みちくさをしながら

いろいろあって、生活を見直している日々。

本当に保護者の責任なのか

2007-07-07 02:47:32 | 雑記
<浴槽用浮輪>バランス崩し、乳児おぼれる 死亡や重体も(毎日新聞)

この記事に対し、あちこちのブログで親の不注意を責める記述が見受けられます。
要約すると「確実に安全なものはないのだから、親が注意するべきだ。入浴中に目を離すなんてとんでもない」ということになりますか。

しかし、本当にこれは親の不注意によるものなんでしょうか?

むしろ、こういう商品を購入した親たちは、入浴中に目を離すなんてとんでもないと思っていたからこそ<浴槽用浮き輪>を利用しようと考えたのではないでしょうか。

立つこともおぼつかないくせに好奇心はイッパイの幼児を親が1人で入浴させるのは本当に大変なことです。
自分の体だってろくに洗えないし、年の離れていない兄弟なんかがいたらそっちだって目が離せない。
だからこそ、<浴槽用浮き輪>が「安心して一瞬目を離せるように」というニーズに応える商品として求められたのではないですかね。

ニーズがそこにあることは、メーカーだってわかっていたはずだろうと思います。
なのに、メーカーは幼児が動くことを考慮して安全性を確保していなかった。
国民生活センターの検証では
乳幼児のダミー人形を用いた検証では、浮き輪のパンツ部にしっかり乗せ、静かに浮かんでいれば、転覆・転落することはなかった。しかし、乳幼児の身体がしっかりシート部に納まっていないで身を乗り出したような場合や、浴槽の水量が不足気味で乳幼児の足が底につくような場合には、重心が高くなり、後ろにバランスを崩すと転覆・転落する可能性があることが分かった。

もし、転覆事故が想定外だったのだとしたら、「幼児が浮き輪のパンツ部にしっかり座って、静かに浮かんでいる」状態しか想定せずに商品化した可能性が高いと言えましょう。
だとすれば、これは保護者の責任というより商品の安全性に問題があった(ニーズに応じた安全設計がなされていなかった)ということではないでしょうか。
そして、これらの商品には
6種類とも、日本玩具協会の安全基準に達したことを示すSTマークが付き、安定性や安全性を強調する記載もあった。(毎日新聞)
商品には裏面に注意表示があるが、その内容は一般的なものであり、浴槽における転覆、溺水の危険性は伝わらない。(国民生活センター)

メーカーには製品の安全性を確保、または、注意喚起をする責任があったのにそれを怠った、と言われても仕方のないケースであると思います。


なんだか、最近は何でも個人の責任を言い立てるのが正義と考えているような主張が多くて、ちょっと憂鬱。

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4 コメント

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親の不注意… (朱那)
2007-07-07 09:25:07
ニュースは知ってましたが、親の不注意を責める反応が出ているとは。
みんな、子育てのことを知らなさすぎですよ。
なんとなく大変そうだなとは思いつつ、でも誰でもやってることなんだからと、曖昧に流されがち。
私は入浴用浮き輪は使ったことありませんが、友人は使ってましたし、結構ニーズはあったのでは。
そもそも幼児は思いもしない事故やら怪我やらぴったりくっついててもやってしまうんですから、親を責めてやるなと言ってあげたいですね。
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Unknown (きのせんせい)
2007-07-07 10:07:11
ブログとかmixiの日記とかで
ニュースを取り扱ってるのを見てると
なんか事情を知らないくせに無責任に書いてるなー、って人
結構多いんですよね…。

以前養護学校で学校の不適切な指導が原因で
子どもが目を叩く自傷行為がひどくなって失明した事件でも
自傷行為をネットでよく見るなんちゃってメンヘラーのリスカ程度のことと勝手に思い込んで
(そのリスカにしても深刻な人はひどいんでしょうけど)
訴訟している親を叩く人続出でしたからのう…。

ブログなんか書き始めて
ニュースを取り扱ったりするとちょっと大人になった気分で
批判してる俺かっこいい~、とか思ってるんですかね。

そういやうちも小僧が小さかった頃は
一人で小僧を風呂に入れるのが怖くて
300kmぐらい離れた場所に車で出張に行ってる旦那に
無理やり日帰りしてもらって風呂に入れるのを手伝ってもらってたなあ…。
あと、一人で小僧を風呂に入れてて小僧がおぼれかけたこともあるし。
今にして思えば一日ぐらい風呂に入らなくても人間死にゃあしなかったでしょうが。
浴槽用浮き輪を売ってたら、そんなに高くなければ買ってたと思いますよー。

っと、長々と失礼しました。
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>朱那さん (くりず)
2007-07-09 18:52:54
ほんっっっっと、みんな子育てを甘く見ていますよねー。

毎日新聞社から出ていた「ああ息子」という読者投稿を集めた本があるんですけれど、それに看護婦さんからのこんな投稿がありました。
曰く、子どもの怪我で受診した親に「気をつけていれば避けられた事故ですよ」と説教していたそうなんですが、いざ、自分に子どもが出来てみたら、「24時間気をつけていることは不可能です。あのとき説教したお母さんたち、ごめんなさい」…だそうです。

いや~~、そうなんですよね~~~。
みんな気をつけているんですよ~~~。
それでも、ハッとしたりヒヤリとしたりすることはあるんですよ~~。

リスク回避の手段として、人間は過ちを犯すことを前提に機器を設計する、考え方は主流になっていると思っていたんですがね。
玩具なども、今では乾電池ケースにねじを付けて簡単に開かないようになっているものがほとんどですし。

なぜか、家庭内の事故だと、こういう合理的な発想ではなく、「親の不注意」という精神論がまかり通ってしまうのか不思議に思います。
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>きのせんせい (くりず)
2007-07-09 19:19:43
うんうん、結構問題の多いカキコミは多いですよね~。
事情もわからず、基本的知識もないのに、ネットの情報のみでここまで書くかっていうのが(苦笑)
まだ、感想ならいいのだけど、事実誤認の情報を垂れ流して、しかも、また別の人がコピペみたいな形でそれを広げていく。

ブログは気軽に意見を発信できるけれど、それに対して自分はどこまで責任を取れるのでしょうかね。

ところで、養護学校の件は不勉強で知りませんでした。
ちょっとググったら、なるほど、こういう話か、と。
で、話は変わってしまうのですけれど、怖い想像をしてしまいまして。

2年後に裁判員制度が始まりますよね~。
司法に一般市民の常識を反映させるとか何とかいう…。
で、精神鑑定が必要な事件もいっぱいありますよね。
でも、普通の人って、精神疾患に対する知識どころか、精神障害も発達障害も知的障害も「同じ」なんですよね。
そういう人たちの「常識」が裁判に反映された時、いったい、どうなってしまうんだろう。

つうか、私自身、裁判員に選ばれたらつとめられる自信ありません。

きのせんせい、ごめんね、話題が違っちゃった。
あ、ウチは今でもダンナと協力プレイでおチビをお風呂に入れてますよー。
就寝時間が遅くなるのはやむを得ん、と思ってます~。
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