グローリー(★★★★★)
(1989・米)
制作:
フレディ・フィールズ
監督:
エドワード・ズウィック
脚本:
ケビン・シャール
撮影:
フレディ・フランシス
音楽:
ジャームズ・ホーナー
主演:
マシュー・ビロデリック
デンゼル・ワシントン、
ケーリー・エルウェス
モーガン・フリーマン、
クリフ・デ・ヤング
北戦争中、アメリカで初めて北軍黒人部隊が作られた54部隊。
黒人を人間として扱っていないこの時代、
彼らは奴隷として虐げられ、
彼らが兵士として武器を持つという事はいまだかつてなかったのだ。
しかし、彼らも白人と同じ、自分達も戦うことを望んだ。
兵隊になることを志願した黒人たちを指揮したのは、若い白人将校、ロバート。
彼は黒人兵士たちの扱いに四苦八苦しながらも
厳しい訓練にも耐えながら、従順に従う彼らに
彼らの努力を報わせてあげたいと考えていた。
この戦争の勝敗を決めたとも言われる激戦地、
フォートワーグナーでは、将校は自分の54部隊を一番犠牲者が多く出る事を覚悟しながら、
前線部隊として戦う事を申し出る。
出兵の前夜、兵士達は今の自分達の気持ちを歌う。
誰のためでもない、自分達の誇りのために戦うのだと。
激戦当日の行進から始まり、
突撃のクライマックスシーンは圧巻
若い主演のマシュー・ブロデリックの、
似合わないひげを生やした青臭さの中で、
脇役の黒人俳優達の、静かな中にも迫力ある演技が冴える。
彼らが、初めて軍服を配給され、黒い軍服に身を包み、さっそうと街の中を行進する場面はほろりとさせられる。
突撃の場面で使われる場面とはミスマッチの音楽が、活きている。
モーガン・フリーマン、ここでも光る。
そして米国初の黒人部隊・・・。
どんな気持ちだったろうと思いました。
日本では戦いが汚いことのように捉えられがちですけど、
(古い時代のこと以外は)
徹底的に国に差別されていた人たちにとっては、
正規の軍に入れてもらえたこと、
正規の軍服をまとって戦うこと、
がどれほど誇らしいことか、kumanekoさんの説明文を読んで、ありありと感じられました。
戦時中、米国の日系米国人たちも、
多くが米軍に自ら志願して
(まあ、それは日本兵を殺すためですけど😅)
その戦いぶりは勇猛だったと聞いたのを思い出しました。
今だに米国では黒人差別が影を落としているようですが、
誰もが能力を発揮する世界になってほしいですね。
どれだけの歳月が流れたのでしょう。
マーティン・ルーサー・キングやマルコムXが
命を懸けて黒人の権利を勝ち取ろうとしてから
何十年が過ぎたのでしょう。
それでもトランプのような白人至上主義者が
支持を受ける国がアメリカなんでしょうね。
応援ぽち
そもそも肌の色で差別をしてきたヨーロッパ人やアメリカ人
白人主義、自分達の容姿を上だと思っている根っこの差別意識には、同じく差別されてる日本人もいい気持ちはしないですよね
トランプがそう
トランプに限りませんが
白人至上主義
white supremacy
クー・クラックス・クラン
白人至上主義結社KKKの正体
平凡社新書
一九世紀半ば、南北戦争直後にアメリカ南部で組織された、白人至上主義結社クー・クラックス・クラン。一九二〇年代、会員数は数百万人に達したといわれ、現在でも、全米で五〇〇〇人が「クラン」と名のつく組織に所属しているといわれる。なぜ、クランの火種は燻りつづけるのか。世界的に排外主義の潮流が強まるなか、KKK盛衰の背景とメカニズムを考察する。