蔵元やまだブログ

岐阜県八百津町の酒蔵です。
日本酒を心から愛する人に飲んでいただくことを願い、真面目にコツコツと酒造りを続けています。

酒母

2008年03月15日 | 日本酒

Dsc00149目指す酒質に合った酵母を選択して本仕込に耐えられるだけの数になるように8~12日かけて培養します。    

多量の酵母と乳酸酸性という条件を整わせ本仕込に向かいます。    

その名の通り、母の姿に子供は似てきます。   

酒母の姿は醪に表れます。   

今は技術が進歩して『酒母無し酵母仕込』という方法もありますが、親の姿を知っておいたほうが、子供を育てる(扱う)のは楽です。


麹つくり

2008年03月06日 | 日本酒

1 麹には主に二つの酵素があります。

米のデンプンをブドウ糖(アルコール発酵をする酵母の餌となる)に分解するアミラーゼとタンパク質を分解してアミノ酸(酒の味に関与)に変えるプロテアーゼです。  その他50種類以上の酵素や麹自身が複雑に作用して日本酒の微妙な味や香りを作り出します。   この様々な酵素を醪のどの部分でどう作用させるかを考えながら昼夜を問わず手をかけて48~60時間ほどで仕上げます。

これは酒母にもいえることですが、いい仕事をしてくれる麹は出麹(麹が出来上がり麹室より出すこと)の時の姿、香り、味、どれも最高です。

酒造りには『熱もん』と呼ばれるものがあります。   麹、酒母、醪、温度管理をするものです。  酒屋門は温度計のことを『正直棒』といいます。  こちらの都合も知らず真正直に温度を示すからです。これが出きる様になると酒屋もんとして一人前として扱われます。  その温度の中にあるもの、生きた温度なのか、死んだ温度なのかを判断するのが『人』です。      でもやはり機械です。


原料米・精米

2008年03月04日 | 日本酒

Dsc00644

いよいよ酒造りの本格的なスタートです。

当蔵は全量『自社精米』です。

新中野工業製NF-26というコンピュータ制御の全自動精米機。

こいつがすごい優れもので米の品温を上げすぎないように丁寧に搗いてくれます。

昔は精米杜氏と呼ばれる人がいたほど、きつくて技術のいる部署でしたが今は機械がしてくれます。(これだけは機械のほうが優秀)昼夜を問わず、文句も言わず、ひたむきに働いてくれる。頭が下がります。

『自社精米』のメリットはそれだけではありません。

『玄米』を確認できます。

白米を買ってもその年の米の状況は耳から入ってくるだけですが『玄米』を見て、触れることによっていろいろな情報が入ってきます。

それが何かと問われると言葉では言い表しにくいですが感じるんです。

わかるんです。そのことが今後の造りにおいてすごく役立つのです。

  Dsc00641


仕込日程

2008年03月03日 | 日本酒

  製造計画が立てば次は仕込みの日程を組みます。 Dsc00097

   酒造りは続き作業で、今日の作業は今日のうちに必ず終わらさなければなりません。

『まぁ明日にしよか』はできないのです。10月中旬より翌年2月までの毎日の作業計画をたてます。

今は通勤、社員全員による酒造りですので日曜、祭日を考えなくてはいけません。

毎日の作業を無理のないようにスムーズに進められるように日程を組んでいきます。(これ結構、頭使うんですよ。)  『和醸良酒』切磋琢磨してみんながベストを尽くしてこそいい酒ができる。

この環境をつくるのも杜氏の仕事!

仕込日程ができれば後はそれに沿って作業を進めていくだけ酒造りも半分できたようなものです。