少し前のこと。
11/11(日)
ハンブルク州立歌劇場にてオペラ「蝶々夫人」鑑賞。
この日はプレミア上演。ということで、メディア関係者やら見るからに業界人という雰囲気を醸し出している人やらがワラワラといらっしゃるロビーは居心地が悪いので、そそくさと座席のある上階へ。
この歌劇場は初めて訪れましたが、ドイツお得意ののっぺりした建物外観に比べると、中はこざっぱりとはしているものの、明るくて適度なゴージャス感で好印象。
蝶々夫人を観るのは2回目(Rotaは初めて)。一回目はロンドンにいたときに、ロイヤルアルバートホールで鑑賞しました。円形ホール、円形舞台を上手く利用した演出が素晴らしく、「蝶々さん、かわいそう...」と友人と二人で号泣した良き思い出があります。
一方、ドイツのオペラには何度もがっかりさせられているKapi。というのも、ドイツのオペラの演出は現代的なので、衣装も舞台装飾も非常に質素なことが多いのです。まさに質実剛健の国ドイツ。
たまーに、こういう現代風演出でもアタリのことがあるのですが、これまでの印象では非常に稀です。
ということで、あまり過剰な期待はせずに観ることに。
幕があがると、舞台にはらせん階段がひとつだけ。やはり現代風!
蝶々夫人の登場シーンでは、衣装がド派手ではないため、一瞬どれが蝶々夫人なのかよくわからなかったりしたものの(まぁ、状況的にあの人だろうというのはわかる)、「えー、そんなのあり!?」というような演出はなくてホッとしました。とりあえず着物をモチーフにした衣装でよかった。途中で蝶々さんがほぼ下着姿になったのは(@_@)?でしたが。
現代的ではありますが、らせん階段や壁をうまく利用した演出は良かったです。
第二幕。幕が上がると、そこにはジーパンをはいた蝶々さん!
なにー!ジーパンときたか!さすがはドイツ演出。
二幕はほぼ蝶々さんの独演会状態。余計な人は一切でてきません。
子供役はどうするのかと思っていると、なんと人形。しかも、非常に雑に扱う(腕をもって振り回す等)ので、ちょっとびっくり。
そして最後は、「ホラーかっ!」と突っ込みを入れたくなってしまうようなシーンで幕を閉じました。
蝶々さん役の歌手さんはカーテンコールで大絶賛。ブラボーの嵐。
かたや、演出家が出て来たときの聴衆の反応はというと...
ブラボーとブーが半々くらい。
隣に座っていたおじさんも、さっきまで大声でブラボー連発だったのに、演出家たちがでてくるとブーブー叫んでました(^^;
プレミアだからでしょうかね。かなり興味深かったです。
ロンドンで観たときのような感情移入は一切ありませんでしたが、それなりにドイツ演出を楽しめたのでKapi的には合格でしょう。
しかし、ドイツのこの現代風演出で初めて蝶々夫人を観たRota、おそらく本当の蝶々夫人のストーリーや作品の雰囲気がちゃんと伝わっていないのではないかとやや心配する今日この頃。近いうちにウィーンにでも観に行けるといいのですが。。。