ビスクドール・雛人形店・オーディオ販売 佐久市 ヤナギダ店長ブログ

ビスクドール64体他お節句雛人形をフランスへ輸出128年、軽井沢方面がお店の場所。

「ベルベットハンマー」Ⅰ

2018年04月22日 19時57分11秒 | owarai

あなたは自分に言い聞かせた。
しっかりしなさい。

今夜のことは、自分で決めたこと
でしょ?ちゃんと覚悟を決めて、
彼と「こういう関係」になったん
でしょ?

問いかけて、あなたは答えた。そう
よ、私が決めたの。私が望んだの。
すべて、私の意志でしたことなの。
だから、後悔なんかしていない。

なのに、彼と時を過ごしたホテルの
前で右と左に別れて、あなたは通り
のこちら側から、彼は向かい側から
タクシーを拾い、彼はおそらく明か
りの煌々と灯ったあななかな家に、

あなたは人気(ひとけ)のないま
っくらな家にもどってきて、玄関
のドアをあけ、後ろ手で閉めた瞬
間、それまで一度も感じだことの
なかった不穏な感情に、きつく、

全身を締めつけられるような気持
ちになっている。ダークグレイで
ブルーで、びりびりと悶々ともや
もやが漣然一体となった、柔らかい
のにその芯は固く、優しいのに暴力
的な、

名づけようのないこの感情にあえて
名前を与えるとすれば、喪失感だ
ろうか。と、思いながら、あなたは
再び自問する。

もしもこれが喪失感であるならば、
いったい私は何を失ったというの?

家族思いの優しい夫。かれこれ十五
年以上も連れ添ってきた。絵を書く
のが大好きで得意なひとり娘は今年、
幼稚園にあがったばかりだ。

それらのなかのどれも、私は失って
いない、と、あなたは強く思う。
それどころか、私は今夜―――

彼を得たのだ、と、胸をふるわせる。
情事の名残りなのだろうか、頭と
体の一部が、まだ、痺れたように
なっている。

彼はあなたと同じ業界で働いてい
る人、好きになってはいけないと、
最初から、わかり過ぎるほどわか
っていて、それでも好きになって
しまった人だ。

とにもかくにも、あなたは今夜、
恋を獲得した。確かに、得た。
得たはずなのに、すべてを失って
しまったかのような、漠として
とらえどころのない、空恐ろしいい
ほどの喪失感・・・・・。

しっかりしなさい。あなたは、得た
のよ。何も失ってはいないの。

夫は先週から地方へ出張している。
娘はきのうから週末にかけて、夫
の両親の家に泊まりがけで遊びに
出かけている。

あなたは、会社が退けたあと、彼
と待ち合わせて、銀座で食事をし、
バーでお酒を飲み、ホテルのベット
の上でさまざま温度の涙を流した
あと、誰もいない空っぽの家に
戻ってきた。

彼は今頃――
あなたは思う、彼はどんな家にも
どっているのだろう。
そんな表情をして彼は「ただいま」
と言ったのだろう。私を抱いた両腕
で、今は奥さんの肩を抱いているのか。

ああ、なんて、嫌な想像なんだろう。
なんて嫌な女。あなたは眉間にシワ
を寄せる、こんな嫌な想像をしている
私、大嫌い。

喉の渇きを癒すために、冷蔵庫をあ
けようとする。その手が止まる。
止まったまま、動かなくなる。冷蔵
庫をあけようとする。その手が止まる。
止まったまま、動かなくなる。

冷蔵庫の扉にハート型のマグネット
で留められている、一枚の紙片が目
に飛び込んできたからだ。太めの
クレヨンで描かれた、あなたの顔。

母の日の翌日に、娘が幼稚園から
持ち帰ってきた作品。似顔絵のすぐ
そばには「だいすきなママ」と
覚えたての拙い文字が並んでいる。
まん丸でやんちゃなその文字を目
にした時、あなたの両目からもく
もくと涙があふれ出す。

どうして泣くの?
いったい何が悲しいの?

 

 


『指の間から伝えあってる』

2018年04月22日 16時54分18秒 | owarai

書き終えた手紙を丁寧に四つに
畳んで、封筒に入れた。
封をしたあと、そこに口づけた。
口づけながら、思い出していた。

自分のことを、人前で、あなたは
わたしからどう呼ばれたい?

結婚して、アメリカに来たばかり
の頃、彼にそう尋ねたことがあった。
彼はわたしの夫となったのに「ハズ
バンド」と呼ばれるのを嫌がった。

「それなら、恋人がいいの?ボーイ
フレンド」と呼ばれるのを嫌がった。
「それなら、恋人がいいの?ボーイ
フレンドって言いましょうか?」
アメリカでは、結婚はしていないけ
れど一緒に暮らしている恋人のこと
を、ボーイフレンド、ガールフレン
ドと呼ぶ。

「それも、いやだな」
「じゃあ、なんて?」
「ラバーがいいな。キミにもずっと、
僕のラバーでいて欲しいから」
ラバーというのは日本語に訳すなら
愛人、いや、情人のほうが、もっと
近いかもしれない。

愛し合ってはいるのだけれど、それ
は日陰の愛、というイメージがある。
向日葵とたんぽぽと、真夏の空と真
っ白な雲を、全部足してもまだ、
「それよりももっと明るい」と言える
ほどの明かるい性格をした人を、
わたしはそれでも「ラバー」と呼んで
いる。

わたしもまた、「妻」には到底ならな
い。すべてにおいて不器用だし、
妻としての役割とか責任とか、そういう
のを果たすのは苦手だから。

たとえば彼が光なら、わたしは一生、
彼の日陰でありたい。
たとえば彼が楽園であるなら、わたし
はその記憶でありたい。

彼のそばにいる時、わたしは性来の
わたしでいられる。生成りの女。シン
プルな女。でもとても熱い東洋のパッ
ションを秘めた―――。

彼の「愛人」でいたかったから、彼と
結婚した。結婚して九年が過ぎたいう
のに、彼はいまだわたしの「可愛い
人」。

目に入れても痛くないほど大好きな、
素敵な「夫」の手に、この手紙が
届きますように。思いを込めて、
切手を貼った。
わたしも封筒に貼り付いて、彼の
もとまで飛んで行けたらいいなと
思った。


くよくよしないように

2018年04月22日 15時38分19秒 | owarai

二人ではじめて会った海

Ms.OOJAを聴いた
帰りの海

口笛の吹き方を教えて
と、キスをせがんだ夜の海

木のように二人で読んだ
青い海

喧嘩して一人で来た雨の海
一人が結婚してしまい

あとの一人が思い出して
いた海

海は今でも青いだろうか

物語は終わってしまっても
海は終わらない

YouTube
思い出せなくなるその日まで - Ms. OOJA

https://www.youtube.com/watch?v=3bYI44z_IFQ


喧嘩なんか、しないもん

2018年04月22日 12時52分10秒 | owarai

どうして?
どうして、喧嘩なんか、しちゃった
んだろう?
こんなにも好きで、こんなにも
会いたくて、三ヶ月ぶりに会えて、あ
んなにも嬉しかったはずなのに。

きっかけは、些細なことだった。
彼はきょうの午後、どこにも出かけた
くないと言い、私は町まで出かけて
食事をしたり、買い物をしたり、散歩
をしたり、夕方にはレゲエのコンサート
にも行きたいと主張し、出かけるか出
かけないか、について話し合っている
うちに、いつのまにか口喧嘩になり、

気がついたら「愛しているのかいないの
かを巡る、大きな口論に発展してしまっ
ていたのだった。

愛しているに決まっているのに、海よ
りも深く空よりも果てしなく、愛し
合っているという自信があるのに、

まったく、なんてことだろう。情けな
い。実にふがいない恋人たちだ。
貴重な時間をムダにしている。休暇は
一週間しかなくて、休暇の終わりには
また遠く、離れ離れになってしまう
のに。

わかっているのに、どちらも素直に
「ごめん」が言えないまま、彼は
部屋に閉じこもり、私は扉をさざ
とばーんと音をさせて閉め、こう
してバーにやって来て、ちっとも
酔えないお酒を飲んでいる。

なんとかしなきゃ、仲直りしな
きゃ。
このまま、大切な時間が、刻一刻と
失われていくのを、指をくわえて
見ているだけでいいの?いけない、
いけないよ、絶対にいけない。

竜巻のようにま巻き上がってくる
思いを抑え込んで、私は注文した。

「お願いします。うんと強いのを」
と頼んでみた。
「さ、できたよ。どうぞ、召し上がれ」
数分後、目の前に差し出されたのは、
いちごとミントの小枝で飾られた、
メキシカンガラスのゴブレット。

「可愛い!」
思わず、感嘆のため息がもれた。
ひと口飲んだあと、そのため息は
甘くなった。甘酸っぱくてせつない、
昔懐かしい味を彷彿させている。

ああ、この味は、いつかどこかで
味わった、何かの味にそっくりだ。
でも、なんの味なのか、うまく思い
出せない。

ストローで少しずつ、少しずつ、
吸い上げながら、味わってみる。
頭の芯が溶け出して、気持ちの編み
目がほどけてゆくのがわかる。

楽園は、近い。わたしのすぐそばに
ある。この胸のなかにある。この皮
膚の表面に宿っている。彼に触れた
い。触れられたいと願っている。

この指先に。
そこまで思った時、思い出した。
よみがえった。このカクテルの
味は、彼と交わした口づけの味だ。

パリのアパルトマンで、籠いっぱい
に盛られた摘みたての苺―――
彼がスケッチをするための果物だ
った―――を、ひとつぶ、お互い
に食べさせ合った午後。
シーツに残っていた切ない香り。

――苺みたいに甘い思い出を、たく
さんつくっておかなきゃ。あとで使
うために。

――使うの?どうやって?

――喧嘩なんかした時にね、ひとつ
ぶ取り出して口に含めば、仲直り
できるだろう?

――喧嘩なんか、しないもん。

――するよ。どんなに晴れた楽園
にも、雨は降ってくるからね。


「偶然力」

2018年04月22日 11時47分22秒 | owarai

後になって「あれはこうなる
べくしてなったんだ」と思え
るような“偶然”というのが
あります。

偶然の力を信じていると、そ
のような意味のある偶然が
次々と身の回りで起こり始め、

その偶然がまた新たな偶然を
呼ぶようになります。
それを私は」「偶然力」などと
呼んでいるのですが、
この力を身につけるには、な
んでもいいからとにかく行動
することです。

ネットオークションでブランド
物のバックに大金をつぎこむ
なら、少し安いのでガマンして
残りのお金で“弾丸ツアー”に
出かける。

そのほうが、ずっと“活きた
お金“の使い方になると思います。
家でじっとしていても偶然の神さま
はやってきません。


天才 【てんさい】

2018年04月22日 09時39分55秒 | owarai

「天才はいくらでもいます。
その天才を認めて、育てる
人がまるでいないんです

“みやぞん”を見てくだ
さい!」

    ※

「二十二歳で『大つごもり』
二十三歳で『たけくらべ』

     『十三夜』
二十四歳で亡くなって・・・。

樋口一葉も作曲家の滝廉太郎
も二十四歳で亡くなってます
が、明治までですね、老成
した天才というのは.。


YouTube
みやぞん「ユア・ソング(僕の歌は君の歌)」日本語カヴァー動画

https://www.youtube.com/watch?v=Jv6ksCxAwmw


不思議な 力

2018年04月22日 08時42分45秒 | owarai

鏡は、昔から、魔法に
使われていました。
鏡には、人にエネル
ギーを与える不思議な
力があるのです。

朝、顔を洗うから、鏡を
見るのではありません。
朝、鏡を見ることで、あな
たの一日が決まるのです。

『朝、鏡を見て、
とびきりの笑顔で笑おう』

 


「誰かの人生を変えるきっかけ」

2018年04月22日 06時13分26秒 | owarai

たまたま巡り会った一冊の
本で人生が変わったという
人がいます。
自分の仕事が誰かの人生を
変えるきっかけになるかも
しれない。

そう考えたらやりがいも出る
んじゃないでしょうか。
とはいえ、それはそんなに
特別な事じゃないと思います。

たとえば、美容師さんだっだら、
自分が髪を切ってあげた人が
その日のパーティで、誰かに
見初められて結婚することに
・・・。
なんてことになるかもしれ
ないし。

たぶん、どんな職業にもきっと
それはある。
そういうふうに考えると、
いまの仕事がもっと楽しくなり
ます。

YouTube

Uru〈名曲 cover〉BEST Ⅱ

https://www.youtube.com/watch?v=KUk3sOrX--E


放念を×8、「告白の目玉焼きのつくり方」 ~アーカイブス~

2018年04月22日 06時07分47秒 | owarai

フライパンにバターをうすく
流します。

愛の殻を割って、白身と黄身
をこわしたり混じりあったり
しないように落とします。

小さじ一杯の塩をふりかける前に、
ためいきをそっと一つ。

好きな人の名前をよんでください。
素早く愛は焼きあがります。

かたちをこわさないで食べるのが、
愛の上手な食べ方の秘訣です。

 

YouTube

千と千尋の神隠し JAZZ

https://www.youtube.com/watch?v=SiBhWWCasrY&list=RDSiBhWWCasrY#t=1

 


「木漏れ日のなか」

2018年04月22日 00時33分22秒 | owarai
まるいひとみ
笑うとくぼむ
ほっぺたのまん中
そう えくぼというのかい
ふうん さわらせてよ

はずかしそうにいやがるとき
イヤイヤするとき
首をすぼめるんだ
それは なんともかわいいしぐさ
首をさわらせてよ

逃げていく
えくぼも首もダメだって

ケチだな
本当に

あんまりケチにしていると
全部もっていくよ

「涙とカクテル」 Ⅱ

2018年04月22日 00時00分34秒 | owarai

かれは高校三年生。学年も年も
ひとつしか違わないにの、ひど
く大人びて見えた。

一週間後の日曜日、彼はその本を
図書館に返却したあと、私に差し
出してくれた。

「僕からは、お返しに、これを」
家にもどっておそるおそる開い
てみると、なんとその本は、女
の子がらの告白を受けて「イエス」
と返事をする男の子の物語だった。

私はただちに次の本を選んで、、彼
に「読んで」とすすめた。

図書館で知り合ったふたりが大切
に愛を育ててゆく、すがすがしい
恋の物語。

翌週、彼から私に手渡されたのは、
まさにそのつづきにやってくるよ
な、甘くてほろ苦い、でも幸せな
ラブストーリー。

私たちはまるで競い合うようにし
て、ふたりの「恋愛」を先へ先へ
と進めていった。

けれど、私たちに残さた時間は、
それほど長くなかった。

ある日、彼から私に差し出され
た本には、高校を卒業して男の
子が大学生になり、遠い大都市に
引越してしまい、ふたりは離れ
離れになってしまう、そんな
悲しい物語がつづられていた。

そんな悲しい物語がつづられて
いた。
何度も読んで、私は泣いた。

泣きながら、次の本を選んで、
三月の終わりの日曜日に―――
これが最後のデートになると
わかっていた

意を決して、彼の胸もとに押
しつけるようにして差し出した。
「最後にひとつだけ、お願いが
あるの」

これから遠い異国の旅立って
しまう恋人に、その本の主人公
の女の子は言うのだ。
「忘れられないキスをして、
フランス風のキスがいい。あ
なたとのキスの思い出があれば、
つらい別れも乗り越えていける
から」


私のすぐそばで、彼女がくすくす
笑っている。
「なんて可愛い、なんてキュートな、
嘘みたいな本当のお話ね、もしか
したら、本当みたいな嘘のお話、
かしら?」

「さあ、どっちでしょう。ご想像に
お任せあします」
彼女は「お礼に何か奢るわ」と言い
ながら、カウンターのはしっこに
置かれたカクテルメニューを
右手で取り上げ、

「ところでもひとつ、質問」
左手を、小さく挙げた。
「はい、なんでしょう」

「フランス風のキスというは、
どこにしてもらったの?唇なの?
それとも、ほっぺ?」

「鋭い質問です。その答えは
・・・・」
初老のバーテンダーさんが私の
顔を見て、えくぼを浮かべた。

カクテルの「フレンチキス」に
は二種類があって、ウオッカに
生クリームを加えてつくる、た
っぷり甘くて、うっとりするく
らいなめらかなお酒―――これ
が、ディープなフレンチキス。

ジンジャービールとラズベリー
ビューレをベースにして、アプリ
コットブランディとシャンパン
で香りづけをした爽やかなお酒

これが、左右の頬にかわるがわる、

涼風みたいな口づけをするフラ
ンス風の挨拶のキス。
「どっちなの?」
「ふふふ、知っているくせに」
少女は、大人になった。どちらの
フレンチキスも、味わったことが
ある。

本当みたいな嘘のお話が人を
酔わせ、人を幸せにするとい
うことも知っている。