ちゃこ花房~本日も波瀾万丈~

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地獄に堕ちた勇者ども

2015年06月13日 | 映画








地獄に堕ちた勇者ども

地獄に堕ちた勇者ども
La Caduta degli dei
監督 ルキノ・ヴィスコンティ
脚本 ルキノ・ヴィスコンティ
ニコラ・バダルッコ
エンリコ・メディオーリ
製作 アルフレッド・レヴィ
エヴェール・アギャッグ
製作総指揮 ピエトロ・ノタリアンニ
出演者 ダーク・ボガード
イングリッド・チューリン
音楽 モーリス・ジャール
撮影 アルマンド・ナンヌッツィ
パスクァリーノ・デ・サンティス
編集 ルッジェーロ・マストロヤンニ
配給 ワーナー・ブラザーズ映画日本支社
公開 1969年10月14日
1970年1月27日
1970年4月11日
上映時間 157分
製作国 イタリア
西ドイツ

評価・・・★★★★★



1930年代のドイツを舞台に
ナチスの陰謀と野心の犠牲となって滅ぴてゆく
鉄鋼財閥の一家の運命を描いたヴィスコンティの大作


『ベニスに死す』『ルートヴィヒ』へと続く「ドイツ三部作」の第1作で、
ナチスが台頭した1930年代前半のドイツにおける
製鉄一族の凋落をデカダンス調に描いている。

事堂放火事件の日の家族パーティーの夜、
当主が何者かの陰謀によって暗殺されたことを皮切りに、
一族の跡目相続をめぐる骨肉の争いが始まる。
ナチの格好の餌食となった一族の堕ちていく人間模様が
醜くくも華麗に描かれている。

裏切り、陰謀、殺人にはじまり、女装、幼児性愛、大量虐殺、
果ては近親相姦まで性的倒錯限りを尽くす、
一族の御曹司マルティン(ヘルムート・パーガー)の魔性の美貌に釘付けです。

狂気の沙汰の映画は、狂った時代が生んだ独特の世界で、
自分の人生との共通点も見出せないにも関わらず、
倒錯的で破壊的な人間を描いた作品にとりわけ惹かれるのは、
何故なのだろう、といつも思う。

道徳的な自分とはうら腹に、
潜在意識の中に潜むもう一人のわたしを、
垣間見ることがあるからかもしれない。

人間の持つ汚くどろどろとした部分を
実に魅力的で美しい俳優たちを起用して、
エロティシズムに甘美に描いているので、
ヴィスコンティの作品は強烈な印象を残す。

ヴィスコンティ監督に、12年に渡り寵愛されつづけたという
妖しい魅力のヘルムート・バーガーがいい。

あれだけの倒錯の限りを尽くす人間には
あれだけの妖しい美貌がないと絵にならないのかもしれない。

イングリット・チューリンは
中年の女のいやらしさ、女のしたたかさ醜さを見事に演じている。
まあ実にいやらしいこと

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