ちゃこ花房~本日も波瀾万丈~

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少年と犬

2023年09月09日 | 読書

『少年と犬』(しょうねんといぬ)は、馳星周による小説。第163回直木三十五賞受賞作。

東日本大震災で飼い主を亡くした犬の「多聞」とそれに関わる人々の物語を描く。



構成


・「男と犬」 - 東日本大震災で被災した宮城県仙台市を舞台に、窃盗団に手を貸す和正と多聞が出会う。


・「泥棒と犬」 - 窃盗団の一員であるミゲルが、多聞とともに新潟県に向けて逃走する。


・「夫婦と犬」 - 富山県に住む中山夫婦が多聞を拾う。

・「少女と犬」事故で片足を失った少女が東尋坊で多聞と出会い、生きていく力をもらう。

・「娼婦と犬」 - 滋賀県で娼婦の美羽が多聞を拾う。

・「老人と犬」 - 島根県で猟師を営む弥一が多聞を拾う。

・「少年と犬」 - 熊本県に住む内村が多聞を拾い、家族で飼うことを決める


私が勤務している病院の患者さんが読んでいた本。

読み終わった彼が『良い本だよ、泣いてしまった』と勧められて早速読んでみた。


短編集なので読みやすい。

ここに出てくる犬の名前は『多聞』


多聞は5年の歳月をかけて震災の被災地から、何故か西南を向いて熊本に向かう。

そこに多聞の家族が、会いたい人がいるのか。

その間で出会う7人の人間との物語だ。


多聞はとても不思議な犬だ。

誰かに飼われていたのか、躾ができていて賢い。

まるで人間の言葉を理解しているのか、

出会った人間に寄り添い続け、彼らの人生や価値観までも変えていく。

まるで守り神のような犬だ。


犬と、それに関わる人間の描写を丁寧に書いている。

犬と人間の物語だ。


「老人と犬」「少年と犬」が印象的だった。


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