前回からの続き
事業を継続させたいがための資金を必要としている人、今まで何の問題もなく継続されていた仕事が円高のため海外生産に移行され、それまで雇用されてきた人達が失業に追い込まれてしまう。その人達は家のローン、車のローンに追われてしまう。そこにはマイナスの資産が残ってしまう。雇用が継続されていなければ、もしくは明日の仕事の目的がない人にはリスクを持った人と判断されてしまうため、銀行は金を貸すことはあり得ない。
多くの資産、または銀行に多額の預金をしている人には銀行がより高い金利商品を斡旋し、それらの人は今まで持っていた資産を銀行または金融機関が手を貸し今まで以上に資産を膨らますことになっている。逆側にいるマイナス資産の人達は、今まで仕事があり安定と思われていた生活から、いくらかでも周りの人と同じような生活をしたいがため、今までの家の賃貸よりも同じ支払いならばと持ち家に替えた人、周りの人と同じように車を購入してしまった人、これらは政治的な景気浮揚策という側面から買わされたと断言できる。
もしこれらの人達が家や車を買わなかったら経済はより停滞していたことは確かだ。国の景気浮揚に踊らされていた人々、やがて失業からローンの支払いができなくなってしまった人、そしてその責任は景気浮揚を促した人達の責任は一切問われなく、債務を抱えてしまった人の自己責任として問われてしまう。
現在では世界的な政治経済の仕組みから職を失い、支払いができなくなったとき、残ったのはローンの返済のめどさえ立たない家と車。そしてもろもろのマイナス資産を持つようになってしまった。そこにはプラス資産家とマイナス資産家の間には相当な乖離(格差)があり、それを埋める知恵さえ今の政治は欠如している。そしてそれらのプラスとマイナスの関係はこの先どんどん膨らんでいくことは全ての政治家・経済学者が理解していることでありながら、そこには何の手も打たれない、多分現在の世界的状況から判断すると世界経済が崩壊してしまうまでなんらの手も打たれないのでは。
現在何らかの手を打ったとしても、ただ歳入を多くしたいがため税金をあげるという構想しかないのかと考えさせられてしまう。それは可処分所得という面から消費がその分落ち込んでしまい経済が以前より停滞してしまうという面も多々あると承知していながらである。