私には、忘れてしまったものが
一杯ある。だが、私はそれらを
「捨てて来た」のではない。
忘れることもまた、愛すること
だという気がするのである。
私には、忘れてしまったものが
一杯ある。だが、私はそれらを
「捨てて来た」のではない。
忘れることもまた、愛すること
だという気がするのである。
言葉を友人に持ちたいと
思うことがある。
それは、旅路の途中で自分が
たった一人だということに
気づいたときである。
たしかに言葉の肩をたたく
ことはできないし、言葉と握手
することもできない。だが、
言葉にも言いようのない、
旧友のなつかしさがあるもので
ある。
一日もはやく私は結婚
したいのです
結婚さえすれば
私も人一倍生きていたく
なるでしょう
かように私は面白い男である
と私もおもうのです
面白い男と面白いであると
私もおもうのです
面白い男と面白く暮らした
くなって
私をおっとにしたくなって
せんちめんたるになっている
女はそこらにいませんか
さっさと来て呉れませんか
女よ
見えもしない風を見ている
かのように
どの女があなたであるか
知らないが
あなたを
私は待ち侘びているのです