ミュンスターに来て2年と1ヶ月。元々の契約は先月の5月31日で終了だったのですが、プロジェクトの延長(半年間)に伴って、Kapiの契約も半年延長されることに。
プロジェクトの延長はだいぶ前に決定していました。
通常であれば、何の問題もなく大学との契約更新&就労ビザの更新をすればよいだけなのですが、そうは問屋が卸さないという状況に陥っていました。
ドイツでも日本と同じく、出産予定日の6週間前から産休が取得でき、出産後8週間の産休中は就労禁止です。その後は育児休暇を最長3年までとれることになっています。
働く女性の場合、雇い主は妊娠中および育休中の女性を解雇することを法律で禁じられているので、働く女性は安心して職場に戻る事ができるのです。
しかし!これはパーマネントの職に就いた場合であって、任期付採用であるKapiのケースはかなり違ってきます。
ややこしい話になるのですが、産休後に少なくとも半年、できれば1年くらいは子育てに専念したいなと思っているKapi。つまり、最短で今年の12月に復帰することになります。
一方で、契約延長は今年の12月末まで。この12月末でプロジェクトが完全終了するので、再延長は一切ありません。
そう、復帰したい時期と契約終了が同時期なのです。
しかも、新契約は6月1日からで、2週間だけ働いて産休に突入するという、悲しいかな全く戦力にならない人材ということになります。
プロジェクト的には妊婦との契約更新は全く問題なかったのでよかったのですが、くせ者が大学の人事課でした。お給料を出しているプロジェクト(大学とは関係のない外部プロジェクト)がGOサインを出しているというのに、ほとんど働かない状態となるKapiを果たして大学所属の研究員として雇うかどうかが問題となるとのこと。所属学科のベテラン秘書さんでさえ、今までこういうケースがなかったために大学側がどのように判断するかは全くわからないとのこと。
ラッキーなことに、ボスがこういうことに関して前向きに考えてくれる人だったので、ベテラン秘書さんと共にいろいろと積極的にサポートしてくれました。大学の人事科が公平に雇用しているかどうかを第三者的に判断する機関にコンタクトを取ってくれて、「採用するべし」との判断をいただけたのが一番大きかったのではないかと思います。
そんなこんなで、いろいろな書類を手配しつつも、5月末ギリギリになるまで契約延長ができるのかどうか最終判断を待たなくてはなりませんでした。
今回の件、Kapi的にはどうしても契約延長をしたいという狙いがありました。
なぜなら、仕事をしているかどうかで、育休中に国から支払われる助成金が全然ちがうのです。仕事をしている場合、お給料の65%が支払われるのですが、専業主婦の場合は月300ユーロのみになってしまうのです。これは非常に大きな違いです!
そんなこんなで、ボスや秘書さんに時間と労力をかけてサポートしてもらったおかげで、無事に契約延長にこぎつけることができました。
もうひとつ、ややこしい問題となったのが大学の契約更新と就労ビザの関係について。
大学側は契約延長するにあたって「ビザ」が必要とのこと。役所側は「居住&就労ビザを発行するためには大学との契約書が必要」という、"にわとりと卵"的な矛盾した状況が発生してしまいました。
おかげで、最初の役所訪問では書類不備で手続き完了できず。
結局はボスが作成した契約期間が書かれたレターを持参して、2度目のトライでうまくいきました。ドイツはビザ発行に関しては、あまり厳しくないうえに、すぐに発行してもらえるので救われました。そうじゃないと、新契約開始の6月初日にビザが間に合わないということになってしまうはめになるところでした。
2年前のビザ発行と大きく違った点がひとつ。
以前はパスポートにビザのシートを貼付けていたのですが、今は電子ビザなるものに変わっており、クレジットカードと同じ大きさのカードとして発行されます。電子ビザの作成には3-4週間かかるとのことで、お役所からカードの準備ができましたよという手紙が届いた後、役所に取りに行きます。というわけで、昨日カードを受け取りに行き、今回の契約騒動が無事一件落着です。
ちなみに、発行に時間のかかる電子ビザカードの代わりとなる書類を大学に提出し、その後契約手続きは滞りなく進みました。
これからは、入国審査のときに「パスポート、電子ビザカード、ビザカード補足事項がかかれた紙」の3点セットを持っていないと入国できないことになるようです。今まで、パスポートだけ持っていれば良かったのに、ちょっとめんどう&無くしてはいけない重要物が増えてしまいました。
ま、とにもかくにも無事に契約延長できて、よかったよかった。
(覚え書き)ビザ延長に必要な書類
- apartment contract
- latest 3 months salary statements
- ID photo
- insurance card
- Visa Application forms
- Letter from University
- Passport
- 80 euro for issuing commission
- 10 euro for paper certification of "Beantragung eines Aufenthaltstitels" (optional)