梅雨の長雨が、ホロリと降り続く中・・・自然の成長は目に見えて早く・・・
顔もおぼろげな、甥や姪の変わり果てた成長ぶりに驚くように・・・
ひっそり育ち、たくましく生い茂る雑草を見ていると・・・生ける物がいなくなった土地は・・・
案外、自然によみがえるのは簡単で、人の暮らしなどあっという間に飲み込まれてしまうのだろう・・・
わがもの顔で歩いているようで・・・もろい社会の姿を見ている気がします・・・。
フツラフツラと苔むした道路脇の壁や・・・橋の欄干に・・・うっそうとした木々の森・・・
わずかばかり差し込む日の光に息をして・・・・光を蓄えた緑の敷布は・・・
人が立ち入るのを拒んでいるようで・・・それでいてとても清々しく高貴な感じがします・・・。
杉や檜の森・・・人の手が入り、健康的な森にも、温かさや安堵は覚えますが・・・
手つかずの神秘の森には・・・手を触れてはいけない、守らなければいけない大切な時を感じます・・・。
数百年もその場を見守って来た大木を伐採する時、人は敬意をもって挑みます・・・。
住いの一部に井戸があって、致し方なく塞ぐ時・・・感謝の意味・この先も大切に思う気持ちを込めて・・・
お祈りをするのと似たように・・・。
人が育てて来た暮らしは・・・心の中で、時間と共に積み上げて来た習わしや言葉に多くの魂が宿り・・・
見守ってくれますが・・・
そんな事さえも・・・無かった事にしてしまうほどの自然の力・・・
みんな・・・その恩恵を少しだけ頂きながら・・・
仮の住処として、今がある事を忘れているのかも知れません。