暮らしと古民家

折々の暮らしの中気が付く大切なこと

育てる

2019年02月07日 | 古民家

 アナログ時代のモノの人気が再燃するのは・・・懐かしい思い出として・・・

若かりし日々の事が思い出されるからだけでしょうか・・・?

斬新なアイデアや革新的で・・・近代的なデザインはたくさん生まれていますが・・・

なにか物足りない・・心の奥深くに残るような感覚にならないような気がします・・・。(自分の勝手な解釈です。)

時計やカメラ・・・車も住宅も・・・・家庭用品も雑貨類も・・・便利で手間要らずで・・・

いろんな性能が、1つの機械で完結するような優れものがたくさんありますが・・・

使う楽しさがあっても・・・育てる楽しさが無いように思います・・・。

大工さんが使う鑿(ノミ)や鉋(カンナ)は・・・研ぎを体で覚え・・・自分に合わせて・・・

削る素材に合わせて造りこんで行きます・・・。

鉋の刃の角度・・・台の形・・・作業に合わせて調整して・・・場合によっては道具を新たに造る場合もあります・・・。

住まいも時代と共に変化して快適になって来ましたが・・・・核となる部分が見当たらないような気がします・・・。

太い大黒柱がありました・・・それは単に富を象徴しただけでは無く・・・

間取りの構造が変化して・・・・大きなスパンの空間が求められ、大きな梁を受ける太い柱が必要だった・・・

そんな考え方があったからのようです・・・。

住まいを支える大黒柱にお札を貼って、住まいや家族の幸せを願ったりする行為は・・・・

存在感のある大黒柱が、住まいの要としての役割に変化し・・・

時代が進むと・・・意匠としての形にも変化して・・・下大黒柱など数本の大きな柱で居間を囲む様にもなりました・・・。

工業的に作られた品物からは・・・造り手の想いが感じられないような気がして・・・

荒々しい部分・・・わずかな歪み・・・不均等な仕上がりが・・・妙に安心感を与えてくれて・・・

シンボリックな素材が・・・守ってくれている・・・数字や計算では言い表せないそんな感覚が大切な気がします・・・。

薪ストーブが人気なのは・・・炎の揺らぎややすらぎだけでは無く・・・手間がかかったり、危険だからだと思います・・・。

囲炉裏や・・・火鉢・・・一歩間違えれば火事にもなり・・・火傷もして・・・安心して使い続けるには・・・

正しいメンテナンスも必要です・・・。

手がかかるほど愛おしく・・・一生のお付き合いが出来ると思えば・・・・・

単なる思い出・・・郷愁で懐かしく癒されるのでは無く・・・そこには・・・自分と過ごした時間と同じか・・・

それ以上の時間を重ねた歴史があるからこそ・・・大きな包容力があるのだと思います・・・。

一生掛けて造り続ける住まいも・・・あってもいい様な気がします。

 

 

 

コメント
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