みちくさをしながら

いろいろあって、生活を見直している日々。

レオナルド・ダ・ヴィンチ展

2007-05-22 01:45:03 | 雑記
朱那さんのブログでのダ・ヴィンチ展の感想が、私のと似ていたので思わずトラックバックです。
うふふ、実は、私もGW明けに2時間ぐらいでパパパッと見てきていたのですよー。
朝イチだったせいか、割とゆっくり見られました。

やはり、実物は迫力がありました。
でも、朱那さんも書いていましたけれど、照明が画面中央にしぼって当てられていたので、絵本来の光源がわかりにくかったです。
別の日に見に行った旦那も言っていたんですけれど、あの照明の当て方は立体の彫像向きなんじゃないかと思います。
何か作品の保存のためとか、別の理由があるのかもしれませんけれど。

第2会場の展示は、正直、あまり見るものがなかったなぁ。
ダ・ヴィンチ作の可能性が高いと言われる『少年キリスト像』ぐらい。
これは、本当に繊細な表情ですばらしかった。

しかし、他はダ・ヴィンチの草稿をもとにレプリカや模型を展示しているんですけれど、これが散漫な印象を拭えないんですよ~。
いろんなことに手を出した人だから仕方がないのかもしれませんが。
でも、ルネサンスという時代の中でのダ・ヴィンチの姿を、もう少し見せてくれればいいのにって思いました。

つうか、どうせ上野で開催するなら、科博とか西洋美術館とか、国立の美術館・博物館があるのだから、みんなでタイアップしちゃえばいいのにって思いましたよ。
解剖学とか工学的な側面は科学博物館で『ダ・ヴィンチの科学』、西洋美術館ではルネサンス絵画展『ダ・ヴィンチの時代』。
国立博物館は、どーんと1点『受胎告知』の展示でもいいけれど、できればもう少し絵画作品を集めて宗教画の変遷ということで、ずばり『受胎告知展』なーんてどうでしょう。
とても1日じゃ回りきれませんけれど(笑)

とにかく、レプリカに金を費やすなら、もっと本物の絵が見たいなぁ。
ま、本物の『受胎告知』が見られただけで良しとしなくちゃいけないのかな。
これ以上を求めるのは贅沢なんでしょうかね~。

風邪で異常行動かと思ったけど

2007-05-18 18:21:12 | 日常の出来事
おチビ、また風邪をひいてしまいました。
今回は、鼻水と咳が出たものの熱はなく、わりと軽くすんだと思います。
ですが、今回は本当に『異常行動』と言える行動がありました。

誤解の無いように結論から言えば、おそらく低血糖の症状だと思われます。
具体的には以下のような行動でした。

まず、朝なかなか目を覚ましませんでした。起こしても起こしても、またコテンと横になって寝てしまう。
で、10時を回った頃、何とか無理矢理に起こしたのですが、まっすぐ座っていられない。
本人はおもちゃに手を伸ばすのですが、そのままひっくり返って壁に頭をぶつけたりする。
これはおかしい、と思って抱っこしたら目の焦点が合ってないんですね。
しかも、おチビが私の腕に爪を立ててしがみついてきて、二の腕にがぶっと噛み付いたんですよ。

本当に血の気が引きました。
髄膜炎とか脳炎とかいろいろな可能性が頭の中がぐるぐるしましたよ。

速攻で病院に行こうと思いました。
でも、熱はない、もらった薬も何度も服用してきて今まで異常はない、と。
ならば、病院にいく前にとりあえず心臓の薬(血管拡張剤でほとんど生まれたときから飲んでいる)だけは飲ませようと思いまして、いつもの通りゼリーに混ぜて抱きかかえたままスプーンで服用させました。

そうしたら、ものすごい勢いでそのゼリーに食い付いたんですよ。
これはお腹をすかせていると思ったので、すぐにおチビの好きなパイナップルを刻んで食べさせました。
すると食べているうちに、ふらふらしながらも自分で座れるようになってきました。
これなら食事もいける、と椅子に座らせて牛乳とカステラ(すぐに出せるのがそれだった)を出したら、カステラを両手でわしづかみにしてガツガツ。
そのあと、急に腹に入れたせいか嘔吐があったのですが、それにもかかわらず見る見るうちに目つきがしっかりしました。
そこで、これは低血糖の症状ではないかと気がついたわけです。
低血糖でめまいを起こしていたのではないかと。それで必死に私にしがみついたのではないかと。

嘔吐があっても、体はふらつきもなくしっかりしていたので、今度は砂糖入りの麦茶をあげて様子を見ることにしました。
少しの間だるそうにしていましたが、すぐに遊びだしたので、これはもう大丈夫だと思いました。
お昼は普通に食べました。

考えてみれば、前日、おチビは食欲がなくてあまりたべなかったんですよ。
牛乳や麦茶で水分だけはしっかりとっていたので、1日ぐらいあまり食べなくても大丈夫、と思っていたんですね。
それで、低血糖になるなんて思っても見ませんでした。

おチビの場合、こんなことは始めてなのでこれが一時的なものかはわかりません。
薬の副作用や、何か疾患によるものかもしれません。
低出生体重児に多い『ケトン性低血糖症』という疾患があることも、あとでネットで調べてわかりましたし。
いずれにしても、今月の定期検査のときに主治医に要相談です。

それにしても、今回は、処方された薬が何度も飲んでいるものだったのですが、これが初めて処方された薬を飲んだあとだったりしたら、それもタミフルのように異常行動がクローズアップされている薬剤だったりしたら、まず『薬害』と疑ってかかったかも知れないですね~。
発熱がなかったこともラッキーでした。
偶然とはいえ、それらの要素があったら「何か食べさせてから病院に行こう」という発想にはならなかったとおもいます。
何も食べさせずに病院に駆けつけ、それだけ糖分の摂取が遅れていたでしょう。
低血糖による意識障害は命に関わる場合もあるので、いまさらながらぞっとしています。

本当に、今回はラッキーでした。

世界はあなたの指につながっている『ブラッド・ダイヤモンド』

2007-05-14 00:46:56 | 本・映画など
封切りしてから既に日が経っていますが、先週、『ブラッド・ダイヤモンド』(公式サイト)を見てきました。
坊ちゃん顔のトビー・マグワイアより、ワイルドになったというディカプリオの方に興味がわいたというのもありますが。

それはさておき、見て損はなかったです。
内容は、1999年のアフリカ、内戦状態のシエラレオネを舞台に『紛争ダイヤモンド』の問題を取り上げています。
『紛争ダイヤモンド』とは、近年のアフリカでの紛争において違法取引によって軍事勢力の資金源となっているダイヤのことです。また、ダイヤは武器購入の資金源となっているだけでなく、採鉱や貿易を巡る利権そのものが紛争の原因となっています(映画でもほのめかされていました)。

このように重いメッセージ性を含みながらも冒険アクションとして、充分に見応えがある作品になっていました。
ディカプリオが演じるダイヤの密輸人を完全な悪役にしなかったのは、娯楽を重視するハリウッドらしい甘さともいえますが、娯楽性が高いことはこの作品にとってむしろプラスなのだと思います。
なぜなら、メッセージを伝えたい層は「婚約指輪に給料3ヶ月分のダイヤが欲しい」という普通のアメリカ人(および先進諸国の人々)なのですから。
世界に目を向けるには、普段から問題意識を持っていないとなかなか難しいですからね。
問題意識を持っていなかった人々にも、アフリカの紛争について考えさせるいい作品だと思います。

紛争ダイヤモンドについては2003年にキンバリープロセス認証制度という、ダイヤモンドの国際認証制度ができまして、紛争に関わりのない原石ダイヤモンドに証明書を発行することになりました。ただ、まだ制度に脆弱性があるようで紛争ダイヤモンドの混入を防ぎきれない部分があるようです。(アムネスティの紛争ダイヤモンド・アクションより)

なお、この映画ではバカでかいピンクダイヤモンドが主役なので、庶民には関係のない話のように思うかもしれません。
しかし、現在も内戦状態にあるコンゴ民主共和国は、ダイヤ以外にも金や銅、コバルト、タンタルなど希少金属の宝庫であり、これらが内戦の長期化を招いているとの指摘があります。
特にタンタル(Ta)はノートパソコンや携帯電話などの超小型コンデンサーに欠かせない素材であり、まさしく私たちの生活に直結した問題となっています。

私たちの身の回りの品が、どのような産地で生産され、そこで人々はどのような生活をしているのか、私たちは全く知らなくても別に困ることはありません。
しかし、グローバル化は、望むと望まざるとに関わらず私たちの生活を世界に結びつけました。
私たちの指先が、知らないうちにアフリカの紛争や貧困に加担している可能性もあるのです。
まずは「知ること」が大切なのです

道徳によって国が動かされるということ

2007-05-03 02:09:22 | 雑記
既にあちこちで語られているんで、今さら私ごときが何か書いても仕方ないかと思ったんですが、やはり、なかなかのインパクトだったんで、自分のメモとして言及しておこうと思いました。

教育再生会議:親向けに「親学」提言 母乳、芸術鑑賞など(毎日インタラクティブ)
具体的な提言としては以下の11項目
◇「親学」提言のポイント
(1)子守歌を聞かせ、母乳で育児
(2)授乳中はテレビをつけない。5歳から子どもにテレビ、ビデオを長時間見せない
(3)早寝早起き朝ごはんの励行
(4)PTAに父親も参加。子どもと対話し教科書にも目を通す
(5)インターネットや携帯電話で有害サイトへの接続を制限する「フィルタリング」の実施
(6)企業は授乳休憩で母親を守る
(7)親子でテレビではなく演劇などの芸術を鑑賞
(8)乳幼児健診などに合わせて自治体が「親学」講座を実施
(9)遊び場確保に道路を一時開放
(10)幼児段階であいさつなど基本の徳目、思春期前までに社会性を持つ徳目を習得させる
(11)思春期からは自尊心が低下しないよう努める

各項目のバカバカしさは、もう何も言う気にならんのですが。

それにしても、委員が認識しているこの国の教育の問題点は「母親が母乳をあげないこと」だなんて言うつもりなんでしょうかね?
理想を言えば、政策立案にあたっては現状の分析と問題の把握が必要だと思うのですが、議事録で各委員の発言を見る限り、各々が勝手に「自分が問題だと思うこと」を述べているにすぎないんですわ。
それも、現状分析ではなく自分の見聞やワイドショーのニュースに脊髄反射したような「問題意識」だったり。
そもそも、委員の間で「教育問題」や「教育行政」について共有した認識があるのかどうかすら怪しい。
だから、現実と乖離したワイドショーのコメンテーターの発言のような提言になっちまうのだろう、と。

この提言自体は、結局、毒にも薬にもならんだろうと思っています。
所詮、有識者会議などというものは議論を尽くしたと国民にアピールするためのアリバイにすぎないものですし。
しかし、底流に流れる雰囲気、といいますかニオイはなかなか侮れない。これは安倍政権を担う人々に共通するものなのですけれど。

それは国民に対する強烈な不信感と自分たちに対する選民意識なんですよ。
教育が荒廃したのは、力量のない教師がはびこるからだ、子どもを顧みない親のせいだ(「我々」のせいではない)。
現状はどうなのか、社会環境はどうなのか、行政は何をしてきたのか、そもそも教育は本当に荒廃しているのか、この人たちにとってそんなこたぁどうでもいいんです。
大切なのは、「我々」が国民を導くこと。※1
だから、政策が限りなく「道徳」に近づいてゆく。どんなに現実と乖離していても、です。

「道徳」によって政策が左右されるということは、現実と政策または法律が乖離したときに、現実に生きている人々の幸せよりも「道徳」が優先されるということなんですね。
それがどんな結果をもたらすかと言えば、先日の「民法772条=300日問題」(離婚後300日以内に生まれた子は前夫の子と推定規定を見直すという問題)が、よりによって法相が持ち出した「貞操観念」でつぶされてしまったことでも明らかでしょう。※2
「道徳」はイデオロギーと言い換えられるのですがね。

ついでに言うのなら、「人権メタボリック症候群」発言は伊吹文科大臣によるものでしたわね。
この人にとって人権は義務を果たさなきゃ与えられないものらしい。※3
で、この義務ってぇのは、「我々」の導きに従って粛々と行動すること、なんでしょうか。

で、もって、「道徳」と「法律」の区別のつかない法相や「人権」を義務の対価であるかのような発言をする文科相のいる政権が、今、最高法規である憲法をいじろうとしているんですよ。
たちの悪いブラックジョークにしか思えんのですが。

※1)安倍政権における「我々」と「彼ら」という認識についてはこちらのブログ(Dead letter Blog)のエントリに詳しい。
http://deadletter.hmc5.com/blog/archives/000091.html(一つのアンチノミー)
http://deadletter.hmc5.com/blog/archives/000106.html(「我々」と「彼ら」のポリティクス)

※2)この問題で与党プロジェクトチームの一員であった自民党早川議員のブログ
安倍総理には、女性の生活再建支援のために、女性のみに課せられている再婚禁止法制の見直しに取り組むというメッセージをそろそろ出していただきたい。
何の罪科もない子供達にささやかな救いの手を差し延べていただきたい。
(中略)
前夫との離婚調停や裁判が起こせないような状況にある女性や、生まれた子供に対して、何故暖かい支援の手を差し延べることを拒否するのか。私には全く納得できない。

とあったが、全く同意である。

※3)人権とは基本的人権または自然権ともいい、人が本来持っている絶対的な権利である、っていうの学校で習いますよねぇ。
ものすごーく簡単に言うと、人は生まれながらに自由で幸せに生きる権利を持っていて、それが制限されるのは他の人の自由や幸せを奪う場合だけなんだよー、ってこと。
世界人権宣言の谷川俊太郎訳があったので参考までに
(http://www.amnesty.or.jp/modules/wfsection/article.php?articleid=694)
こちらも参考になりました。
情報学ブログ(http://informatics.cocolog-nifty.com/blog/2007/02/post_1fa0.html)