『十二人の怒れる男』(じゅうににんのいかれるおとこ、12 Angry Men) (米)
1954年製作のアメリカのテレビドラマのリメイクである1957年製作のアメリカ映画。
制作:ヘンリー・フォンダ
制作・原作・脚本:レジナルド・ローズ
監督:シドニー・ルメット
撮影:ボリス・カウフマン
音楽:ケニオン・ホプキンス
出演:ヘンリー・フォンダ、リー・J・コップ
エド・ヘグリー、E・G・マーシャル
【あらすじ】
父親殺しの罪に問われた少年の裁判で、陪審員が評決に達するまで一室で議論する様子を描く。
法廷に提出された証拠や証言は被告人である少年に圧倒的に不利なものであり、陪審員の大半は少年の有罪を確信していた。
全陪審員一致で有罪になると思われたところ、ただ一人、陪審員8番だけが少年の無罪を主張する。
彼は他の陪審員たちに、固定観念に囚われずに証拠の疑わしい点を一つ一つ再検証することを要求する。
陪審員8番による疑問の喚起と熱意によって、当初は少年の有罪を信じきっていた陪審員たちの心にも徐々に変化が訪れる。
【感想】★★★★★
息子が父親をナイフで刺し殺した事件の陪審員として集められた12人の男たち。
誰もが有罪は決定的だろうと考えていた矢先、
1人の陪審員が無罪を主張し、事件について再度検証を始める。
法廷物の原点とも言える名作である。
実に巧い。
舞台は裁判所の陪審員室。
登場人物は12人の陪審員と判事、監視員、
そして容疑者の少年は冒頭にセリフもなく顔だけの出演。
つまりほとんどの部分は、
陪審員室で12人の男達が討論しあう場面だけで構成。
景色が変わるわけでもなく、衣装を変えるわけでもなく回想シーンすら無い。
セリフがほとんどの映画である。
それにしても陪審制度の怖さを思い知る。
陪審員の人間性、その時の感情や、
置かれている状況などにも左右されるだろうし、
「偏見」というものは事実を曇らせる。
文句無しに、十分堪能できた作品である。
昨夜古い付き合いの友人夫妻と4人で外食をした。
話は大いに盛り上がり好きな映画の話になった時、ご主人がタイトルを思い出せずにいたが、ヘンリー・フォンダ、法廷物で『12人の怒れる男』だとピンときた。
帰宅後30年近く前に作った自身のホームページに書いたこの映画の感想を読み返してみた。
モノクロの古い映画だが、法廷物の原点とも言える名作なのは間違いない。
今観てみたい映画はこれ。
ところでさくらもちさんは、たくさんの犬猫を描いていますが、
一枚描くのに、どれくらいの時間を要するのでしょうか?
惚れ惚れしながらときどきながめています、桜餅さんの絵