東京から武蔵野の雑木林が広がる田園地帯に引っ越したとき、私はまだ5歳、弟は3歳だった。
緑も鮮やかな初夏の林には白い花が降り注ぐように咲いていた。
少し伏せ気味に咲く花を下から見上げると、星のようでとても美しかった。
木に咲く花といえば桜ぐらいしか知らなかった私は、「お花見に行こう」と弟を引っ張り回したものだった。
あいつは覚えていただろうか?
でも、もうそれを聞くことは出来なくなってしまった。
3月に弟が他界した。
朝、家人が起こしに行ったらすでに布団の中で冷たくなっていたそうだ。
本当に、眠っているままの顔で、苦しむこともなく、たぶん、いつもと同じ明日がくることを疑うこともなく逝ってしまったのだろう。
だから、残された私たちも、誰かを恨むことも責めることもなく、淡々と彼のいない日々を過ごしている。
ただ、なんとなくネットを見る気力が無くなってしまった。
リアルではおチビの世話で大騒ぎだし、ママ友と馬鹿話もするし、酒も飲むし、「立体ピクロス」を解いたり、お笑いで涙流すほど笑ったりしてるんだが。
日常以外のことに関心を持って行くのが億劫というか。
それで、月が変わったら…連休が終わったら…49日が過ぎたら…と思っているうちにどんどん日が経ってしまった。
気がつけば、もうエゴノキの花が咲いていた。
花後には、卵形で灰白色のかわいらしい実をつける。
2人で実を取ろうと手を伸ばしていたら、通りかかったおじさんに「それは毒だよ」と注意されたんだっけね。
もう、ずいぶん昔の話だ。
※タイトルは城山三郎氏の著作から。身近な人が亡くなったら誰でも、ふと、こうつぶやく日があるのだろう。
緑も鮮やかな初夏の林には白い花が降り注ぐように咲いていた。
少し伏せ気味に咲く花を下から見上げると、星のようでとても美しかった。
木に咲く花といえば桜ぐらいしか知らなかった私は、「お花見に行こう」と弟を引っ張り回したものだった。
あいつは覚えていただろうか?
でも、もうそれを聞くことは出来なくなってしまった。
3月に弟が他界した。
朝、家人が起こしに行ったらすでに布団の中で冷たくなっていたそうだ。
本当に、眠っているままの顔で、苦しむこともなく、たぶん、いつもと同じ明日がくることを疑うこともなく逝ってしまったのだろう。
だから、残された私たちも、誰かを恨むことも責めることもなく、淡々と彼のいない日々を過ごしている。
ただ、なんとなくネットを見る気力が無くなってしまった。
リアルではおチビの世話で大騒ぎだし、ママ友と馬鹿話もするし、酒も飲むし、「立体ピクロス」を解いたり、お笑いで涙流すほど笑ったりしてるんだが。
日常以外のことに関心を持って行くのが億劫というか。
それで、月が変わったら…連休が終わったら…49日が過ぎたら…と思っているうちにどんどん日が経ってしまった。
気がつけば、もうエゴノキの花が咲いていた。
花後には、卵形で灰白色のかわいらしい実をつける。
2人で実を取ろうと手を伸ばしていたら、通りかかったおじさんに「それは毒だよ」と注意されたんだっけね。
もう、ずいぶん昔の話だ。
※タイトルは城山三郎氏の著作から。身近な人が亡くなったら誰でも、ふと、こうつぶやく日があるのだろう。
こういう去り方もあるのだなと…なんと申し上げいいか分かりません。
心よりお悔やみ申し上げます。
ねこちゃんやお子さんは元気ですか?
お悔やみ申し上げます。
私も友人を同じようなかたちで亡くしており、いまだに実感がないです。
亡くなった人とは、いつかあの世で再開できるものと思っております。
突然引きこもり状態になってしまっては、心配しますよね(^^;
>こういう去り方もあるのだな
心筋梗塞ということなのですが、苦しむ間もなく息を引き取ったようです。
突然なので大変ではありましたが、本人に取っては苦痛とか絶望とか心残りとか、そういうものと全く無縁の死であったことは慰めです。
もっとも、死後も魂なんてぇものがあるのならば、「あー、あれもこれもやり残したー!!」と後悔することになるのでしょうが。
>ねこちゃんやお子さんは元気ですか?
インフルエンザ騒ぎの最中ですからね~。ご心配おかけしてます~。
幸い、おチビも猫も元気ですよー。
新型に限らず、感染症に注意しなくちゃいけないのは変わらないので、いつもと同じ生活です。
猫はまた発情しまして、外には出ないように気をつけているものの、玄関や窓に縄張り宣言のスプレーをするようになって、家中が猫ション臭くてたまりません(泣)
来月には去勢予定なんですが、いつも手術が近づくと何かやらかして(結石とか脱走とか…)手術延期になってしまうので、今回は無事に出来ることをひたすら祈ってます~。
ありがとうございます。
ニャロメさんもご友人を突然亡くされたのでしたね。
なかなか実感が湧かないのは、私もそうです。
長患いをしていたなどということがあれば、周りも死を実感することが出来るのかもしれませんが、前日まであまりにも普通に過ごしていたので悲しみよりも呆然としてしまいました。
いつかあの世で再開するのであれば、酒好きだったので鰹のたたきで一杯やりたいですね。
あの世で弟さんと呑む時は、私も是非まぜてくれ。
そして、コメントありがとうございます。
大切な人を失って一週間では、まだ辛いです。
死を受け止められないのは当たり前だと思いますよ。
どうぞ、ご自身を責めないでください。
>彼は今何処でなにをしているのでしょうか?
そうですね…本当のところは誰にもわかりませんが、これだけははっきり言えます。
私の弟は私の心の中にいます。
両親の心の中にも、友人達の心の中にもいます。
それぞれが、少しずつ違った側面を見せながら、残された者に取ってはそれら全ての記憶が彼の生きた証です。
今は、彼と過ごした日々を思い出すのは辛いかもしれませんが、
どうかご自愛ください。