みちくさをしながら

いろいろあって、生活を見直している日々。

『ズートピア』見たぜ!

2016-06-29 12:31:00 | 本・映画など
いや〜、面白かった。凄かった。ズートピア!

もう、これしか言いようがないくらいだし、今年のアカデミー賞長編アニメ部門はこれで決まりだぜ!って感じなんだけど。

まず何がすごいって、脚本に全く無駄がないんだよ。
上映時間1時間49分しかないのに、見事、これが。

ズートピアの世界感、人々…つうか動物たちがどういう生活をしているのか、何を考えているのかってえのが、もう最初の数分で綺麗に無駄なく示されていて思わず唸ったね。
そして、息抜き部分っつうか瑣末なエピソードと思っていたものの中に、とんでもなく重要なストーリー展開の鍵が潜んでいたりするんで、本当に一瞬たりとも目が離せない。
実は、私はこの映画2回見に行ったんだけど(こんなこと滅多にないんだけど)1回目は「えっ! これをこう使う!?」と驚きの連続だったし、2回目は「そうそう、これがああなるのよね…あっ! ここにも伏線があった!」となったんで、本当に油断できないっす。
無駄が無さ過ぎて、途中でオシッコしたくなってもトイレに立てないのが欠点といえば欠点だ(笑)

それに、ストーリーとしても見事なサスペンスになっていたし。
これ、ウサギとキツネじゃなくて普通に俳優が演じていても、ちゃんとサスペンス映画として成立したと思うんだよ。例えば「48時間」みたいな、さ。
ただ、動物ではなくて人で演じたらかなり重い印象になっただろうとは思う。子ども向けだからということではなくて、差別や偏見の問題を前面に出しながらもなお明るい画面作りは、やはり、動物のアニメーションでなければできなかった表現なんだろうなぁ、と思うんだよな。
特に、街の様子とかガゼルのコンサートとかさ、いろんな動物が本当に生き生きとしていてさ、多様であることはこんなにも豊かで楽しいんだ!ってメッセージが画面からひしひし伝わってくるよ。

そう、この映画のテーマは人種差別だよ。ジェンダー差別も入っているかな。
偏見がいかに子ども達の可能性を摘み取ってしまうのか、排外主義がいかに人々を分断し息苦しい社会に変えてしまうのかってことがとても明快に描かれている。
それでいて、文句なく楽しいエンターテーメント作品なんだからね。
これがどれだけ凄い作品かってことだよ。

ところで、もし続編が出るとしたら、ジュディとニックは恋人になるのかな?
そうしたら、「違う種族で結婚なんて!」「子どもができない結婚なんて認められない!」とか、LGBTの問題とリンクする話になりそうだな、とちょっと思った。

最後に、私は吹き替え版で見たんだけど、ニック役の森川さんがとても良かったなぁ。
ジュディ役の上戸彩さんもその素人っぽさがジュディのフレッシュさとして感じられて良かった。
吹き替え版じゃないのも見てみたかったけれど上映館が少なすぎた。これはDVDの発売を待たないとな。