米のデンプンをブドウ糖(アルコール発酵をする酵母の餌となる)に分解するアミラーゼとタンパク質を分解してアミノ酸(酒の味に関与)に変えるプロテアーゼです。 その他50種類以上の酵素や麹自身が複雑に作用して日本酒の微妙な味や香りを作り出します。 この様々な酵素を醪のどの部分でどう作用させるかを考えながら昼夜を問わず手をかけて48~60時間ほどで仕上げます。
これは酒母にもいえることですが、いい仕事をしてくれる麹は出麹(麹が出来上がり麹室より出すこと)の時の姿、香り、味、どれも最高です。
酒造りには『熱もん』と呼ばれるものがあります。 麹、酒母、醪、温度管理をするものです。 酒屋門は温度計のことを『正直棒』といいます。 こちらの都合も知らず真正直に温度を示すからです。これが出きる様になると酒屋もんとして一人前として扱われます。 その温度の中にあるもの、生きた温度なのか、死んだ温度なのかを判断するのが『人』です。 でもやはり機械です。
いよいよ酒造りの本格的なスタートです。
当蔵は全量『自社精米』です。
新中野工業製NF-26というコンピュータ制御の全自動精米機。
こいつがすごい優れもので米の品温を上げすぎないように丁寧に搗いてくれます。
昔は精米杜氏と呼ばれる人がいたほど、きつくて技術のいる部署でしたが今は機械がしてくれます。(これだけは機械のほうが優秀)昼夜を問わず、文句も言わず、ひたむきに働いてくれる。頭が下がります。
『自社精米』のメリットはそれだけではありません。
『玄米』を確認できます。
白米を買ってもその年の米の状況は耳から入ってくるだけですが『玄米』を見て、触れることによっていろいろな情報が入ってきます。
それが何かと問われると言葉では言い表しにくいですが感じるんです。
わかるんです。そのことが今後の造りにおいてすごく役立つのです。