タクシードライバー
(1976・米)
制作:マイケル・フィリップス、ジュリア・フィリップス
監督:マーチン・スコセッシ
脚本:ポール・シュレーダー
撮影:マイケル・チャップマン
美術:チャールズ・ローザー
出演:
ロバート・デ・ニーロ、シビル・シェパード
ジョディ・フォスター、ハーベイ・カイテル
【あらすじ】
ニューヨークにある小さなタクシー会社に運転手志望の男性が現れた。
ベトナム戦争帰りの元海兵隊員と称するトラヴィス・ビックル(ロバート・デ・ニーロ)は、戦争による深刻な不眠症を患っているため定職に就くこともままならず、タクシー会社に就職。
社交性にやや欠け、同僚たちから守銭奴とあだ名されるトラヴィスは、余暇はポルノ映画館に通って映像を漫然と眺めたり、深い闇に包まれたマンハッタンを当てもなく運転する、という孤独の中にあった。
そして、そこで目にする麻薬と性欲に溺れる若者や盛り場の退廃ぶりに嫌悪を示していた。
【感想】
ニューヨークを舞台に、一人のタクシードライバーの狂気を描いた問題作。
この作品で、ロバート・デニーロの名前を世界的に知らしめた。
役柄になりきるため徹底的に役づくりをするデニーロは、タクシーの免許を取り、ニューヨークの街をタクシーを流している。
13歳の売春婦として出演していたジョディー・フォスターは、デニーロとの共演で大いに刺激を受けた彼女は大女優となっていく。
ハーベイカイテルは私の好きな俳優
ここではポン引き役で出演している。
「ピアノレッスン」のカイテルも好きだ。
デ・ニーロが鏡に向かい「You talkin' to me?」と呟きながら自分の鏡像に銃を向ける場面のこのセリフは2005年にアメリカ「アメリカ映画の名セリフベスト100」で10位にランクインしている。
「You talkin' to me?」(俺に用か?)
トラヴィスに共感できるわけではない。
「どこにいても俺には寂しさがつきまとう
バーや車 歩道や店のなかでもだ 逃げ場がない 俺は孤独だ」
ベトナム戦争から帰還した若者の、社会に居場所がない孤独、苦悩が生んだ狂人は、現社会にもいる。
20代に観た映画だ。
それにしても、ロバート・デニーロは素晴らしい俳優だ。
1970年代のアメリカにおいて
大きな社会問題だったでしょうね。
「プラトーン」「フルメタルジャケット」
「7月4日に生まれて」などの
ベトナム戦争映画が作られたのも
そういう人たちを見て来た世代には
避けては通れない現実だったからでしょうな。
応援ぽち
戦争がもたらす狂気と精神崩壊。もう一度観れない映画がフルメタルジャケットです
ベトナム戦争の記念館に行きました。
そこで目にしたものは
広島、長崎の資料館よりも
遥かに残酷なものでした。
「アメリカ人の視点から見たベトナム戦争」だけでなく
「ベトナム人の視点から見たベトナム戦争」を
もっと学ぶべきだと痛感しましたよ。
応援ぽち
ホントにそう思います。
ベトナム側から見た惨状を
知るべきです。
どんな戦争も、そうで
すね。
よっちんさんって、凄い映画通だ!!