「あちらにいる鬼」(R-15)
2022年(邦画)
直木賞作家・井上荒野が、父・井上光晴と母、父と関係のあった瀬戸内寂聴をモデルに創作した同名小説を映画化。
それぞれに妻子やパートナーを持つ男女がひかれ合い、肉体関係だけでなく“書くこと”で深く繋がり、
互いにかけがえない存在になっていく様を描く
監督
廣木隆一
脚本
荒井晴彦
原作
井上荒野
製作
井上竜太
小室直子
小西啓介
出演者
寺島しのぶ
豊川悦司
広末涼子
高良健吾
村上淳
蓮佛美沙子
佐野岳
宇野祥平
丘みつ子
【あらすじ】
人気作家・長内みはる(寺島しのぶ)は、講演旅行で知り合った作家・白木篤郎(豊川悦司)と男女の仲になる。
一方、篤郎の妻・笙子(広末涼子)は夫の奔放な女性関係に気付きながらも、夫婦として穏やかな生活を続けていた。
しかしみはるにとって、篤郎との関係は「書くこと」を通じてつながる、かけがえのないものとなっていく。
【感想】
瀬戸内寂聴さんを寺島しのぶが演じるとあって、観てみたいと思っていた映画。
もっとドロドロした映画かと思いきや、割と淡々と描かれている。
寺島しのぶ、広末涼子、女2人の演技がとにかく素晴らしい。
妻も子もいる作家白木(豊川悦司)、白木と不倫関係になるみはる(寺島しのぶ)
自由奔放で体当たりで貪るように白木を愛する寺島しのぶは肉食女子で、
夫の不貞に複雑な心情でありながらひたすら耐える妻役の広末涼子はまるで菩薩だ。
私的には、到底どっちも無理
白木(豊川悦司)はとにかくモテる上にエロい。
自殺未遂した愛人の入院先に奥さんを見舞いに行かせるわ、奥さん産気付いてるのに家にはいないわ、
興味のある女とはすぐ寝るわ、寝た女を家に連れてくるわ
人としてどうよ、ただのエロ親父でゲスの極みだが、
何故か、奥さんと愛人2人に看取られて死ぬという幸せ者。
そういや文豪たちは、身勝手で女癖が悪く、ダメ男なのに何故かモテる。
その筆頭は、太宰治か。
島崎藤村、谷崎潤一郎
金もなかったのに、モテたのが石川啄木
メンタルやられてた夏目漱石、芥川龍之介、太宰治、
豊川悦司、幾つになっても色気がある。
昔からどうしても好きになれなかった、瀬戸内寂聴さん。
不倫、子捨て、駆け落ち未遂、その後は出家し作家との二束のわらじ
肉を食べ酒を飲み、おしゃれを楽しみ死ぬまで恋愛、あちこちで講演会
煩悩のままに生きた人生、私には生臭尼さんにしかみえなかったけど、
人間の欲望に蓋をせず正直に生きた人で、ある意味天晴れ。
白木と笙子の、自転車で2人乗りのシーンが印象的だった。
この映画での菩薩のような笙子遠演じた広末涼子、現実は真逆の生き方をしている恋多き女の彼女は魅力的だ。