くまきち日記

名古屋に住んでいる、くまきちのたわごと。

ヒョシンくん ミュージカル『笑う男』 公演レビュー その3(記事)

2018-07-24 02:02:55 | パク・ヒョシン




















ミュージカル『笑う男』‘175億の大作’にふさわしい完璧な三拍子
制作期間5年・・・高い完成度を証明
圧倒的な舞台で観客を引きつけて



「評判の良い宴で食べるものはない」という俗説がミュージカル『笑う男』には通用しなかった。175億ウォンという‘ブロックバスター級’の制作費が投入されたために 
制作のニュースが知らされた後から業界と観客の間ではこの作品に対する期待と憂慮が共存した。だがベールを脱いだ『笑う男』はEMKミュージカルカンパニーの特技である
華麗なビジュアルと夢のキャスティング、そしてビクトル・ユゴーの同名原作小説が伝えるメッセージが完璧な調和を作り出して憂慮を払拭させた。
また開幕以後 日本でのライセンス公演が決まるなど‘ミュージカル韓流’の可能性も高めている。

まず『笑う男』は幼子を拉致した後 奇形にして曲芸団に売る犯罪組織‘コンプラチコス’に拉致され 笑う形に裂けた口を持つことになった18世紀のイギリス男性グウィンプレン
(パク・ヒョシン、スホ、パク・ガンヒョン)と 目の見えない彼の恋人デア(ミン・ギョンア、イ・スビン)の物語を描いた。二人は流浪劇団の頭であり薬売りのウルシュス
(チョン・ソンファ、ヤン・ジュンモ)を父のように頼って 自分たちの物語を描いた楽劇“笑う男”を観客に披露して暮らしていく。

そんなある日 王の私生児であるジョシアナ公爵夫人(シン・ヨンスク、チョン・ソナ)がやってきてグウィンプレンを誘惑し グウィンプレンとデアの人生はことごとく揺れる。

『笑う男』は5年の制作期間が無駄ではないことを証明するように 華麗で圧倒的な舞台が一気に観客を引きつける。特に少年グウィンプレンが 凍え死んだ母の胸で泣いている
赤ん坊のデアを発見する導入部の吹雪の場面だけで 完成度の高い作品であることをすぐに証明したという評価だ。その後繰り広げられる半円形の背景装置は舞台の深さによって
何層もの立体の額縁になり 贅沢な貴族世界と グロテスクだが居心地よく暖かな情にあふれる曲芸団の世界を絶妙に対比させる。幻想のコンビで知られた『ジキルとハイド』の作曲家フランク・ワイルドホーンと
『レベッカ』『エリザベート』のロバート・ヨハンソンの演出もやはり期待に応えた。グウィンプレンとデアが愛をささやく“木の上の天使”等のナンバーが耳にすっと入ってきて感動を醸し出すためだ。
また人間の尊厳と平等の価値を深く描き出した原作をそのまま生かした。特に「富者の天国は貧民の地獄で成り立つ」等のセリフは あらゆる‘甲質’があふれ出る韓国の現実ともオーバーラップして
メッセージのほろ苦さが倍増される。

話題を集めたパク・ヒョシン、チョン・ソンファ、スホ(EXOメンバー)ら‘夢のキャスティング’もやはり期待以上という評価だ。2000年『ロック・ハムレット』でミュージカルデビューして以後
『エリザベート』(2013)を皮切りに『モーツァルト!』(2014)、『ファントム』(2015,2016)を通じて‘ミュージカル興行保証小切手’の座をつかんだパク・ヒョシンは
今回もやはり最高のチケットパワーを誇った。特有の‘牛追い唱法’がミュージカルには合わないという判断により ミュージカル唱法に完全に転換した上に演技力もやはりあらを探すところがないという評価だ。
特に彼が優れた歌唱力で観客を引きつけるたび 客席ではガールズグループに歓呼するフ軍部隊を彷彿とさせるほどの拍手喝采が沸き起こった。
チョン・ソンファもやはり‘2017年ミュージカルチケットパワー1位’の名声を確認させた。ぶっきらぼうだが暖かな流浪劇団の頭ウルシュス役を演じた彼は とぼけた演技で観客に巧みに笑いと感動を贈った。
スホもグウィンプレンの痛みを叙情的ながらも強烈なまなざしで消化し アイドル出身ミュージカル俳優として生まれ変わるだろうという可能性を高めた。
この他にもミン・ギョンア、イ・スビンは可憐なデア役を演じて はかなげで切ない初恋を思い浮かべさせたし シン・ヨンスクとチョン・ソナは公爵夫人役を演じてカリスマあふれる歌唱力と演技力で観客から喝采を浴びた。

『笑う男』は8月26日まで芸術の殿堂オペラ劇場の舞台に上がった後 9月4日から10月28日まで ソウル・漢南洞ブルースクエア・インターパークホールに移して公演する。
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