2020年06月02日 08時30分00秒 | 記事

 新型コロナウイルスによる休校措置から約3ヵ月、管内の小中学校が1日、授業を再開した。第2波、第3波に備えて、検温やマスク着用、手洗いなど感染予防を徹底しながらだが、子どもたちは「待ち望んでいた」再開を喜び、明るい表情で登校。休み時間は校庭に笑い声が響いた。

 御坊小学校(栖原伸精校長)では、全児童351人が元気に登校。1年2組の教室では1限目に国語の授業を行い、児童30人が担任の地阪愛教諭から名前の書き方などを学んだ。6年生のクラスでも、真剣なまなざしで静かに授業に挑む姿が見られた。
 新しい様式での学校生活の始まりだが、親の心配事である学習の遅れに対応しながら、規則正しい生活習慣を取り戻せるよう、いろいろな視点でサポート。休校が長かったため、今後体調を崩したり、しんどくなる子が出てくるかもしれないので、身体面と精神面のケアをしていく。学校は集団での学びの場でもあるので、しばらくは難しいが、時期をみて異学年同士の交流なども考えているという。
 栖原校長は「子どもたちの声が聞けて、良い表情で学校に来てくれてうれしい。やはり学校はこうでないと。教師も子どもたちがいることでリズムがつく。北九州の小学校でクラスターの発生もあり、気は緩められないが、皆が楽しみにしている音楽会など行事も可能な限りさせてあげられたら」と話している。
 児童会長の木戸綾音さんは「マスクをしたり大きな声でしゃべられなかったり、今まで通りの学校生活はできないが、再開はすごくうれしい。勉強は一人よりみんなでするほうが楽しいし、外で思いきり遊びたい。休みの間はほとんど友達に会えていなくて、登校日だけが楽しみだった。児童会行事ができたら、みんなを楽しませてあげたい」と学校生活に期待を寄せた。
 御坊市内の小中学校では給食も再開。食前後の配膳台や机の消毒は教師が担当し、会話を控え、机と机を離して向かい合わせにならないなどで対策。藤田小学校(高野勉校長、全児童141人)でも、約3ヵ月ぶりの給食をおいしそうに頬張る姿が見られた。

分散授業12日まで継続
日高、紀央館高

 日高高、紀央館高校は、コロナ対策として実施中の分散授業を12日まで継続する。出席番号の奇数・偶数に分かれ1週間ごとに午前・午後を入れ替えての半日授業で、この間、部活動は午後登校の生徒対象に1時間程度実施。
 通常形態の登校は15日からの予定で、登校前に家庭で検温、マスク着用、3密を防ぐため空き教室などを活用して授業を行うなど引き続き対策に取り組むという。クラブ活動も15日から再開予定で、短時間での実施を検討している。


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