うわ―――――――――――――
―――――――――――――――
――――――――――――――ん
しくしく しくしく
え――――――――――――――
―――――――――――――――
――――――――――――――ん
しくしく しくしく
僕にくっついていて
君の温もりが好きだから
僕のひざの上においで
君の重さを感じたいから
顔は無表情
こころはカラッポ
手の平にしわは無く
瞳には無数の傷
涙は枯れて笑い顔
滴り落ちる汗の皮膚
表情を覆う過去の仮面
未来を墜落する唇
優しさの不完
ついばまれるリンゴ
リンゴに群がる虫
冷たい空気
空を覆う灰の雲
タバコの吸殻
一本の砂利道
鈴虫の音
日の暮れかける手前
お墓
君は僕の何を受け入れたのか
僕の体は冷えている
君の体も冷えている
僕は君を崩壊させた
淡さも深さも絶望して
僕は君の手を離す