「安心毛布」
川上未映子 著
エッセーたち。
ふと思うことがある。
ふと感じることがある。
ふとよぎることがある。
それは過去たち。
そして私のなかにある本たち。
ものたかり。
子供のころの場面が唐突に思いだされ、
読んだ本に心のひだを、
ちょんとさわられている。
うん、過去たちにもさわられている。
共有した本たちは夕焼けになる。
川上未映子のエッセー文は奔放だった。
その奔放が白にちょっとずつ色を足していく。
経験がともないまた生まれて思考する。
なじんでいく理念と横に置いたライナスの毛布。
ある日と手をつないでみる。
春が来て。
クロッカスが芽吹いている。
虜にしそうなのは二つあった
見開いた黒目には
真実と嘘
嘘と裸
雌雄の瞳は包み込むことだろう
貫く胸としっとり顔は
虜
温もり
青の青
淡い青緑
透き通りの青
まっさらになる夢の青
青すぎる青は中心から湧き出ている
この青は愛は語ってくれるの?
恋は語っているみたい
神様からの贈り物の青
この色のような青になりたい
あおく
きれい
青く綺麗な
「趣味はなんですか?」
高橋秀美 著
さて趣味とはなんだろうか。
ここから始めようか。
そんな本だ。
ひとそれぞれに好きなものがあり、
好きなもの、いや
それすらも危ぶむ趣味の嗜好。
それを突き詰める行為。
生きるということの間に必然とある、
これは趣味?
たとえば書きたとえば読みたとえば歩き
たとえば描きたとえば恋をした
空は見詰め、大地をさわり、空間を抱く。
鉄道に、航空無線、蕎麦にヨガ、切手、エコに
防災にカメ、ゲーム、ラジコン、ガーデニングに
登山等々とより取り見取りのわたくしたち。
ヨガは性のカタチに依る。
カタチはまた美しく瞬く。
ぼくのカタチはなにになる。