パク・ヒョシン、‘胸声大魔王’の発声転換
過去にはパワフルな伝統胸声から 鼻音にハスキーを加味したやわらかな胸声まで
高音域の処理も巧み
やわらかくて軽快な声に発声を変えた現在、評価はまだ早くて
弦や管楽器が上にあがるほど高い音域を出すように 人体という楽器も胸から喉、頭にあがるほど より高い音を出す。
そして顔の前側にくるほど声が薄くなり 下側に行くほど厚くなる。
また胸を中心とする胸声であるほど太くて深みのある声が出る。たとえば声を上に浮かすような軽くて軽快なトーンで「この野郎!」と怒鳴るのと
胸から大きな響きが感じられるような太い声で「この野郎!」と怒鳴ることは明らかに違う。胸声的な響きの特性上 男らしくて強く聞こえることだ。
パク・ヒョシンはすでに幼い年齢で自分の領域をしっかり構築した名ヴォーカルで いわゆる‘胸声大魔王’だ。
むしろとても早くに自分のスタイルを確立したせいで これ以上発展を期待するのが無理という声が出たほどだ。
いっそデビュー時から新人だけの中途半端な青臭さのようなものを見せたなら さらに磨く余地を露出させたが
すでに出発から彼は‘パク・ヒョシンスタイル’を見せて いくらも行かずにコンクリートのように固まってしまったのだ。
高校時代から色々な音楽祭で賞を受賞して気と才能を発揮し 99年末“してあげられないこと”というデビューアルバムを公開する時から非常な注目を浴びた。
彼はすでに20代になる瞬間から傑出したヴォーカリストとしての風貌を見せたのだ。
パク・ヒョシンはいくらか前までは伝統的な胸声唱法を駆使した。
太い声はおそらくある程度は生まれつきのものと見られ 豊富な声量も注目に値する。鼻音にハスキーさを加味したやわらかな胸声の駆使は聴く感動を加えた。
パク・ヒョシンの長所はここで終わらない。胸声をしていれば重さと深さを加えるために声をとても多く抑えたり または高音で無理な方法を伴うが、
パク・ヒョシンの場合は例外だ。胸声だが一般的な胸声中心の歌手たちに比べて高音も上手に駆使して 豊富な感性の所有者というものだ。
彼はまた深くて力のある歌だけ上手なのではない。バラードの場合 バイブレーションを多く使う中 濃厚な訴求力を加える一面を見せたりもする。
深みのある歌声と声量の豊富さ、結局腹式呼吸で声量を増やして 長い呼吸でR&B唱法まで無理なく上手に消化する。
発声全般の卓越さは やはりパク・ヒョシンという感嘆を引き出すほどだ。時々ほかの歌手と一緒に歌う時も パク・ヒョシンだけの太くて深い声が断然頭角をあらわす。
最初の小節の最初の音だけ聴いてもパク・ヒョシンだということがわかるほど耳にスッと刺さる。
このようなパク・ヒョシンがここ数年 発声全般に大きな変化を与えている。強力で男性的パワフルさで満ちあふれた自分のトレードマーク(伝統派胸声)を
かなりの部分捨てて よりやわらかくて軽快な声を駆使する発声に変えたのだ。そのためより大衆的なスタイルに変わり 声の質感も多様になった。
だがまさにこうした変化により パク・ヒョシンに対する議論も絶えることがない。
以前パク・ヒョシンは匹敵する者がない恐るべき歌唱力のヴォーカリストだったが 一方ではそのような声を駆使する方式自体がマニア的な要素が強くて
好き嫌いが明確に分かれる素地があった。反面 近頃のパク・ヒョシンはいっそうポップ化されたトレンドに倣う 真の‘大衆歌手’の断面を見せている。
こうした変化を‘肯定的’または‘否定的’と断定するのは早い。歌手には常に変化が訪れるようになっており その変化が歌手自身の
発展的方向の端緒を提供するなら申し分なく良い試みだが 自分と合わない変化なら再考する必要がある。
秋に発売予定のパク・ヒョシンの正規7集は だからいっそう重要な分岐点になることができる。変わった発声をいっそうディテールに練って素晴らしい曲に昇華させるのか
でなければ以前のような強烈なカリスマの胸声唱法に戻るのかという話だ。前者ならば変化した発声をより多様に駆使するというパク・ヒョシンの意志を見せることだし
後者ならこれまでの変化が体に合わないという反証だ。
7番目のアルバムであり実に6年ぶりの正規アルバム、パク・ヒョシン自身にとっても そして関係者やファンにとっても 非常に意味深く近づく理由だ。
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