先日社内で毎年恒例の呑切りを行いました。
呑切りとは…貯蔵タンクの呑口から少量お酒を採取して、利き酒によってお酒の状態を判断する事をいいます。
貯蔵管理技術が発達した現代ではほとんど火落ちする例は見られなくなりましたが、昔は大型タンクで常温貯蔵し、火落ちするといった事が起こったそうです。(現代では温度設定の出来るサーマルタンクでの貯蔵や一升瓶で冷蔵管理するビン貯蔵が一般的となりました。)
※火落菌とは特殊な乳酸菌で、火落ちしたお酒は白濁し、程度も様々ですが酸味とムレた異臭が独特で、とても美味しく飲めるようなものではありません。
そこで、暖かくなり火落ちの危険性がでてくるこのシーズンに呑切りを行い、冬場に造ったお酒の状態判別することが酒蔵の慣行となりました。
蔵元やまだでは特定名称酒全てがビン貯蔵の為、呑みを切るというよりは一升瓶の栓を開けるといった形にはなりますが、蔵内にある全ての貯蔵酒の利き酒を行いました。
↑↑上の写真は貯蔵している一升瓶の種類ごとで利き酒を行い、香りや味わいに異常がないかをチェックしています。
また、呑切りに併せて日本醸造協会さんから購入した「清酒官能評価標準試薬」をしようして香りのトレーニングを行いました。
標準試薬の香りは19種類。。
華やかな香りからオフフレーバー、さらには香りの要因まで記載されたカード付きと至れり尽くせりのキットです。(なかなかお値段高かったですが 笑)
ニオイ紙に各試薬をつけて香りを嗅いでいきそれぞれの香りの特徴を皆でチェックしていきました。
やはりオフフレーバーのニオイは強烈で麹由来のものから、貯蔵・管理由来によるもの、雑菌汚染によるものと様々な要因があり、香りひとつで日本酒をダメにしてしまうのかと改めて感じました。
このような香りを出さない為にも、常に蔵内を清潔に保ち、貯蔵も一本一本丁寧に行うことが大切です。
今後も定期的にこのような勉強会を行っていこうと思います。