楢篠賢司の『人間とは』

人間とは何かを研究しています。現在は経済学を自分のものにしたいと目下勉強中です。

日本とギリシャとは違う

2010-07-30 14:10:59 | Weblog
 今朝のニュースで借金大国(国債1111兆円)に日本とギリシャを重ね合わせて消費税論議が必要だと報道していたが、そんなことはありえないということで一言。

 日本がなぜデフレに陥っているのか。そのことを一言で言うならば、円高の影響と言うことになる。円高になる原因は後で述べるが。

 円高になったことによって日本国内では製品の製造ができなくなり、国内の製造業が海外に出てしまうことのなる。当然この先、円高がより進行すれば国内で物を作ることが現在よりできなくなり、大量のリストラが未来に待っていることになる。つまり失業者の増大ということだ。

 そのような状況、先行き不安の中で人々はお金を使うことができなくなってしまった。いうなればこの先生きていくためには節約していくことが必要なことだと言える。

 そこで日本がギリシャと同じように債務超過に陥った場合、日本国債が売られ日本はギリシャと同じようにハイパーインフレが待っているのだろうか。絶対にそんなことはありえないといえる。

 日本国債が売られる段階では、確実に日本円は値下がりするはずである。現在の87円を割っている段階からとうぜんのこと100円さらには150円という円安方向に入るはずである。このことがギリシャと違うことになる。

 とうぜんのこと円安になれば海外に出て行った企業が国内に戻り、また国内の農業、畜産・漁業等も輸入品に負けない価格で勝負できるはずである。

 もし仮に1ドル120円ぐらいの円安に進めば、国内の経済は活況を呈することになる。そこで経済が円滑に動けば税収(法人税、所得税)も上がり消費税を上げる必要も無いと考えるが。

 なぜ円高になってしまうのか。それは国内の一部企業が輸出で稼ぎすぎているからではないか。日本の貿易収支がいつも黒字だから海外では日本円は強いと思われているのだろう。

 国内で国債発行残高が多すぎるということで一部の経済通が騒いでいるが、日本円を買っている外国人にはおかしな話と映っているのではないか。日本ではインフレの前にまず円安という段階が来るはずである。時間差を置いて輸入物価は上がっていくだろうが、その時間差の中で国内で物が作れるはずであり、空洞化は日本では考えられないと思っている。

 むしろ国債残高云々で騒いでいる経済通は消費税を上げさせたいための演出ではないのだろうかと考えてしまう。

 最後に今後円安に向かう要素として日本の企業が海外勢に技術を売るかたちの輸出に負けてきたことではないか。(注1)中国の新幹線しかり、(注2)韓国の原子炉しかりというような負けることによって円安に進んでいく。負けることが庶民の生活にプラスに働くと考える。

 日本だけが技術大国ではありえない時代に来ているようだ。

注1http://japanese.donga.com/srv/service.php3?biid=2010033163978韓国の原子炉輸出

注2http://www2.explore.ne.jp/news/articles/14736.html?r=sh 中国の新幹線