楢篠賢司の『人間とは』

人間とは何かを研究しています。現在は経済学を自分のものにしたいと目下勉強中です。

国債は人間の欲望が作り出したもの Ⅲ

2011-02-12 11:26:20 | Weblog

  国債は市中から貨幣が不足し、一部の人を除いて、その他の多数の人たちに行き渡らなくなったとき、その状態を不況と言う言葉で表現できるとき、政策的に経済を活性化させようとして発行すると言うことができる。

 では何ゆえに市中から貨幣が不足してしまうのか、不足しなければ新たな国債を発行しなくてもいいはずだと言える。発行するときの市中の状態は一言で言えば『格差の発生』という状態になっている。

 つまり格差の発生が国債の増発の原因になっているといっても過言ではない。
格差の発生、それは貨幣所持の偏りに他ならない。

 以下に貨幣所持の偏りといえる私独断の事例として引用してみよう。

世界四季報 http://4ki4.cocolog-nifty.com/blog/ より引用
2009年ヘッジファンドランキング http://4ki4.cocolog-nifty.com/blog/2010/05/2009-41de.html


世界ヘッジファンドマネジャー報酬ランキング
順位 マネジャー ヘッジファンド 報酬
1 デビッド・テッパー アパルーサ・マネジメント 40.00 億ドル
2 ジョージ・ソロス ソロス・ファンドマネジメント 33.00 億ドル
3 ジャームズ・シモンズ ルネサンス・テクノロジーズ 25.00 億ドル
4 ジョン・ポールソン ポールソン&カンパニー 23.00 億ドル
5 スティーブ・コーエン SACキャピタル 14.00 億ドル
6 カール・アイカーン アイカーン・キャピタル 13.00 億ドル
6 エドワード・ランパート ESLインベストメンツ 13.00 億ドル
8 ケネス・グリフィン シタデル・インベストメント 9.00 億ドル
8 ジョン・アーノルド ケンタウルス・エナジー 9.00 億ドル
10 フィリップ・ファルコン ハービンガー・キャピタル 8.25 億ドル
ヘッジファンドマネージャー資産ランキング  http://4ki4.cocolog-nifty.com/blog/2009/10/post-ff3b.html

順位 名前 年齢 資産 居住地
15 ジョージ・ソロス 79歳 130億ドル Westchester
29 ジェームズ・シモンズ
71歳 85億ドル East Setauket
33 ジョン・ポールソン
53歳 68億ドル New York
36 スティーブ・コーエン 53歳 64億ドル Greenwich
65 レイ・ダリオ 60歳 40億ドル Greenwich
85 スタンレー・ドラッケンミラー 56歳 35億ドル Pittsburgh
85 ブルース・コフナー 64歳 35億ドル New York
91 ジョン・アーノルド
35歳 34億ドル Houston
97 デービッド・テッパー 52歳 30億ドル Milburn
110 ポール・チューダー・ジョーンズ 55歳 29億ドル Greenwich
113 ダニエル・オク 48歳 28億ドル New York
123 D.E.ショー 58歳 25億ドル New York
147 ジュリアン・ロバートソンJr. 77歳 22億ドル New York
158 フィリップ・ファルコン 46歳 20億ドル New York
158 ケネス・グリフィン 41歳 20億ドル Chicago
204 イスラエル・イングランダー 61歳 17億ドル New York
236 ラジ・ラジャラトナム 52歳 15億ドル New York
236 ルイス・ベーコン 51歳 15億ドル London
236 ステファン・マンデル 53歳 15億ドル Greenwich
289 マーク・ラズリー 49歳 13.5億ドル New York
296 リチャード・チルトン 51歳 13億ドル Darien
296 グレン・デュビン 52歳 13億ドル New York
326 ジェームズ・ディナン 50歳 12億ドル New York
341 レオン・クーパーマン 66歳 11.5億ドル Short Hills
347 ヘンリー・スウィーカ 52歳 11億ドル New York
※The 400 Richest Americans 2009(Forbes)
※Absolute Return+Alpha's(アブソリュート・リターン・プラス・アルファ)

 私が考えるには貨幣所持の偏りから市中では貨幣不足を起こし、経済的に不況と言う状態を作り出していく、その状態を逃げ出すため国債を発行して経済を活性化させようとする。だがしかし市中の貨幣不足は解消されることは無く、発行された貨幣はより貨幣所持の偏りを増長させてしまう。この状態が続けば市民の力がエジプトの大統領を追い落としたように世界的な政情不安を引き起こすのではないかと考える。

 そこで言えることは貨幣に交換機能を主体とした役割を持たせ、保存機能の制限を最小限にすることしかないものと言える。

 貨幣の保存機能、その中には老後の蓄えとして預金をしとかなくてはならないという不安からの、経済的弱者が存在する現在の社会を、福祉という面から弱者なり老後の心配がない社会にしなければならない。
 老後の心配を喧伝している人は貨幣の偏りを容認し、そのことによって莫大な利益を得ている人に他ならないのではないだろうか。

 現在の社会では国債負担は国民全体で責任を負うことになっている。国債発行の最初期、市中の貨幣が不足したことから、人間は考えもなく、また後先のことも考えず簡単に国債という方法を選んでしまった。最初期発行した時点で流通貨幣不足があったということからの発行であり、次からはより負担が増大していくことを考えなかったのか。

 まだまだ私の考察にはいたらないことが多々あると言えます。これからも考察を続けていくつもりです。


 中国旅行から、万里の長城







国債は人間の欲望が作り出したもの Ⅱ

2011-02-11 09:46:25 | Weblog
  私が何度も書いていることですが、改めてまた…

  貨幣とは何かの理論がないまま、貨幣の発生から現代社会まで貨幣を使用してきた歴史、その歴史の中で通常流通させている貨幣だけでは不足する事態が発生した。その結果考え出されたのが国債という手段だと考えられる。

  そこで不足する事態とは何かということになると。貨幣の役割とは本来は交換機能からの出発であったはずだ、ただそこには人間の欲望を増長させる保存機能という別の機能も付随していた。

 そこで保存機能の初期の段階とは何なのかということになると、それはカネにカネを生ませる行為、金利という考えからの出発であったといえる。

 金利とは数字上の貨幣であり、市中に流通している貨幣を大きく膨らませていく。それはカネにカネを生ませていく分だけ、偏った貨幣所持を許すことになる。貨幣の役割として労働と労働の交換財である「A・Eの関係」だけで考えるとしたなら、やがて偏った貨幣所持の分だけ貨幣は市中から不足していくことになる。(注1)

 偏った貨幣所持、それは最初期の手段としては金利という考え方及び、その実行であっただろうが、その考え、及び行為は、時代と共に人間のあくなき欲望のまま大きく変化をしていくことになる。その根本にあるのはカネにカネを生ませる行為に対しブレーキをかけることをしなかったという、今までの歴史が示すとおりだ。

 2月9日朝日の朝刊にこのような記事があった。

 G20農相協議へ
「物不足が投機によって悪化している。ルールが必要だ」
先月、スイスで開催された世界経済フォーラムの年次総会(ダボス会議)。G20議長国のサルコジ仏大統領はこう訴え、食料市場への投機資金の流入に何らかの規制が必要だとの考えを強調した。
世界の食料取引価格で指標とされるシカゴ市場の先物価格は、大豆、トウモロコシといった主要穀物の価格が昨年夏ごろから上昇している。その一つの要因と見られるのが投機資金の流入だ。
昨年11月から投機資金の買い付け額が急上昇を始め、それまで多くても50億㌦程度だった買い付け残高が一気に150㌦を超えた。米連邦準備制度理事会が(FRB)が大規模な追加金融緩和に踏み切って以降だ。引用終わり 

金融緩和それは偏った貨幣所持を増幅させることに他ならない。

だが国債を発行した段階から通常発行している貨幣だけでは不足するという事態は、やがては保存機能を目的とした国債という怪物に資本主義経済は飲み込まれてしまうはずといえる。なぜなら最初期市中に流通している貨幣では足りず、原因を究明しないまま経済を円滑に動かすという一点から、国債を発行してしまったことは、その償還、利払いから数字上の貨幣を増大させる。

貨幣の役割として労働と労働の交換財である「A・Eの関係」だけで考えるとしたなら保存機能の野放しは、やがては資本主義の崩壊を招くことになるといえるのではないだろうか。

これからの時代民主化の流れが世界全体に波及し、やがてはカネにカネを生ませる行為としての貨幣が持つ保存機能の規制に結びついていかなくてはならないと思う。

注1 貨幣は交換から外れると最終的に銀行に集まっていく。たとえ金に投資をしても金と貨幣の交換にしかすぎず、金を売るものと貨幣を出すものという二者しか存在しない。金を売ったものは貨幣をその手中に収め、彼が銀行に預金しないかぎり、物を購入する資金として交換に回すことになる。このことは株の売買でもいえることであり、先物で原油・穀物等に投資したとしても、その貨幣が銀行に留まらない限り何回でもカネがカネを生ませる行為へと繰り返されていく。そして最終的回答は現在では食料高騰へと繋がっていくことになる。

 

 八重山諸島観光