楢篠賢司の『人間とは』

人間とは何かを研究しています。現在は経済学を自分のものにしたいと目下勉強中です。

TPP(環太平洋戦略的経済連携協定)参加は日本にとってより大きな格差を生み出すのでは。

2011-10-28 06:33:54 | Weblog


 最近になって大きく騒がれてきたTPP。日本にとって参加するか否かで大きく揺れている。私は今まで関心はあまりなかったが、そしてこの問題では素人の領域を出ていないと自負しているが。

 昨日ニュースの中でTPPの推進派である繊維メーカーの相談役が関税が下がるとイタリアとの競争に勝てるという話をしていた。その中で関税が5パーセント下がることが大きなメリットになるという。しかしその繊維メーカーはその生産を国内の円高対策として、品質は落とさない形で海外に生産をさせ日本ブランドで世界へ販売しているという。つまり日本人には仕事をさせないで外国人に仕事を与えていることになるようだ。

 このところの円高で、または今までの円高から多くの企業がこの日本から海外に拠点を移していった。つまり日本国内の製造業の空洞化が円高の結果として多きく進行してきたことになる。

 TPPによる関税の引き下げ。それ以上の円高。それはアメリカのドル安であり、EUのユーロ安である。5パーセントの関税引き下げよりも円高、ドル安、ユーロ安のほうがはるかに大きく日本に危機をもたらすのではないか。その中で農業はTPPに加入することによって大規模化している農業は生き残れるがその他の農業は生き残れなくなる。

 今現在進んでいるこれらのことは、国民が受け取る所得の格差を増大させてしまう。
 世界的に所得格差が進んでいる状況から、やがては格差反対の声が世界中に拡大し大きなデモを誘発し,それが新しい人間社会への突破口になるような予感がする。そのことが唯一の慰めかも知れない。

 最後に日本はTPPに入るべきではないのでは。格差が縮小するのであれば別ですが。素人の感慨でした…

ギリシャ問題を考える ~格差

2011-10-18 06:40:46 | Weblog

 前回の続きを書いてみたい。前に二つの方法があると書いたが、一つは物を買う方法であり、あとの一つは買わせるための貸付となる。銀行及び投資家が庶民に資金(マネー)を貸付け物を買わせる。この場合ドイツ、フランスと違い生産性の低さから生産性の高い国から物を買うことになる。そこで考えられるのはある意味欺いてギリシャ国民に物を買わせたということにならないだろうか。今まで夢であったドイツ製の高級車、そしてフランス製のブランド物、それらがユーロ圏に加入したことにより簡単に手に入るようになった。しかしそこには最初の課題が、如何にユーロ圏の人たちにユーロという通貨を持たせるかということに他ならない。

 大量生産した商品を買ってもらうことによって両者の思惑が一致する。一つはユーロ圏に通貨を行き渡らせることであり、もう一つは生産性が高く大量に造りだすことができる工業製品の販売、そこで利を得ていた国及び人たちがいる。
 
 過去の時代の国王が持っていた通貨発行益。それは国王自身が国民に物を作らせ、それを国王の発行した貨幣で国王自身のための消費にあてた。だがそこには発行した通貨を行き渡らせることによって、庶民がその通貨を使い労働と労働の交換を促すという利点もあった。それは国王自身が発行した通貨で、自身も物(宮殿等を造らせ高価な装飾品を購入)を買い、そして庶民の間に行き渡るまでは国民にも喜んでもらえた、ただ最後には自身の物欲にとらわれ行き渡っているにもかかわらず物を購入してしまった。
  
 だがそこには落とし穴があった。刷りすぎたために起こった労働価値以下になった貨幣。そこに待っていたのはインフレであり、経済的混乱であった。そのことで誰が悪いのか、経済的混乱から政治的混乱を招いた国王自身が責任を取らなければならなかった。
 
 結論から先に言えば、現在の通貨発行益は巧妙になっている。発行し、またそれに加担した者「銀行」そして一部の人間がそこで利益を得て、格差を作り出していく。さらに悪いことはインフレを起こさない方法を学習してしまった。つまり市中に充満した貨幣を吸い上げる方法を、それが国債の発行である。そこにはより多くの持てるものと持たざる者の格差がが発生していく。

 一部の者が蓄蔵という貨幣の機能を使い、より多くの貨幣を所有していく。過去の王であれば物を購入し、所有し幾ばくかの経済を動かしていた。だが現在の所有方法は物を購入するのではなくカネそのものを所有し、さらに現在の社会だから許されている方法、カネにカネを生ませる方法、税制を彼らの都合の良いやり方で作り出し莫大な富を築いていく。さらにヘッジファンドなる者も現れている。

 偏っていくカネの所有、そこには市中の労働と労働の交換に回るべきカネが不足し、デフレ現象が起き失業者が溢れていく。その原因が偏った所有にあることに眼をつぶり、偏った原因の元となったより多くの貨幣所持者からカネを市中に戻す方法として、さらに偏りの原因となる金利をつけた国債と交換させる。
  
 これではいくら経っても偏りはなくならないし、さらに拡大をしていくことになってしまう。

ギリシャ問題を考える (ユーロ圏問題)Ⅲ 

2011-10-12 04:51:23 | Weblog
 ここまで書いてきて気になることは、なぜここまで事態を放置し世界的に金融危機を叫ばせなくてはならなかったこと、単なるユーロ圏の統合に問題があったということだけでは済まされないと考える。どこに原因があるのか、そしてあったのかということを考えなくてはならない。

 そこで考えられることは財政赤字の元になった理由ではないかといえる。
単なるドイツ、フランスの人たちが働き者で、その他の赤字国が働き者ではないということだけで、国債を増刷し赤字になってしまったのが原因であるという風潮はもっともな理由となるのか。この先いくらユーロが変動為替相場制の中で値下がりしても問題は解決していくのだろうか。ということになる。

 そこで現在叫ばれているのは今の危機を日々煽りながらも、この問題の解決は長期にわたると言われている。それまでユーロという通貨は日本円に対し値下がりをしていく。日本はますます空洞化の道を歩まなくてはならないだろう。そしてなぜかそこには、貨幣を利用したマジックを感じてしまう。

 ギリシャ危機の最初の原因となった記事が朝日新聞10月10日の朝刊に載っていた。『低金利 重ねた借金』「ユーロの宴終わった」。それによると、だが記事が長いため、かいつまんで書いていきたい。

 2001年ユーロ通貨が流通しはじめると便乗値上げが起きた。交換レートは1ユーロ340ドラクマと決められたのに。多くの商店は100ドラクマだったものを1ユーロで売った。物価は総じて3倍になった感じだという。「楢篠 ここでなぜ3倍にしたのかの意味がつかめない」給料が一気に3倍になるはずはない。だが物価と給与の間を生めるものがあらわれた。
 低利のローンだ。インフレに苦しんだドラクマのころと違い、大国ドイツの後ろ盾があるユーロには信用があった。中略 ベンツやB M Wのディーラーが大通りに並んだ。家電店には最新の輸入品が現れた。ユーロ建てのローンで借りた国民は手が届かなかった輸入品をこぞって買い揃えた。中略 銀行も貸した。フランスのB N P パリバ、スペインのサンタンデール。スイスのU B S。大手銀がギリシャの顧客を奪いあった。融資の審査も甘めだった。
 ユーロの信用で、政府も低利で国債を発行して借金ができた。欧州連合(E U)からの補助金を元手にした公共事業が経済を押し上げた。高速道路が延び、空港は新しくなった。五輪の競技場が次々に建った。宴の陰で、国の財政も家計も借金が膨らんでいった。(以上は新聞記事より引用)

 これはまさにリーマンと同じではないかと考える。両者に問題となるのはお互いに自国(ユーロ圏ではユーロ)の通貨(紙幣)をいかに多く流通させるかという命題がある。このためには手段を選ばない。
 
 リーマン問題以前のアメリカでは機軸通貨(貿易決済)としてのドルを世界に渡さなくてはならない。紙幣は印刷機さえ回せばいくらでも刷れる。ただ流通させるには至難の業になる。多くの人(ここでは輸出入業者、もしくは国)に持ってもらうには紙切れといえども通貨である、物が買えることができる。多くの紙幣を流通させるためとはいえ「タダ」でやる訳にはいかない。ここで二つの方法がある、一つは相手から物を買う方法、リーマンの場合は中国・日本・世界中から物を買うことによって世界中にドル札を持ってもらうことができた。ただ世界から物を買うだけではそのはけ口が必要となる、そこでアメリカでは低利、もしくは低所得者にも審査を緩め、貸付をし住宅を建てさせることにした。やがて住宅バブルの発生となる。ここでは最初の出だしはいかに多くの紙幣を流通させるかということが重要な点となる。結果としてのバブル発生は織り込み済みといえるのではないか。

 最初の流通通貨が100とすれば200を流通させるには印刷した通貨を如何に流通させるか、ここに通貨発行益(シニョリッジ)が発生する。王権時代は王が印刷した紙幣で王自身の物を購入した。現代ではその通貨発行益が誰のものになっているのかを今後書いていきたい。




ギリシャ問題を考える(ユーロ圏問題)Ⅱ

2011-10-08 09:25:45 | Weblog
 ギリシャの元首相シミティス氏はともかく多くのギリシャ国民はユーロ圏からの離脱を欲していると考えるとそこで問題となることはなんだろうか、
 
 ギリシャの債務は(英エコノミスト誌 2011年6月25日号 によれば)3000億ユーロ、イタリア(債務残高1兆8000億ユーロ)とスペイン(債務残高6400億ユーロ)と他の国に比べてギリシャの債務残高は低い、それなのになぜギリシャが大きくクローズアップされるのか。そのことで考えてみるとギリシャよりも多くの債務を抱えているイタリア、スペインがまず問題となるのだが、現在はさし詰まったギリシャの債務不履行が問題となっている。そこにはなんとしてもユーロ圏を解体させたくないという思惑からギリシャをなんとしてもユーロ圏から離脱させないという考え方が支配していると考える。そこでの犠牲者はギリシャ国民ということになる。

 『欧州との結びつきを考え直すドイツ』
 2011年 9月 29日 21:33 JST 
http://jp.wsj.com/Economy/node_316316/(key)/6f356556f470a04efbd6acf1a0d321bd?reflink=Yahoo 以下は上記から抜粋引用

 ユーロ圏諸国にとっての大きな問題は、多くの一般ドイツ国民が共通通貨の具体的な利点を見いだせないと考えていることだ。世界的金融危機を脱して活気を取り戻したドイツ経済はいまや欧州経済の牽引役だが、その成長と生産性の向上は、政府給付金の削減や給与の抑制を伴ったものである。輸出や企業収益が好調な一方、平均的な国民の給与は数十年前から成長が止まっている。

 この引用の中で>世界的金融危機を脱して活気を取り戻したドイツ経済はいまや欧州経済の牽引役だが

 この世界的危機を脱して活気を取り戻したとあるが、これはユーロ安によってもたらされたのではないのか。もし単一通貨のドイツマルクであれば当然わが国(日本)と同じようにドル安マルク高になり日本と同じように産業の空洞化は免れないと思うのだが。当然ドイツ人の上に立つ者達はそのことを理解しているはずだと考え、なんとしてもユーロ圏を解体させはしないと強い決意を持っているようにみえる。

 ここに面白い記事があるのを紹介しよう」。これも朝日新聞「ニュースがわからん」という中の文章で

「ホ 借金が多いのは日本も米国も同じなのに。

「A 欧州は17の国が1つのお金ユーロを使っているから騒ぎになる。本来、その国の経済の調子が悪くなれば、お金の価値が下がり、他の国に安く輸出できて景気が上向く。ユーロは安くなっているが、もしギリシャが自分の国のお金を持っていたら何倍も安くなっていたよ」。

 まさにこのことはギリシャが自分の国のお金ドラクマを使わさせてもらえないということはユーロ圏としての統一が間違っていたことの証明ではないだろうか。なぜ間違っていたのか。

『ユーロ圏の解体がとてつもなく難しい理由』 jbpress.ismedia.jp

ユーロ圏の加盟国は、こんな買い物をしなければよかったという激しい後悔に見舞われている。多くの人は、20年近く前に購入し、1990年代終盤から2000年代にかけて組み立てた部品一式を分解したいと思っている。だが、分解はできず、欧州の協調構造全体と一緒に壊すしかない
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/23240?fb_comment_id=fbc_10150320237099430_18866624_10150321668529430#f27838182abec88(2011年9月21日付 英フィナンシャル・タイムズ紙)
 
 この記事の中で私もコメントを書いています。
 
 カイユ氏は正しい。そして今、2つの新たな要素が加わったと同氏は指摘する。1つ目は、ドイツの世論が中央銀行に背を向け始めたこと。2つ目は、オランダのマルク・ルッテ首相を含む多くの政治家が、強制的な離脱の可能性を口にしていることだ。  多分遅かれ早かれギリシャはユーロ圏から離脱する以外方法は無いのでは。私は遅かった離脱だと捉えています。早く離脱していればギリシャは為替の関係で通貨安にもっていける。そこから安くなったギリシャ観光が世界から多くの観光客を呼び込めます。現在のユーロ支払いでは観光客はギリシャに行くよりもフランス、イタリアその他の観光地に分散されてしまう。  逆にドイツはユーロ圏が解散すれば当然のごとくマルク高になっていき、貿易収支がマイナスに傾いていくはずだと考えます。現在はユーロ安によって生産が拡大しているはずです。つまり黒字国です。...

  この問題は通貨を理解しなかったために起こった問題であり。つまり一国一通貨ということの意味を理解しなかったために起こった問題です。  たとえれば日本という国は「円」という一国一通貨であり、北海道や沖縄が生産性が上がらなく赤字であれば、東京で稼いだお金が過疎地振興という形で公共投資等で経済の活性化が図られます。ですがユーロ圏という通貨は同一でも、国が違うことによって赤字国に貸付を行うだけです。それは国債の大量増刷という形であり、決してユーロ圏全体で東京が北海道を助けるように、赤字国を助けようということではありません。  結論はユーロ圏というものが間違えて発足したことであり。早い時期に解消すればよかったと考えます。それはギリシャの債務不履行の前に世界が手を貸し、ユーロ圏から離脱させることだと考えます。
 
 何回も言うようですが「一国一通貨制度」を理解しないまま、「一ユーロ圏一通貨制度」に欠陥があるにもかかわらず推し進めてきた人たち、経済は原発の問題どころではないかも知れませんが、日本の原発推進派と同じように問題があったわけです。
 
 この私がフェイスブックで書いた文章にドイツ国籍のある女性が返事をくれた。

 M ユーロ安でドイツの生産が拡大するという図式は現在は成り立っていません。9月の経済バロメーターではやや下降気味になっています。 ユーロに構造的なエラーがあるのは確かですが、だからといって離脱や解体がよい解決策だとは思えません。誰もヨーロッパがばらばらになることなど望んでいないし、解体するにもコストがかかりすぎる。むしろ構造的エラーをなくす努力、つまり税制をはじめとする様々な政治体制の統一化に向かう努力をしながら前進するしかないと思います。

 楢篠 ご意見ありがとうございます。確かに現在のドイツ経済は解りません。ただ日本と比較したとき日本は円高により企業が海外に逃げていくという空洞化現象に見舞われています。逆に考えるとドイツでは通貨安によって日本とは逆の減少が起きても不思議ではないはずです。
 
 まだ後の文章があったが日本人とドイツ人の考え方の違いを見たような気がした。世界的に問題となっている事柄に対し、速やかになぜ解決策を示せないのか。このまま時間稼ぎをしてユーロという通貨が値下がりしていくのを待っているのか。そのときギリシャは通貨ユーロが値下がったとき、再建できるとでも考えているのだろうか。むしろどんなにユーロが下がったとしても生産性の違いからギリシャはドイツ等から輸入しなくてはならないだろう。やがては支払いができなくなったギリシャは、ユーロ圏の名目お荷物として国自体が借金のかたに他の強い国に吸い取られてしまう。そこでドイツはヨーロッパでの強国になっていくのではないだろうか。私はそれを恐れる。






ギリシャ問題を考える(ユーロ圏問題)

2011-10-05 05:42:57 | Weblog
現在世界で大きな問題となっているギリシャの財政赤字。しいて言えばユーロ圏を構成している国の中で少数の加盟国の財政赤字問題ともいえる。
 
 それらを解決させこの先ユーロ圏として存続できるのか、もしくはユーロ圏から問題を抱えている国が自発的に離脱し、一つの国として通貨を独立させるということがこの問題を解決する方法ではないかと。私のつたない知識ではあるが、できる限りあらゆる面から考察して見たい問題だと考え、少しずつであるがここで書いていきたい。ただあまりにも大きな問題であることから書いたものがあとから読み返し、解決にそぐわなかったという危惧を感じてはいるが。

 最初に新聞の記事から入っていきたい。

10月3日朝日新聞朝刊にこのような記事が載っていた。『タイトルはギリシャ元首相が警告』

「ユーロ圏出たら、通貨価値半分に」
その内容はギリシャがユーロ圏を離脱したらどうなるかというものだ。
以下は引用
「ユーロ圏から追い出されたら通貨の価値は半分ほどになり、かって無い貧困と失業に見舞われる―。ギリシャのシミティス元首相が2日、行財政改革を強く迫った。中略 

 有力紙「カティメリニ」に寄稿した。「元首相からのS O S)と題して一面トップの扱いだ。シミティス氏は、通貨がドラクマに戻ると、1ユーロ=600ドラクマ以上になる(2001年のユーロ加入時は1ユーロ340ドラクマ)とし、人々は財産の多くを失い、社会不安が高まるだろう」と予測した。また欧州連合(E U」などに管理された状態での「国家破産」と「ユーロ圏からの立ち退き」について、目標が達成されればすぐにユーロに復帰できる」との約束の上でありえるとし、「事態はおそらく劇的で、コントロールは難しい」とした。

 ギリシャ国民には、緊縮財政のへの反発などからユーロの離脱を求める声も出つつある。「ドラクマなら通貨安で輸出がしやすくなり、国内産業が復活するはず」との理屈だ。

 シミティス氏は「ユーロ圏から出られるというのは『わが国は危機にない』と信じ込んで目をつぶっている物だけだ」とした上で「残された時間は約3年」と指摘。E U 各国が承認を進めている14年までの第2次支援が最後の支援の救い手との認識を示し、抜本的な行財政改革の実行を訴えた。
 
 シミティス氏は1996年から04年まで首相を務め、ユーロ加入を実現した。ただ危機の原因となっている財政赤字は、シミティス政権のころから隠されていたものだった。 引用終わり

>「ユーロ圏から追い出されたら通貨の価値は半分ほどになり、かって無い貧困と失業に見舞われる―。
 
 上記の引用では 元首相のシミティス氏は追い出されたらといっているが、国民が求めているのはユーロ圏からの追い出されることではなく国民自らがユーロ圏から出て行くことであり、そのことにより通貨ドラクマが通貨安となり輸出がしやすくなり国内産業が復活するということである。当然輸出が伸び国内産業が復活すればシミティスの言う「かってない貧困と失業に見舞われる」ということにはならないだろう。日本人ほど現在の通貨高から来る製造業の空洞化を身をもって体験している国民だからこそ通貨安ということの意味を理解できる。
 つまりシミティスの予測は外れていることになる。

 またギリシャがユーロ圏から離脱すれば次にイタリア、スペインということになるかも知れないが、そこで一番困るのはどこの国かということになる。当然ユーロ圏全体では赤字体質がその元になっている国々が出て行ったことによりユーロという通貨が滅茶苦茶に高くなる。それは残ったユーロ圏の国々の輸出にもブレーキがかかることになる。つまりドイツがギリシャの離脱により最大の犠牲者ではないだろうか。(マルクの高騰)

 ここで言うギリシャ離脱後のユーロ対ドラクマの交換比率はユーロという通貨の値上がりによりかってないほどのドラクマ安になることは当然だと考えられる。逆にギリシャの産業が通貨安を武器にドイツにも輸出が出来ることにもなる。

 簡単に解決される問題ではないと考えることから、日々変化していく情勢を分析することから書いていきたい。