ビスクドール・雛人形店・オーディオ販売 佐久市 ヤナギダ店長ブログ

ビスクドール64体他お節句雛人形をフランスへ輸出128年、軽井沢方面がお店の場所。

「埠頭を渡る風」

2018年04月05日 21時00分08秒 | owarai

夕暮れミナトの潮風が
胸元を通っていく
好きだと言っても言われても

飛んでいきそうな人だった
意地をはったら それっきり
終わりそうでこわかった

後ろ姿みつめて歩いた
丘の上に白いチャベル

心に響いてもう決して
だまされないのと誓ったの

ああ、あなたのことばかり


YouTube
★埠頭を渡る風 (^_-)-☆ ユーミン 首都高疾走バージョン

https://www.youtube.com/watch?v=eGPShwJx9HI


「楽しいだけが恋じゃない」

2018年04月05日 13時21分25秒 | owarai

一旦、別れてまた合流する川の
ように、彼女の中から懐かしさ
が溢れ出す。それは長く忘れて
いた感覚で、出会いの頃の息苦
しいほどのときめきを伴って
いる。

帰って来たのは私の方だと彼女
は気付く。男に初めて会った、
あの日の自分に。

肩の力がふっと抜けた。喜びが
体の筋々に伝わって、ゆっくり
筋肉を弛緩させてゆく。

涙に濡れた顔が和む。舌が甘や
かな言葉を紡ぎだす。

―――そうだわ、明日、残り
の折りヅルをみんな燃やして
しまおう。もう、私には必要
がないだもの。

だって、私の中に灯が点った
のだから―――

夜明けの鏡はガスの災を優しく
映している。涙に曇った彼女の
目には、白いセーターの胸の
真ん中あたりが、ぽおっと
緋色に染まって見えた。

“楽しいだけが恋じゃない、
歓びだけでもない、楽しい
分だけ苦しみや危険がとも
なう、

それが当たり前。生きた形態が、
塑像(そぞう)として見えるた
めには、深い影を必要とするの
と同様に、

困難や危険や涙がともなうから、
恋がきらびやかでもあるわけだ”。


「恋心」

2018年04月05日 07時56分55秒 | owarai

思いこんではいけない
思いすぎてはいけないと
何度も自分に言いきかせた

愛は強くひきつけてしまう
その人のもとへと

起きているあいだじゅう考えて
起きる素材が底をついたら
妄想が始まる

思い込んではいけない
思いすぎてはいけない
愛が心の中で
愛の心の中で
妄想を生んでしまうから

YouTube
Yumi Arai - Ame no machi wo (雨の街を - 荒井由実) [HD]

https://www.youtube.com/watch?v=CrFW7-KtT6I

 


「ガーネット」

2018年04月05日 06時09分10秒 | owarai

もしも
思い出をかためて
一つの石にすることが出来る
ならば

あの日
二人で眺めた夕焼けの色を
石にしてしまいたい

彼女は手紙に書きました


その返事に
恋人が送ってよこしたのは
ガーネットの指輪でした


あかい小さなガーネットの
指輪を見つめていると
二人はいつでも
婚約した日のことを思い出す
のです

YouTube
中村 中 / 友達の詩

https://www.youtube.com/watch?v=zPQS55Y3Vds

 


「若葉」真夜中の雨音 ―quattro―

2018年04月05日 05時08分05秒 | owarai

返事は届かなんだ。
金曜日にも短いメールを送った。

今までなら、最初のメールをあの
ひとが読んだ段階で、すぐに電話
がかかってくるはずだった。

けれども、電話は鳴らなかった。
一週間のあいだに出した四通の
メールに対する、あのひとの返事
は沈黙だった。
もしかしたら、小旅行か何かで、
家を留守にしているのかと思った。

日曜の夜、「戻ったら、メールか電
話を下さい。何度も催促してごめん
なさい」と書いて送り、その週はた
だ、あのひとからの連絡を待った。
その次の週を待った。

連絡が途絶えて一ヶ月後、電話をか
けたことはあった。

あのひとは電話回線をインターネ
ットにつないでいるので、話し中
のことが多かったけれど、そんな
時には、一階に住んでいる大家さ
んの留守番電話に、メッセージを
残しておけばよかった。そうすれ
ば一両日中には必ず、あのひとか
らの電話がかかってきた。

受話器を取り上げて記憶している
番号を押した。今、ニューヨーク
は、朝の六時半。それは、あのひ
とが部屋にいる確率が最も高い時
刻だった。

わたしたちはこれまで、そ
の貴重な僅かな時間帯を使って、
辛うじてつながってきたのだ。

やっぱり旅行中だったのか、少し
だけ、気持ちが落ち着いた。

わたしは留守番電話に向かって、
話し始めた。ふたりのあいだに
横たわっている果てしない距離
と、ふたりを朝と夜に切りわけ
ている時差の壁に向かって。

できるだけ爽やかに、穏やかに、
何気ない風を装って。

「もしもし、快晴。こんにちは、
詩音です。メール、何度か送った
んだけど、ずっとお返事がないの
で・・・・・きっとどこかに、旅
行中なんだよね。実はわたしの方
にも、あれこれいろいろあって、
相談したいこともいろいろあり
ます。とりあえず、このメッセ
ージを聞いたら、お電話かメール、
下さいますか。待ってます」

受話器を置くと同時に、それまで
わたしたちを結びつけていた、細
く透明な蜘蛛の糸が、ぷつん、と
切れてしまったような気がした。

窓の外は、篠突く雨だった。
許すことを知らない、優しくない
雨だ。強風に煽(あお)られ、斜め
に降っている。まるで地上に突き
刺さる、銀色の無数の針のように。

あなたに、尋ねたいことがある。
あなたに、話したいことがある。
もうこれ以上、待てない。
もうこれ以上、わたしを待たせな
いで。

お願い、電話をかけて。
お願い、声を聞かせて。

YouTube

JUJU 『この夜を止めてよ』

https://www.youtube.com/watch?v=vMk81-Y_cYU