あ―――――――――――――――
――――――――――――――――
――――――――――――――――
――――――――――――――――
――――――――――――――――
――――――――――――――――
――――――――――――――――
目の前を通り過ぎていく黒の残像によって
老いも若さもかなぐり捨てて
暑さも寒さも置き去りにして
奇想天外の変身が始まる
身に付けていたあらゆるものは
変化していき
慣れるために時が必要で
ぎこちない動きが自らの存在を誇張するが
果たして存在することに意味はあるのか
矮小な存在である自分自身
生まれた時から
いや
生まれる前から位置づけられた
ひ弱で打算なDNAは
善であり悪であり
正義であり罪であり
過ちであり苦しみであり
考えだされる意味は不安定の答えを選び
目まぐるしく回っている
日は昇り また沈み
そんな中で手にしていく新しいものと残骸を
つなぎ止めては破り捨て
いずれくる変貌へと進んでいく
疑問?
疑問が疑問でなくなり
疑問自身が答えとなる
この空間
身にまとうこの空間は遊び疲れた子供の頃
子供の持つ無邪気さで
たくさんのシールを貼った空間
望みを空に放り投げ
いつ降ってくるのかと待ちぼうけした
何故?
こんなに脆いなら意味はないのさ
奇想天外の変身は
当たり前のように繰り返した
こわくなんかないさ
空には星さ
大地には花さ
変身は意味?
意味を失くしてもさ
立っている
見て 触れて
聞き 食べ
嗅ぎ 感じる
確かにそこにある何かを自分の中に取り込み
眠っていた感覚を覚まさせてあげる
起き上がる感覚は個としての生き方を強くさせ
大地から大空へ
足の先から頭のてっぺんへと
徐々に力に満ちた風が舞い上がってくる
舞う風は渦となり
幾つもの扉を開け放っていく
突き動かされる感情の波
治まることを望みながら
それでも鼓動は大きく速く叩かれる
激情の風景が目の前に広がる
穏やかな景色
激情の中にありながらも只ある
凛とした
それでいて少し儚げで
緩やかな風が前から後ろへと流れ
全身を優しく撫でてくれる
ともすれば宙をかろく浮いたり
危うく引き込まれそうになったり
経験と直感が飛び出てくる
何かは確かにここにある
己の魂に問い掛け
自然と映り込む風景
瞬間の忘れな場面は一瞬にして通り過ぎ
忘却の人でも掴み取ろうと
細胞で包もうとする
色あせる? そんなことない
情熱の炎で作り上げていくものは
時と共に色あせることはなく
夢中で向かい合う魂の揺らめきに
そのものは呼吸の間隔を刻んでいく
誰のため? 分からない?
感情を両頬いっぱいに頬張り
手ですくった透き通りの水で流し込んで
研ぎ澄まされた感覚が
一人勝手に動きだす
想像と映り込む現実を程好く空間におさめ
自らの中にある無名の魂を注ぎ入れ
きらめきは創り込まれる
与えられ 与え
何かは必ず生まれていく
行く通りもの言葉を並べて
語る愛
幾つもの文字から幾つもの言葉を選び
幾つもの言葉から幾つもの文章を作り
幾つもの文章から幾つもの世界観を紡ぎ
幾つものくすぶりから幾つもの詩が生まれる
想像 あり方が時代の風に運ばれて
好奇心によって育まれる
実体験 貫き通した行動は完熟しては腐り落ち
身に付いている体験は個人である
自然 日は昇り また沈み
雄大な厳粛な大地の偉大さ儚さ
光の移ろうきらびやかな水
触れられながら緑 褐色のざわめき
触れられながら大気の遠さ
そしてまた夜
人間愛 多くを語り 自らを見詰め
意味を学び 真実を探求し
家族の生活 出会い別れ
人としての多くを知る
まるで違う価値観だとしても
それは一つの愛かもしれない
くびれた詩人は言の葉を頼りに形を綴っていく
目鼻口耳触
五感を形として
かろやく指が自然と動き出す
繊細に
光りをさわる
通りふれ
過ぎ去っていく
出逢う日までを